最終更新:2024/07/04
「筋力アップ」「パンプアップ」を広告で謳える?言い換え表現は?薬機法•景表法を解説
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健康のために筋力トレーニングに励む方は老若男女問わず多く、トレーニング前後に摂取するサプリなどの商材も世の中にあふれています。
しかし、健康食品や美容機器を広告で扱う場面において、その広告表現などを規制する法律があるのをご存じでしょうか。「筋力アップ」「パンプアップ」などは法律に触れる可能性があり、「知らずに法律違反をしていた」という状況は避けたいところです。
そこで本記事では「筋力アップ」「パンプアップ」などが広告で謳えるかなどを実際の例を交えて分かりやすく解説していきます。
ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
「筋力アップ」「パンプアップ」は謳える?
健康食品や美容機器などを扱う場面において「筋力アップ」や「パンプアップ」と表示することはできるのでしょうか。
結論から言うと薬機法や景表法などの法律に抵触する恐れがあります。
後の章で順番に詳しく説明していきますが、例えば薬機法の場合「筋力アップ」という表現は身体の機能への変化をイメージさせて医療機器に分類されてしまうことにより法律違反になります。
しかし、類似の表現であれば法律に抵触することなく商品の魅力を伝えることが可能です。実際に薬機法や景表法を詳しく知ることで「どのような表現なら大丈夫なのか?」ということを見てきましょう。
広告表現に注意!薬機法、景表法とは
前述の通り健康食品の広告を扱う場合は薬機法と景表法について注意が必要です。ここからはそれぞの法律について詳しく解説していきます。
薬機法とは
厚生労働省は医薬品や医療機器などの安全性確保などの目的で規制をつくっており、そのまとまった法律が薬機法です。正式名所として「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」とよび、「薬機法」「医薬品医療機器等法」などと省略して呼ばれることが一般的です。
主に下記の薬品類や医療機器などが薬機法の対象になります。
薬機法の対象
- 医薬品(医療用医薬品、市販薬、血液学的検査薬等)
- 医薬部外品(うがい薬、殺虫剤、染毛剤、栄養ドリンク等)
- 化粧品(一般的な化粧品、シャンプー、スキンケア用品等)
- 医薬機器(ペースメーカー、人工関節、超音波画像診断装置など)
- 再生医療等製品(心筋の細胞シート等)
出典:厚生労働省
上記の対象の安全や有効性を守るため「開発」「製造」「販売」「流通」「使用」などについて細かく定められています。もとの法律が「薬事法」という法律で、平成26(2014)年の法改正により名称が薬機法になりました。
(誇大広告等) 第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。 2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。 3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。
出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
医薬品などを扱う場合、広告の表現に関して「明示的暗示的に関わらず」誇大表現が禁止されているため注意が必要です。
(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止) 第六十八条 何人も、第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の二十三第一項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三条の二の十七第一項、第二十三条の二十五第一項若しくは第二十三条の三十七第一項の承認又は第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。
出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
健康食品や美容機器は基本的には薬機法の対象外ですが、表現の方法によっては薬機法の対象になる可能性があります。「あたかも医薬品のような表現」にならないように、商品を売り出す際は注意が必要でしょう。
景表法とは
薬機法の他に関わってくる法律として、景表法を見ていきましょう。
(目的) 第一条 この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする。
景表法は「不当景品類及び不当表示防止法」の略称で、商品販売の場で顧客が不利益を被らないため防止する法律です。
実態よりもよく見せかける商品の表示や広告なども多いなかで、規制をつくることにより消費者の方が自主的かつ合理的に良い商品を選べる環境づくりを目指しています。
<不実証広告規制の概要> 消費者庁は、商品・サービスの効果や性能に優良誤認表示の疑いがある場合、その事業者に表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができます。当該資料が提出されない場合、当該表示は不当表示とみなされます。
出典:消費者庁
健康食品や美容機器を扱う上では「不実証広告規制」なども認識しておく必要があるでしょう。商品やサービスの効果について伝えるときに「合理的な根拠なし」で伝えると違反になってしまうので要注意です。
- 医薬品(医療用医薬品、市販薬、血液学的検査薬等)
- 医薬部外品(うがい薬、殺虫剤、染毛剤、栄養ドリンク等)
- 化粧品(一般的な化粧品、シャンプー、スキンケア用品等)
- 医薬機器(ペースメーカー、人工関節、超音波画像診断装置など)
- 再生医療等製品(心筋の細胞シート等)
健康食品での違反例
実際にどのような表現が健康食品で違反になるか例を見ていきましょう。
健康食品の場合、例えば「この食品を食べると筋力がアップします」「パンプアップできるサプリです」というような表現は違反になる可能性があります。
「身体の機能への変化」をイメージさせると医薬品的な効果を謳っていることになるので注意が必要です。
使用が認められる表現
健康食品の効果を伝える場合、「筋力アップ」などの直接的な効果を伝える表現は避ける必要があります。
「筋力アップ」のような効果を伝えたい場合、「栄養補給」のような医薬品に該当しない表現や、より抽象的な効果を謳う表現を使っていくとよいでしょう。例えば「パワーチャージ」「筋トレ後のお供に」などの表現などが当てはまります。
言い換え表現(参考)
ここまでの内容をもとに具体的な言い換え表現も見ていきましょう。健康食品の広告を扱う際などは参考にしてみてください。
NG:このサプリで筋力アップできます OK:筋トレ後にぴったりな栄養補給
NG:この食品でハンプアップできます OK:トレーニングのお供に
美容機器での違反例
続いて美容機器での違反事例を見ていきましょう。
美容機器のケースでは「この機器で筋力アップ」「機器を使うことによりパンプアップ」という表現は薬機法に抵触してしまう恐れがあります。医薬品的な効果にならないよう「身体の機能への変化」を想起させない表現が必要と言えます。
使用が認められる表現
美容機器の場合はどのような表現で伝えればよいのでしょうか。
前述のように「筋力アップ」「パンプアップ」などの直接的な表現は薬機法に抵触してしまうので、より抽象的な表現や気分などの表現を検討してみるとよいでしょう。「トレーニングのお供に」などの表現が当てはまります。
言い換え表現(参考)
ここまでの内容をもとに具体的な言い換え表現も見ていきましょう。美容機器の広告を扱う際などは参考にしてみてください。
NG:この機器で筋力アップできます OK:トレーニングのお供に
NG:この機器でパンプアップできます OK:トレーニングのお供に
まとめ
本記事では「筋力アップ」「パンプアップ」を広告などで扱う際に法律違反にならないかを解説してきました。
「筋力アップ」「パンプアップ」に近い言葉をそのまま使うと医薬品として扱われる可能性が高く、薬機法に抵触してしまう恐れがあるため注意が必要です。景品法の観点でも根拠の弱い内容を記載して製品の広告などを打ち出すことはしないように気を付けるべきでしょう。
素敵なサービスの魅力を伝えようと広告表現に使った内容が法律に抵触してしまうという事態は避けたいところです。製品やサービスを広める広告などを利用する際はぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
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