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最終更新:2024/07/04

ヒアルロン酸化粧品の広告表現で気を付けることは?薬機法・景表法を解説

ヒアルロン酸化粧品の広告表現で気を付けることは?薬機法・景表法を解説

ヒアルロン酸は保湿成分として人気の高い化粧品成分です。

ヒアルロン酸自体は、肌の中にも真皮と言われる部分に基質という名前で存在し、ハリや弾力をキープしています。基質は、ヒアルロン酸などの保湿作用をもつゼリー状の物質で、肌のクッションの役割を果たしています。

しかし、ヒアルロン酸が配合されている化粧品の広告表現に関しては、真皮にまで効果があるような表現を使用することは薬機法や景表法に違反するため出来ません。

今回は、ヒアルロン酸配合の化粧品における広告表現に関して、法律上の注意点も含めて解説していきます。

人気の成分「ヒアルロン酸」

ヒアルロン酸が保湿成分として人気がある理由は、その高い保湿力にあります。

化粧品に配合されるヒアルロン酸は粉の状態で配合されていますが、化粧品に配合しやすいよう1%水溶液が原料として販売されています。これは、ヒアルロン酸が水分を吸うと1グラムが2~6リットルと、粉の状態の時に比べて最大で600倍にも膨らむ特徴があるためです。そのため、ヒアルロン酸は0.01%配合するだけでも、化粧品にとろっとした使用感を持たせることが出来ます。

化粧品としてのヒアルロン酸は、肌につけると表皮の角層にとどまって、水分と結びつくことで膨らみます。角層は表皮の一番外側のバリア機能の働きをする部分で、うるおいを保ったり皮膚を乾燥から守る働きがあります。化粧品として配合されたヒアルロン酸は、それらの作用を助ける目的で配合されています。

ヒアルロン酸はそのタイプによって、肌に浸透しやすい物や、保湿力の高い物、バリア機能の修復力が高い物などがあります。配合されているヒアルロン酸のタイプによって、化粧品の機能を高めてくれます。

「ヒアルロン酸」配合化粧品の広告表現で気をつけること

ヒアルロン酸が配合されている化粧品について広告表現を行う時には、肌の内部でも生成されているヒアルロン酸が増えるかのような表記をしないように気をつける必要があります。

肌は表面から表皮、真皮、皮下組織に分類され、ヒアルロン酸はその真皮と言われる部分に基質という名前で存在し、ハリや弾力をキープしています。基質はヒアルロン酸などの保湿作用をもつゼリー状の物質が、コラーゲン繊維やエラスチン繊維に支えられることで肌のクッションの役割を果たしています。

しかし、実際にヒアルロン酸配合化粧品を使用して、肌に影響が与えられるのは「角層まで」です。これは化粧品として配合されているヒアルロン酸の特徴が、肌の角層に効くように作られているからというだけが理由ではありません。日本化粧品工業連合会のガイドラインに次のような記載があります。

E3 「角質層・毛髪への浸透」等の作用部位の表現

化粧品において、細胞分裂が殆ど行われていない表皮の角質層や毛髪部分へ化粧品成分が浸透する表現を行う場合は、浸透する部位が「角質層」や「毛髪」の範囲内であることを併記すること。 浸透して損傷部分が回復(治療的)する等の化粧品の効能効果の範囲を逸脱する表現は行わない。 なお、医薬部外品の作用部位の表現を行なう場合は、事実に基づき、承認を受けた範囲を逸脱しないこと。

日本化粧品工業連合会「化粧品等の適正広告ガイドライン2020年版

つまり、その商品が化粧品である限りは、まるで皮膚の内部にまで効果が現れるような広告表現をすることは出来ないのです。

ヒアルロン酸配合化粧品でやってしまいがちな広告表現

ヒアルロン酸のような高い保湿成分が配合されている化粧品成分の場合、広告表現として「肌の奥まで浸透」や「角質の奥まで浸透」という浸透表現を用いてしまいがちです。化粧品成分としてのヒアルロン酸には、角層の奥まで浸透するタイプが存在しますが、それをそのまま広告表現として使用することは出来ません。また「角層まで」と注釈を書いていても、角層以上に効果があるように消費者が誤認しかねない表現に関しては問題となる場合があります。

化粧品広告では薬機法と景表法に注意

化粧品の広告表現では、薬機法だけではなく景品表示法にも注意が必要です。

薬機法によれば、「化粧品は肌の作用が緩やかなものでなければならい」とされています。

この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第1項第2号又は第3号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。

出典:薬事法第2条3項

ヒアルロン酸配合の化粧品は、使用感としてお肌がモチモチとしたような感触になったり、化粧品本来のドロッとしたテクスチャー(質感)などが注目されます。その使用感に注目して「皮膚にうるおいを与える」と広告表現したり、「皮膚の乾燥を防ぐ」と広告表現したりすることは可能です。

また、景品表示法(景表法)にもついつい使ってしまいがちな表現が含まれているので、併せて気を付ける必要があります。

第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

出典:景表法第5条1項

ヒアルロン酸配合化粧品の広告表現でしてしまいがちな広告表現は、「使うだけでお肌がうるおう」のような即効性を担保するような表現です。これが「使い続けることで」という継続使用を意味する場合であっても、優良誤認表示に該当してしまった際には、該当する広告表現の裏付けとなる資料の提出を求められることがあるので注意が必要です。

化粧品の広告表現は、故意ではなくても薬機法や景表法に抵触する可能性が非常に高いため、広告表現を作成する際には最新の法律やガイドラインを確認して行いましょう。

まとめ

ヒアルロン酸は1グラムで6リットルに膨らむほどに保湿力の高い成分として人気があります。ヒアルロン酸自体は、肌の真皮にも存在してハリや弾力をキープしています。

しかし、化粧品としてのヒアルロン酸の広告表現を行う際には、真皮のヒアルロン酸が増えるかのような広告表現をすることは出来ません。薬機法や景表法に違反しないよう、ヒアルロン酸配合化粧品の使用感や使用方法などに言い換える必要があります。

ヒアルロン酸の配合された化粧品の広告表現には、最新の法律や条例などを理解したり、法律のプロの意見を参考にしたりして、慎重に行うことが重要でしょう。

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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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