最終更新:2024/07/04
エステサロンのコルギに関する薬機法・景表法
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近年では韓国発祥の美容法が日本でも流行しています。その中で、小顔矯正を行う美容方法としてエステサロンなどで行われているのが「コルギ」です。
ただし、コルギの広告において、「小顔になる」「頭蓋骨を矯正」など身体の構造に影響を与えるかのようなワードを標榜することはNGです。こうした広告表現は薬機法や景表法に抵触するため、広告制作の際は十分注意しましょう。
コルギとは?
コルギ(骨気)とは、手や腕を使って骨を刺激し、リンパの流れや血行を改善させて老廃物の排出を促す美容法です。
コルギは韓国で発祥した民間療法で、2006年頃に日本に渡ったといわれています。韓国美容法の流行と芸能人やインフルエンサーが紹介したことにより、日本でも人気の高い美容法として広く知られています。
主に顔周辺の骨を刺激することが多いコルギですが、背中や脚の骨に施術を行う場合もあります。また、手を使うだけでなく、棒などのグッズを使って刺激する方法もあるようです。
エステサロンに関わる薬機法と景表法
エステサロンの広告において、法律やガイドラインに定められた範囲を超えるような効能効果表現は虚偽・誇大広告に該当します。
虚偽・誇大広告を疑われる広告表現には、内容の裏付けとなる合理的な根拠の説明を求められます。広告制作に関わる人は、合理的な根拠を説明できない広告表現は避けることが大切です。
- 消費者の皆様へ - 誇大広告には注意しましょう。 非常に優れたサービスであるという表示を行いながら、事業者自身が表示の裏付けとなる合理的根拠を説明できない場合があります。表示内容をうのみにせず、よく確認した上で、商品やサービスを選択しましょう。
(小顔になる効果を標ぼうするサービスの提供事業者2社に景品表示法に基づく措置命令より引用)
承認されていない効能効果表現は薬機法違反に該当する
エステサロンで使われる化粧品や美容機器の効能効果については、化粧品で認められた56項目の範囲内までの広告表現に留める必要があります。この範囲を超えた効能効果表現は、虚偽・誇大広告として薬機法違反となるため注意しましょう。
(誇大広告等)
第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
(薬機法第66条より引用)
また、エステサロンで使われる美容機器については、美容機器が電動の物か雑貨なのかによっても標榜できるワードが違ってきます。
電動の美容機器については、医療機器と同じ効能効果があるかのような広告表現は禁止されています。例えば、「頭蓋骨を矯正する」「表情筋を鍛える」といった身体の構造に影響を与えるワードも、医療機器的な広告表現と判断されるため美容機器の広告には不適切と考えられています。
(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止)
第六十八条 何人も、医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、承認又は認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。
(薬機法第68条より引用)
一方、雑貨としての美容機器においては、「あんま、指圧の代用」として血行を良くする・表情筋をほぐすといった表現のみ認められています。
過剰な効能効果表現は景表法違反(優良誤認表示)に該当する
景表法(景品表示法)において、商品やサービスの内容が実際のものより著しく優良であることを表示することは優良誤認表示に該当するため、不適切とされています。
(不当な表示の禁止)
第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
(景表法第5条より引用)
なお、優良誤認表示を始めとした不当表示を行うと措置命令の対象となる恐れがあるため、注意が必要です。
(措置命令)
第七条 内閣総理大臣は、第四条の規定による制限若しくは禁止又は第五条の規定に違反する行為があるときは、当該事業者に対し、その行為の差止め若しくはその行為が再び行われることを防止するために必要な事項又はこれらの実施に関連する公示その他必要な事項を命ずることができる。(以下省略)
2 内閣総理大臣は、前項の規定による命令に関し、事業者がした表示が第五条第一号に該当するか否かを判断するため必要があると認めるときは、当該表示をした事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。この場合において、当該事業者が当該資料を提出しないときは、同項の規定の適用については、当該表示は同号に該当する表示とみなす。
(景表法第7条より引用)
コルギで小顔は謳える?
コルギの広告では、「小顔になる」「頭蓋骨の歪みが矯正される」といったワードの使用は認められません。
薬機法において、身体の構造に影響を及ぼす効果のある施術や器具は医薬品や医療機器にのみ認められています。したがって、顔の骨を矯正して小顔になるといった広告表現をコルギに使用すると、虚偽・誇大広告や未承認の医療機器広告として薬機法違反と判断されるのです。
この法律で「医療機器」とは、人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等(再生医療等製品を除く。)であつて、政令で定めるものをいう。
(薬機法第2条より引用)
コルギの広告で景表法違反となった事例
平成31年、東京都はコルギに小顔効果があると標榜した美容サロンについて景表法違反(優良誤認表示)として措置命令を行いました。
2 違反事実の概要
(1) S.O.M株式会社 …同法第5条第1号に該当(優良誤認)
ア 表示内容
自社ウェブサイトにおいて、別紙1のとおり記載することにより、あたかも、本件役務の提供を受けることで、頭蓋骨の歪みやずれが矯正されることにより、目の大きさ、鼻の高さ、エラの張り、額の広さ、ほお骨の位置及びあごの形が変化し、かつ、小顔になるかのように表示していた。
(2) 株式会社ビューネス …同法第5条第1号に該当(優良誤認)
ア 表示内容
自社ウェブサイトにおいて、別紙2のとおり記載することにより、あたかも、本件役務の提供を受けることで、頭蓋骨の歪みやずれが矯正されることにより、直ちに小顔になり、かつ、それが持続するかのように表示していた。
(小顔になる効果を標ぼうするサービスの提供事業者2社に景品表示法に基づく措置命令より引用)
優良誤認表示が疑われる場合は、その表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出が求められます。上記の2事例においては、提出された資料の内容が合理的根拠を示しているとは認められませんでした。
イ 実際
都が、同法第7条第2項の規定に基づき、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めたところ、同社は資料を提出したが、当該資料は、合理的な根拠を示すものとは認められないものであった。
(小顔になる効果を標ぼうするサービスの提供事業者2社に景品表示法に基づく措置命令より引用)
まとめ
コルギの広告に小顔になる効果を標榜すると、薬機法や景表法に抵触するため注意が必要です。
特に、小顔に関する広告表示は措置命令の事例が増えています。エステサロンやコルギの広告制作の際は優良誤認表示とならない表現を心がけましょう。
また、エステサロンで行われるマッサージやハンドケアについては、医師法やあはき法(あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師などに関する法律)の広告規制についても知っておく必要があります。薬機法や景表法と併せて、これらの法律やガイドラインも確認しておきましょう。
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