最終更新:2024/07/04
「マッサージ」は謳える?エステサロンに関する薬機法
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エステサロンで「マッサージ」は謳えるのでしょうか。
エステサロンでは、血行やリンパの流れを促し、美容効果をもたらすためのマッサージが行われています。
しかしながら、「マッサージ」という表現をエステサロンで使う場合には、違法行為にあたる可能性があるので注意が必要です。
この記事では、エステサロンで「マッサージ」を謳う際の注意点について、法律に基づいて解説しています。
「マッサージ」の施術を行うエステサロンの広告を制作する際の参考にしてみてください。
エステサロンで「マッサージ」は謳える?
エステサロンで「マッサージ」を謳えるかどうかは、エステで働いているエステティシャンの所持している資格によって決まります。
マッサージができるのは、「あん摩マッサージ指圧師」という国家資格を持った人だけです。
第一条 医師以外の者で、あん摩、マツサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許又はきゆう師免許(以下免許という。)を受けなければならない。 (あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律)
マッサージは、医業類似行為に分類されています。
「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格を持たないエステティシャンがマッサージの施術をすることは法律違反。
メニューや広告などで「マッサージ」と表記することも、同様に法律違反となります。
エステサロンのメニューで「フェイシャルマッサージ」や「ボディマッサージ」などの「マッサージ」という言葉を使えるのは、エステティシャンがあん摩マッサージ指圧師の資格を持っている場合のみです。
エステサロンだけでなく、リラクゼーションサロンや整体院も注意が必要です。
エステサロンは美しくすることが目的ですが、リラクゼーションサロンは筋肉をほぐして身体を癒すことが目的となっています。
リラクゼーションサロンでも、マッサージを謳うならば、セラピストがあん摩マッサージ指圧師免許を所持していなければいけません。
整体でマッサージに近い施術をしていても、あん摩マッサージ指圧師免許が無ければ、メニューに「マッサージ」と表記することは不可能です。
施術メニューの内容がマッサージに近くても、マッサージを行うスタッフがあん摩マッサージ指圧師免許を所持していなければ、「マッサージ」と表現することはできません。
あはき法とは?
あはき法の正式名称は、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」と言います。
あはき法では、国家試験に合格して免許を取得した人だけが、「あん摩マッサージ指圧師」としてマッサージ業ができると決められているのです。
はり師ときゆう師に関しても、同様に免許を取得した人だけがはり師やきゅう師として施術することを認められています。
他にあはき法で記載されているのは、国家資格試験を受験できる条件や施術の制限、広告表現についてなど。
国家資格を取得するためには、専門の学校などに3年間通い、知識・技能を習得した上で国家試験に合格する必要があります。
あはき法で広告について記載されている内容は、以下の通りです。
第七条 あん摩業、マツサージ業、指圧業、はり業若しくはきゆう業又はこれらの施術所に関しては、何人も、いかなる方法によるを問わず、左に掲げる事項以外の事項について、広告をしてはならない。 一 施術者である旨並びに施術者の氏名及び住所 二 第一条に規定する業務の種類 三 施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項 四 施術日又は施術時間 五 その他厚生労働大臣が指定する事項 ② 前項第一号乃至第三号に掲げる事項について広告をする場合にも、その内容は、施術者の技能、施術方法又は経歴に関する事項にわたつてはならない。 (あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律)
「施術者の技能、施術方法又は経歴」については、広告で表現できません。
広告表現については、厚生労働省でさらに詳しいガイドラインを作成中です。
「あはき、柔整施術所等の広告に関する実態等」では、施術所に関する広告表現や施術者に関する広告表現について、具体例を挙げて細かく記載されています。
マッサージする人に関する広告表現では、以下のような指導事例がありました。
≪主な指導事例≫ ・施術者の顔写真・似顔絵 ・施術中の写真・イラスト ・施術者以外の写真 ・略歴、所属学会名、得意分野、経験施術数 ・院長・副院長等の肩書き ・あはき、柔整以外の保有資格 ・挨拶文 ・施術者の技能、効果効能 等 ・性別を強調する記載 ・「○○で最先端の技術を習得」 (あはき、柔整施術所等の広告に関する実態等)
国家資格を所持したエステティシャンがマッサージの施術をする場合でも、施術メニューやWebサイトなどの広告表現によっては、あはき法違反となる可能性もあります。
マッサージを謳う場合には、あはき法やガイドラインで定められている内容を把握し、あはき法違反とならないように気をつけていきましょう。
使用が認められる表現
エステティシャンが国家資格を持っていない場合、エステで「マッサージ」は表現できませんが、以下の表現は使用できます。
- リフレクソロジー
- トリートメント
- もみほぐし
- ケア
「マッサージ」ではなく「リフレクソロジー」なら使用可能です。
リフレクソロジー(反射療法)は、身体と心に働きかける自然療法で、医療行為ではありません。
国家資格は無いので、資格が無い人でもリフレクソロジーの施術が可能です。
リフレクソロジーでは、手の平や足の裏を刺激していきます。
手や足のマッサージをするメニューならば「リフレクソロジー」と表現するのが良いでしょう。
ただし、リフレクソロジーの説明文でも、マッサージという表現や症状を緩和する表現はできません。
医療行為に当たるとみなされるので、症状が治るような表現は使わないようにしましょう。
トリートメントを使ってマッサージする施術の場合は、「トリートメント」という表現を使ったメニュー名にすることもできます。
マッサージと似ている表現に「もみほぐし」という言葉もあります。
「もみほぐし」は、無資格や民間の資格を保持した施術者が行っているので、国家資格が無くても表現可能です。
言い換え表現(参考)
- フェイシャルマッサージ→フェイシャルケア
- ボディマッサージ→ボディケア
- フットマッサージ→フットリフレクソロジー
- ハンドマッサージ→ハンドリフレクソロジー
薬機法にも注意
エステサロンでは、使用している美容機器の広告表現によっては、薬機法違反となる可能性があります。
エステサロンで使う美容機器は医療機器ではないので、治癒的な表現はできません。
以下のような表現は、薬機法違反です。
- シワが消える
- シミが消える
- 肌トラブルを改善
既に起こっている肌トラブルが改善できるような表現ではなく、予防的な表現に留めましょう。
美容機器は薬機法の規制対象ではありませんが、エステで使う化粧品は薬機法の規制対象です。
化粧品の場合は、表現できる56の効果効能が決められています。
医薬部外品である薬用化粧品の場合は、化粧品の56の効果だけでなく、承認された効果効能についても表現可能です。
まとめ
エステサロンで「マッサージ」という表現を使用するには、エステサロンで働いているエステティシャンが、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」を所持している必要があります。
あはき法で、マッサージ業ができるのは「あん摩マッサージ指圧師」免許を持っている人だけであると決められているからです。
国家資格を所持していたとしても、施術者の技能、施術方法又は経歴の広告表現で違反となる場合があります。
エステサロンの広告で「マッサージ」を表現する場合は、国家資格の有無だけでなく、あはき法で規制されている広告表現にも気を付けていきましょう。
※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。
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