最終更新:2024/07/04
レチノール化粧品の広告表現で気を付けることは?薬機法・景表法を解説
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レチノール化粧品の広告表現では、どんなことに気をつける必要があるのでしょうか。
レチノールは、シワや毛穴への効果が期待され、美容液やクリームなどに使われていることが多い成分です。
レチノール化粧品の広告を制作する場合は、薬機法や景表法の規制対象となります。
この記事では、レチノールの効果や化粧品広告への使用について解説。
レチノールの効果として挙げられる「シミ」や「毛穴」の表現についてや、違反例・言い換え表現も合わせて紹介していきます。
レチノール化粧品の広告を制作する際の参考にしてみてください。
レチノールとは
レチノールとは、脂溶性のビタミンAの1つです。ビタミンAというのは、レチノール・レチナール・レチノイン酸の3つの総称です。
レチノールが配合されている化粧品は、化粧水や美容液、アイクリームなどがあります。レチノール配合の化粧品によって、ヒアルロン酸の合成やコラーゲン生成の促進が可能です。
ビタミンAは、食品中ではレバーや卵黄などの動物性の食品に多く含まれています。緑黄色野菜に含まれるβーカロテン(プロビタミンA)は、ビタミンAに変換される成分です。
レチノールと合わせて目にする機会が多い成分として、トレチノインがあります。
トレチノインは、レチノールを一部変化させたレチノールの誘導体です。トレチノインは医薬品なので、皮膚科などの医療機関で処方されます。
化粧品や薬用化粧品に含まれるのはレチノールで、トレチノインよりも作用は少ないのですが、副作用は起こりにくいので初めて使う人でも安心です。
レチノールの効果・副作用
レチノールには、大きく分けて3つの働きがあります。
- ヒアルロン酸の合成
- コラーゲンの生成促進
- 皮脂の過剰分泌を正常にする
この働きから、レチノールの効果として次の5つが挙げられます。
- シワやたるみの改善
- 肌にハリを与える
- シミを防ぐ
- 毛穴の黒ずみを無くす
- ニキビを防ぐ
ヒアルロン酸は、水分や肌の弾力性を維持する成分です。加齢と共に減少するので、レチノールでヒアルロン酸を合成することによってシワやたるみを改善し、肌にハリを与えていきます。
コラーゲンは、肌のターンオーバーに関わる成分です。レチノールでコラーゲンの生成を促進することで、たまったメラニン色素が排出され、シミができにくい肌になります。
皮脂の過剰分泌を正常にすることで期待できるのは、毛穴やニキビへの効果です。毛穴の黒ずみやたるみを無くし、ニキビができにくい肌に保ちます。
レチノールには肌の悩みを改善する効果がありますが、副作用があるという点も知っておかなくてはいけません。
レチノールで起こる可能性のある副作用は、レチノイド反応と呼ばれます。主なレチノイド反応は、肌の乾燥、赤み、かゆみ、皮むけなどです。
レチノイド反応が起こるのは、レチノールを使い始めてから2、3日後が最も多いと言われています。
個人差があるので、肌の様子をみながら少量から使っていくのがおすすめです。
化粧品の広告で「レチノール」は使用できる?
レチノールなど、話題性も効果もある成分が配合された化粧品の広告では、特定の成分を大きくアピールしたくなります。
しかし、化粧品の広告では、特定成分を大きくアピールすることはおすすめできません。
医薬品的な効果だとみなされ、薬機法違反となるおそれがあるからです。
大きく表示した成分について、他の商品よりも優れていると消費者に勘違いさせたり、主成分だと思われたりする可能性もあります。
誇大広告は薬機法や景表法違反となるおそれがあるので、注意が必要です。
特定成分を表示するためには、特定成分を配合した目的を表示する必要があります。
シワや毛穴への効果を広告で謳うには
化粧品の広告では、使用できる効果効能の表現が決められています。
レチノールの効果として挙げられる「シワ」や「毛穴」の改善に関しては、広告で表現する際に注意が必要です。
1つずつ詳しく解説していきましょう。
「シワ」を広告で表現するには
化粧品広告で使用できる56の効果の中には、シワに関する表現があります。
ただし、「乾燥による小ジワを目立たなくする。」という表現を正確に使用しなくてはなりません。さらに、「化粧品機能評価ガイドライン」に基づく試験等で効果を認められた場合にしか使用することはできません。
薬用化粧品の場合は、認められた効果の中であれば「シワ」という表現を使用できます。
レチノール配合の化粧品は薬用化粧品の場合が多いですが、薬用ではない化粧品にもレチノールが含まれていることもあるので注意が必要です。
「毛穴」を広告で表現するには
化粧品広告で使用できる56の効果の中には、「毛穴」に対する効果の表現はありません。
よって、毛穴に対するひきしめ効果などの表現は使用不可です。
ただし、毛穴の汚れを落とす・黒ずみを無くすなどの、毛穴自体を変化させるものではない効果は表現できます。
「毛穴が目立たなくなる」という表現は、単体での使用はできません。
肌をひきしめる・肌にハリを与えるなど、表現を認められている他の効果によって、毛穴が目立たなくなっているとわかるように表現しましょう。
化粧品での違反例
- レチノールは肌への効果が高い成分です
- レチノールで毛穴が小さくなります
言い換え表現(参考)
- レチノール(エイジングケア)※エイジングケアとは、年齢に応じたお手入れのこと
- 肌にハリを与え、毛穴を目立たなくします
健康食品での違反例
健康食品の広告で効果効能を謳うと、医薬品とみなされ、薬機法違反となる場合があります。
病名を表記することや、身体の特定部位を指す言葉も使うことはできません。
医薬品的な効果効能があるとみなされるだけでなく誇大広告にあたるので、景表法や健康増進法の規制対象となる場合があります。
以下のような表現は違反となります。
- シワが消えます
- 肌にハリを与える効果があります
- シミを防ぐ効果があります
- 毛穴を無くします
- ニキビ跡が消えます
言い換え表現(参考)
健康食品の広告では、サポート表現や使用感の表現が可能です。
- 健康維持を助けます
- ハリのある毎日をサポート
美容機器、雑貨での違反例
美容機器や美容雑貨の広告では、化粧品で使用が認められている表現を使うことができます。
レチノール配合の薬用化粧品を導入する美顔器の場合は、薬用化粧品の効果として承認されている表現のみを使用します。
以下のような表現は違反となる可能性があるので、注意が必要です。
- 効果が高いレチノールを導入
- レチノールがシワを改善します(薬用ではない化粧品の場合、違反となる)
言い換え表現(参考)
- 肌をひきしめて、毛穴を目立たなくします
- シワの改善(薬用化粧品で承認されている場合)
まとめ
レチノールは、ヒアルロン酸の合成やコラーゲンの生成を促し、シワや毛穴への効果が期待される成分です。
「シワ」という言葉を使う場合には、薬用化粧品で承認された内容のみ表現できます。
「毛穴」を変化させる効果は、化粧品の広告では表現できません。肌のひきしめやハリが与えられたことで毛穴が目立たなくなる、などの表現は可能です。
認められている表現を使用しながら、レチノールの効果を正しく伝えられる広告を制作していきましょう。
※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。
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