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最終更新:2024/07/04

「花粉症」は謳える?薬機法を解説

「花粉症」は謳える?薬機法を解説

皆さんは薬機法や景品表示法に表現規制があることをご存知でしょうか。 薬機法や景品表示法は健康食品や化粧品などに適用されている法律ですが、これに違反してしまうことで罰金が課せられたり、注意勧告を受けてしまう可能性があります。 本記事では「花粉症」をメインに違反事例や薬機法や景品表示法で気をつけるべきポイントや言い換え表現の例などを紹介していきます。

「花粉症」は病気?

花粉症によるくしゃみ、鼻水、目のかゆみなどのアレルギー症状は、スギやヒノキなどの植物の花粉が鼻や目の粘膜に接触することで起こる病気です。

スギは2月から4月、ヒノキは3月から5月にかけて、朝から昼過ぎにかけて花粉の量が増え、晴れて暖かく風の強い日や、雨の翌日は花粉の量が多くなるのが一般的です。

また、春以外の季節でも、シラカバやハンノキなどの樹木、カモミールやブタクサなどの植物が、この病気を誘発することがあります。オリーブの木が多い瀬戸内地方では、オリーブの花粉による花粉症もよく見られます。

「花粉症が治る」は薬機法に抵触

「花粉症」という表示は、実際には個々の健康状態を表すものであり、医薬品的な効能を意味するため、健康食品などには使ってはいけないことになっています。

この言葉は薬事法の適用除外にはなりませんが、状況によっては「花粉症」から「花粉症」に漢字を変えて表記する例も見られます。

また、病気を明確にするのではなく、「花粉の季節に」という文で発生を表現する場合も存在します。しかし、場合によっては、この表現も不十分であると考えられます。 たとえ「花粉症」という言葉がなくても、その症状を止める、あるいは改善するといったことを文章全体で表現するのは、難しいと思われます。

化粧品での違反例

ここでは化粧品での違反例について紹介していきます。

使用した人の体験談

省令第1条の9第1号によれば、患者等が治療内容等に関して自らの主観的な体験や伝聞に基づく体験談を広告することはできないとされています。

また、患者等を医療機関に誘引するための家族等の体験談についても、患者等の個別の事情に応じた印象を与え、公衆に混乱や誤解を与えるおそれがあるため、表示することが禁止されています。

従って、患者さんの声の内容を広告に利用することが適法であっても、許されるものではありません。

しかし、個人が運営するウェブサイト、個人のSNSページ、第三者が運営するクチコミサイトへの体験談の掲載は、医療機関が掲載を依頼したり、掲載料を支払ったりしていないこと、掲載が誘引とみなされないことを条件に、広告とはみなさないと定められています。

ビフォーアフター写真

省令第 1 条の 9 第 2 号にあるような、治療の要素や結果について患者を欺く可能性のある治療前または 治療後の画像を「ビフォーアフター写真」といいます。 ただし、治療の結果は患者ごとに異なることが一般的であることから、原則として、人を惑わすような写真を医療に関する広告として使用してはいけません。

ただし、術前・術後の写真に、費用や主なリスクなど必要な事項を総合的に説明する場合は、広告として認められる場合があります。その場合、リンクでつながったページに掲載したり、治療の効果に比べ極端に小さな文字で掲載したりすることは避け、患者が認識しやすいように配置することが重要です。

また、術前・術後の画像は、治療効果に関連する事項が広告されないため、第4条の制限解除の要件に従わない場合は、販促物に掲載することができないようになっています。

言い換え表現(参考)

花粉症に置ける言い換え表現では、どのような言葉を使うのが適切と考えるべきでしょうか。 さらに掘り下げると、「春を快適に過ごしたい方へ」「春は健康な季節です」といった表現は、症状の改善や抑制には効果がないものの、文脈やイメージから花粉症と解釈される可能性があります。

また、一般的に広告で使用される「鼻水」などの言葉も、よく吟味する必要があります。 鼻水が出ていることを示す言葉としてしか捉えられない場合は、このような表現の使用は適切でない可能性があります。

ホコリやハウスダストなどによる鼻の不快感

一般的に、健康食品は訴求することができません。しかし、エビデンスに裏付けられた適切なマーケティング情報があれば、より多くの人々に正しい情報を伝えることが可能です。

例えば、カルピスの「L-92乳酸菌」の機能性表示には、「ほこりやハウスダストによる鼻の不快感」という表示にとどめられていますが、さらに、そのエビデンスに裏付けられた主張として、「花粉症」を訴求しています。

ハウスダストやほこりによる目や鼻の不快感

ホコリやダニによる目や鼻の炎症などの病気に対する記載が、機能性表示食品では可能となっています。

しかし、OTCがあるため、「花粉による」の表現は今後も使えないことが予想されます。

健康食品での違反例

健康食品は、法律上医薬品に分類されません。 そのため、病気や症状、体の部位、機能などに効果があることを表現することは禁止されています。

生活習慣病の予防、便秘・花粉症・冷え性の改善、食欲不振・冷え症・成人病の治療、疲労回復、視力・バストアップ・身長・顔色・育毛・細胞機能・痩身・筋肉の発達・老化防止など身体的特徴の改善などが表現に含まれます。

さらに、どのような用法・用量でどのように摂取するかを指定することも、医薬品的表現に該当します。

例外として、「特定保健用食品」と「機能性表示食品」があります。特定保健用食品は消費者庁の認可が必要ですが、機能性表示食品は消費者庁に届け出れば、一定の範囲内で機能を表示することができるようになります。

言い換え表現(参考)

言い換え表現としては、「気持ち良く春を迎えたい(過ごしたい)方」「春も快適に」「冬から春の季節の変わり目が嫌いな方」「転ばぬ先の杖で、春も元気にいたい方」

程度の表現であれば、必ずしも状態の改善や予防を示しているとまでは言えず、いわゆる抗弁できる範囲の表現となりますので、使用できる可能性があります。

しかし、商品の『含有成分』に「花粉」を使用している場合は、健康食品であっても「花粉」を表現することは差し支えないとされています。

花粉によるアレルギー性鼻炎のくしゃみ・鼻水の緩和

アレルギー性鼻炎、特に花粉によるくしゃみ、鼻水などの症状を緩和するために、点鼻薬や内服薬などの一般用医薬品が投与されます。このようなアレルギーの原因として、花粉を示すことは問題ありません。

逆に、花粉症が原因であることは、きちんと効果を説明する必要があります。

医療広告では訴求可能

花粉症など、特定の外来診療を専門に行う診療科の広告は認められません。

ただし、保険診療や健康診断の広告を認めるガイドラインの中では、糖尿病や花粉症、乳房検診など、外来で行っている特定の治療や検査を宣伝することは認められています。 専門外来に類する内容については、絶対的な禁止事項は存在していません。

まとめ

今回は、「花粉症」に関する薬機法や景品表示法違反事例や健康食品、化粧品における気をつけるべきポイントや言い換え表現について解説してきました。

健康食品に関しては一般食品に該当するため、医療効果などを記載しない限りは薬機法に該当しませんが、化粧品などの美容製品はその商品を使用するだけで、症状が改善されるような表現をしてしまうと薬機法に触れてしまう可能性があるので注意しましょう。

※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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