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最終更新:2024/07/04

「デリケートゾーン」「フェムケア」の広告表現で気を付けるべき薬機法・景表法

「デリケートゾーン」「フェムケア」の広告表現で気を付けるべき薬機法・景表法

デリケートゾーンの痒みやニオイなど、デリケートゾーンの悩みを密かに抱えている女性は多いといわれています。そのため、近年では様々な種類のデリケートゾーンケア製品やフェムケア製品が発売され、人気を呼んでいるのです。

ただし、これらの広告について過剰な表現を行うと、薬機法や景表法に違反するため注意が必要です。

本記事では、デリケートケアやフェムケアについての説明や、広告制作の際に注意すべきポイントについて解説します。

フェムケアとは?

フェムケアとは、「Feminine(女性の)」と「ケア(Care)」を合わせた言葉で、女性の身体や健康についてケアをする商品・サービスを指しています。

また、デリケートゾーンの汚れやニオイを落とすためのデリケートゾーンケア製品も、フェムケアにあたります。

デリケートゾーンに関する製品の例

デリケートゾーンケア製品やフェムケア製品には、次のようなものが該当します。

  • デリケートゾーンの汚れやニオイを落とすための商品
  • 生理用ナプキン、タンポンなどの生理ケア商品
  • 妊娠中のQOL向上を目的とした商品
  • 更年期障害の緩和を目的とした商品
  • 女性に向けた健康食品
  • 生理日・排卵日予想アプリ

吸水型サニタリーショーツは「雑貨」にあたる?

フェムケア製品については、法律によって医療用製品や雑貨といった分類が行われています。

ショーツやナプキンなどの生理用品(生理処理用品)は、「生理処理用品製造販売承認基準」や「生理処理用品質規格」で定められた範囲でなければ、「生理処理用」の効能や効果を標榜することはできません。

例えば、生理用品の基準には、次のような規定が設けられています。

  • 白色であること
  • 匂いはほとんどないものであること
  • 異物を含まない
  • 一般に使い捨てである

このため、生理用のパンツとして開発されている吸収型サニタリーショーツは、生理用品ではなく「雑貨」扱いとなります。雑貨は薬機法の対象外であるため、商品パッケージに「生理用」とは表記できません。

なお、膣内に挿入して健康状態を計測する器具なども発売されていますが、こうした商品は薬機法で定義される医療機器としての承認が受けられておらず、雑貨扱いとなります。

デリケートケア製品に関する薬機法と景表法

薬機法(医薬品医療機器等法)とは、医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器の品質や有効性・安全性を確保し、消費者を健康被害から守るための法律です。

こうした薬機法では、デリケートゾーンケア製品の広告に標榜できる効能効果は化粧品と同じ範囲までと定めています。この範囲を超える広告表現は「虚偽・誇大広告」として薬機法に抵触します。

(誇大広告等) 第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。

薬機法第66条より引用)

また、リケートゾーンケア製品の広告に医薬品とと同じような効能効果表現を標榜すると、「未承認の医薬品広告」としても薬機法違反となるため注意が必要です。

(承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告の禁止) 第六十八条 何人も、医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ承認又は認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。

薬機法第68条より引用)

景表法(景品表示法)は、商品やサービスについての不当な広告表示から消費者を守るための法律です。

デリケートゾーンケア製品について、事実よりも過剰に良い物であるといった広告表示を行うと、優良誤認表示として景表法違反に該当します。

(不当な表示の禁止) 第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。 一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

景表法第5条より引用)

ニオイの原因に直接アプローチするような広告表現はNG

デリケートゾーンケア製品の広告において、「ニオイの元を絶つ」といったニオイの原因にアプローチするような広告表現は認められません。

薬機法では、身体機能に直接関わるような標榜は「医薬品と同じような効能効果」と判断されます。こうした「身体機能」には、体臭や加齢臭といったニオイも該当します。

したがって、デリケートゾーンのニオイをケアする商品の広告には「ニオイケア」や香りによるマスキング効果を表すワードを使用するまでに留めることが大切です。

広告における違反例

デリケートゾーンケア製品の広告において使用がNGとなるワードには次のようなものがあります。

  • 医療機器と同じような効能効果表現(治す、改善、治療)
  • 身体の変化についての表現(シミが治る、シワが消える、色が変わる)
  • 用法用量の指定(毎日必ず使ってください、就寝前に)
  • その製品を使うだけで良いといった表現(使うだけで、これだけで)
  • 不安を煽る表現(異性に嫌われる、病気のサインですよ)
  • 最大級表現(最大、最小、世界初、最高峰)
  • 安全性の保証(安心安全、保証されています、副作用はありません)
  • 有名人や専門家が推薦しているとした表現(芸能人がおすすめ、大学教授が認めた)
  • 他社を誹謗中傷するような内容(従来とは違って、他社製品にはない)

化粧品の広告で使用が認められる表現

美容機器や雑貨の広告に使用がOKとなる効能効果は、原則として「化粧品等の適正広告ガイドライン」で定められた56項目に限られています。デリケートゾーンケア製品に関係している効能効果としては、次のようなものがあります。

  • (汚れをおとすことにより)皮膚を清浄にする
  • (洗浄により)ニキビ、アセモを防ぐ(洗顔料)
  • 肌を整える
  • 肌のキメを整える
  • 皮膚をすこやかに保つ
  • 肌荒れを防ぐ
  • 肌をひきしめる
  • 皮膚にうるおいを与える
  • 皮膚の水分、油分を補い保つ
  • 皮膚の柔軟性を保つ
  • 皮膚を保護する
  • 皮膚の乾燥を防ぐ
  • 肌を柔らげる
  • 肌にはりを与える。
  • 肌にツヤを与える。
  • 肌を滑らかにする。

化粧品等の適正広告ガイドラインより引用)

また、使用感の表現(いつもさわやか、香りがいい)は使用が認められています。

言い換え表現(参考)

デリケートゾーンケア製品の広告に使用が認められている言い換え表現をまとめました。広告制作の際は、ぜひ参考にしてみてください。

NG:デリケートゾーンのイヤなニオイの元を断つ!

OK:ニオイケア

NG:デリケートゾーンの肌荒れを改善する

OK:肌を整える、肌荒れを防ぐ

まとめ

デリケートゾーンケア製品の広告には、身体の構造や機能に影響を与えるような標榜は禁止されています。そのため、「ニオイの元を絶つ」や「肌荒れを改善」というワードは効能効果の範囲を超えているとして薬機法や景表法に違反するため、注意が必要です。

また、雑貨や美容機器の広告に記載できる効能効果の範囲は、化粧品の効能効果と同じ範囲までと決められています。各法律やガイドラインをしっかりチェックし、適切な広告制作を行いましょう。

※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。

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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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