最終更新:2024/07/04
「虫除け」は謳える?化粧品や雑貨に関する薬機法
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「虫除け」は、化粧品や雑貨の広告に使用できるのでしょうか。
「虫除け」は、蚊やハエなどの人に被害を及ぼす虫を、人体に近づかせないようにする製品です。
この記事では、「虫除け」を表現する際の注意点について、薬機法に基づいて解説しています。
虫対策製品の分類や使用目的によって、「虫除け」表現を使用できるかどうかは変わりますよ。
虫対策製品のパッケージや広告を作る際の参考にしてみてください。
夏に欠かせない虫対策製品
キャンプにバーベキュー、海に夏祭りなど、夏はアウトドアの季節。
楽しい夏のアウトドアに欠かせないのが、虫対策製品です。
夏になると、テレビやホームセンターなどで虫除けの広告を多く目にします。
外で過ごす時間が長く汗をかきやすい季節だからこそ、対策を万全にしておきたい人が多く、様々な虫対策製品が売られていますよね。
虫対策製品は、大きく分けると肌に直接つけられるタイプの製品と、置いて使うタイプの製品に分けられます。
実は、製品の使用目的や分類によっては「虫除け」であることを広告で表現できないものがあるのです。
化粧品や医薬品、医薬部外品などの製品は、薬機法で規制されています。
薬機法の規制対象となっていない雑貨や健康食品なども、薬機法の規制対象となる場合があるので、「虫除け」について表現する場合は注意が必要です。
次の章からは、薬機法に基づき、「虫除け」の表現について詳しく解説していきます。
化粧品や雑貨で「虫除け」は薬機法違反
化粧品や雑貨では、「虫除け」と表現することはできません。
化粧品や雑貨の広告では、薬機法などの法律を遵守しながら制作する必要があります。
「虫除け」または「虫よけ」は、製品の名前としてのイメージが強いですが、効果効能の表現の一つです。
化粧品の広告における「虫除け」
化粧品の広告では、使用できる効果効能の表現が薬機法で定められています。
認められている56の効果の中に「虫除け」はありません。
「虫除け」という表現を化粧品の広告で使用すると、薬機法違反となるので注意が必要です。
雑貨の広告における「虫除け」
雑貨の広告では、目的によって「虫除け」を謳えるかどうかが変わります。
薬機法違反となるのは、人や動物を対象としている製品の場合です。
人や動物を対象とする製品では、人に対して直接的な被害を及ぼす、はえ、蚊、のみなどの衛生害虫から人や動物を守ります。
人や動物を対象としている場合、「虫除け」であると表現することは、医薬品的な効果を謳っていることになります。
雑貨の広告では、人体に対する医薬品的な効果を謳うことはできないので、薬機法違反です。
薬機法違反にならないのは、人や動物を対象としていない場合です。
たとえば、タンスやクローゼットに入れる服の防虫剤、家の白アリ対策、園芸用の虫除けなど。
人体に対して使用するものではないので、薬機法の対象とはなりません。
したがって、人や動物を対象としていない虫対策製品の場合、「虫除け」を謳うことは可能です。
衣類用のスプレーだとしても、スプレーした服を着て出かけることを目的とする製品であれば、人や動物を対象としていることになるので薬機法違反です。
「防除用医薬部外品」と書かれていないスプレーは、雑貨に分類されるので注意しましょう。
医薬品・医薬部外品では標榜可
医薬品や医薬部外品の場合、「忌避剤」として認められている製品は「虫除け」の標榜が可能です。
虫よけが医薬部外品に含まれるというのは意外かもしれませんが、薬機法では、医薬部外品について以下のように定められています。
2 この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。
一 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止 ロ あせも、ただれ等の防止 ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛
二 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
三 前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(前二号に掲げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの (医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)
医薬部外品は人の肌や身体に変化をもたらすものだけでなく、ハエや蚊を近寄らせないようにするものや、殺虫剤なども含まれているのです。
医薬部外品であれば、認められている効果効能を表現することは、薬機法違反になりません。
「化粧品等の適正広告ガイドライン」の「医薬部外品の効能効果の範囲」では、忌避剤で表現できる効果について次のように挙げられています。
12.忌避剤 はえ、蚊、のみ等の忌避を目的とする外用剤である。 液状、チック様、クリ ーム 状の剤型。エアゾール剤。 蚊成虫、ブユ(ブヨ)、サシバエ、ノミ、イエダニ、トコジラミ(ナンキンムシ) 等の忌避。 (化粧品等の適正広告ガイドライン)
忌避の効果について書かれてあるので、「虫除け」と謳うことが可能です。
医薬部外品の中でも、虫除けに使用される医薬部外品は「防除用医薬部外品」と表示されています。
「防除用医薬部外品」の表示は、忌避剤だけでなく、殺虫剤などにも表示されるものです。
消費者は、「防除用医薬部外品と書いてあれば忌避剤である」などと、どちらか片方のみを認識している可能性もあります。
誤った方法で使用することのないよう、製品の詳細や使用方法について正しく表示していかなくてはいけません。
化粧品や雑貨での違反例
化粧品では「虫除け」という表現が違反となります。
雑貨では、人を対象としている製品のみ「虫除け」という表現が違反となります。
- 虫除け
- 虫除けスプレー
- 蚊除け
- 蚊除けスプレー
使用が認められる表現
雑貨では、人を対象としていない製品は「虫除け」を謳えます。
医薬品・医薬部外品の場合は、効果が認められている製品や「防除用医薬部外品」の表示がある製品で「虫除け」の標榜が可能です。
ただし、「防除用医薬部外品」には殺虫剤も含まれるので、「虫除け」の標榜が可能なのは忌避剤として認められているもののみとなります。
言い換え表現(参考)
・香りでガード(虫とは言わない)
※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。
まとめ
化粧品や人や動物を対象としている雑貨の虫対策製品では、「虫除け」と謳うことはできません。
人体への効果として「虫除け」を謳うことが認められていない製品であるためです。
雑貨の中でも「虫除け」という表現を使用できるのは、人体に使用しない場合のみ。
医薬品や医薬部外品では、忌避剤として認められている商品であれば「虫除け」を謳えます。
虫対策製品は、肌に直接つく可能性がある製品だからこそ、誰しも安心・安全な商品を使いたいと思うものです。
効果が認められている安全な商品を消費者が選べるように、適切な表現を使用して広告を制作していきましょう。
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