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最終更新:2024/07/12

医療広告における薬機法・景表法 治療効果の保証はNG?

医療広告における薬機法・景表法 治療効果の保証はNG?

2018年、医療法改正に伴い医療広告ガイドラインが見直されました。 これにより、病院やクリニックのホームページも広告とみなされるようになりました。

患者目線からすると、治療の内容や治療効果、安全で痛くない治療かどうかは気になってしまいます。 しかし、医療広告に治療効果の保証や治療の安全性を保証するような内容は薬機法や医療広告ガイドラインによって掲載が認められません。

本記事では、治療の方針や治療効果の保証を掲載することについての注意点を解説していきます。

治療の方針だけなら広告掲載が認められる

治療の方針については、医療広告への掲載が認められています。 ただし、治療の方針として次のような内容に触れているものはNGとなります。

  • 成功率
  • 治癒率

つまり、治療効果に触れるような内容は医療広告に掲載が認められていないのです。

医療広告に掲載OKとなる例

  • 可能な限り温存手術を行います。
  • 手術療法の他に、いくつかの薬物療法の適用があるので、それぞれのメリットデメリットをご説明し、話し合いの下で治療方針を決定するようにしております。

参考:医療広告ガイドライン

治療の安全性の保証は掲載NG

医療広告に治療のの安全性を保証するような内容は掲載が認められません。 「治療の安全性の保証」の掲載例は次の通りです。

  • 安全に配慮しています
  • 比較的安全
  • 無痛の治療です

医学の世界では、どんな治療でも絶対に安全な施術とは言い切れません。そのため、これらの表現は不適切な広告とされています。

安全管理について具体的な内容なら掲載OK

治療の安全を確保するために具体的に何をしているかを記載することは認められています。

「安全を確保するための措置」の掲載例は次の通りです。

  • 安全管理の為の指針を整備しています
  • 安全のため、このような機器を導入しています

治療効果・安全性の保証は虚偽広告にあたる可能性がある

医療広告において、虚偽の広告表現は認められません。治療効果の保証や安全の保障はこの虚偽広告にあたるとされているのです。 治療効果の保証にあたる例としては次のような内容があります。

  • 絶対に安全な施術です
  • 必ず治ります
  • ○○は治療で治せます!

さらに、「当院に来れば、誰でもこの施術が受けられます」等といった、どんな人でも必ずその治療が受けられるといった表現は、全ての患者さんが医師の診察をせずに特定の治療を受けられるような誤解を招く表現である可能性があります。 よって、こうした内容も虚偽広告にあたるとされて不適切とされています。 ちなみに無痛分娩を行っていることは、広告への掲載が認められています。

治療内容の表現によっては誇大広告にあたる可能性も

美容医療の自由診療の広告において誇大広告を掲載している事例が数多くありますが、誇大広告の使用も医療広告において、NGとなります。 誇大広告にあたる例としては次のような内容があります。

  • 短時間で行えます
  • 身体への負担が比較的少ない施術です
  • 費用が手軽であるといった印象を与える表現

また、病院やクリニックのホームページ上の口コミや体験談も、虚偽・誇大広告にあたりNGです。

歯科医院の広告で「痛くない治療」はNG

歯科医院の広告で、「歯を削らない治療」という表現は認められますが、「痛くない治療」という表現は認められません。 「歯を削らない治療」であるかどうかは客観的に判断できることですが、誰にも痛くない治療かどうかは分からないためです。 治療内容の掲載は、客観的な根拠があるもののみであることが求められます。

Q3-22 治療内容について、「歯を削らない痛くない治療(99%以上の満足度)」との表現は、広告可能でしょうか。 A3-22 歯を削らない治療」といった表現は、広告可能です。「痛くない治療」のような科学的根拠がなく虚偽広告や誇大広告のおそれがある表現は、広告できません。また、「99%の満足度」については、求められれば内容に係る裏付けとなる合理的な根拠を示し、客観的に実証できる必要があります。

出典:医療広告ガイドラインに関するQ&A

自由診療の広告に関する注意点

自由診療について広告可能な内容として次のようものが示されています。

  • 保険診療と同じことを違う目的で行う
  • 承認済医薬品や医療機器を使って保険診療に無いことを行う

それぞれについて、詳しく解説していきます。

保険診療と同じことを違う目的で行う

具体的な内容としては次のようなものがあります。

  • 顔のシミとり
  • イボ、ほくろの除去
  • 歯列矯正

参考:医療広告ガイドライン

承認済医薬品や医療機器を使って保険診療に無いことを行う

この場合、薬機法により一般の人々に向けて医療用医薬品や医療機器の広告は禁止されているため、医薬品や医療機器の名称は使用できません。 具体的な内容としては次のようなものがあります。

  • 内服の医薬品によるED治療(「バイアグラ」というワードはNG)
  • 眼科用レーザー角膜手術装置の使用による近視手術の実施(「レーシック」というワードはNG)

また、医師が個人輸入した医薬品や医療機器を使っての治療はそれらが承認済のものであっても広告掲載NGとなります。

医師等による個人輸入により入手した医薬品又は医療機器を使用する場合には、仮に同一の成分や性能を有する医薬品等が承認されている場合であっても広告は認められない。

出典:医療広告ガイドライン

未承認医薬品(健康食品も含まれる)を使って行う治療は、広告掲載がNGです。

未承認医薬品(海外の医薬品やいわゆる健康食品等)による治療の内容については、広告表示で認められた保険診療で可能なものや薬機法で承認された医薬品による治療等に限定されており、未承認医療による治療は、広告可能な事項ではない。

出典:医療広告ガイドライン

限定解除が認められる場合がある

医療広告において、治療の効果についての表現は使用できません。 ただし、患者さんが適切な医療の選択をするために、病院やクリニックのホームページはとても有効であることから、一定の要件を満たしている場合、ホームページ上において広告可能事項の限定解除が認められています。 限定解除の要件は次の通りです。

① 医療に関する適切な選択に資する情報であって患者等が自ら求めて入手する情報を表示するウ ェブサイトその他これに準じる広告であること ② 表示される情報の内容について、患者等が容易に照会ができるよう、問い合わせ先を記載する ことその他の方法により明示すること ③ 自由診療に係る通常必要とされる治療等の内容、費用等に関する事項について情報を提供する こと ④ 自由診療に係る治療等に係る主なリスク、副作用等に関する事項について情報を提供すること

出典:医療広告ガイドライン

この場合、治療効果の裏付けとなる根拠を求められた場合は客観的に実証したものを示す必要があります。

まとめ

以前は病院やクリニックのホームページは広告に含まれていませんでしたが、主に美容医療についての悪質な広告が相次いだため、新たに広告に含まれるようになりました。 これにより、悪質な内容を掲載しているホームページには罰則が科せられるようになっています。

治療の方針について広告に掲載する時は、その治療の成功率や治癒率など、治療効果を説明するような表現は認められません。治る確率の高い治療とPRした方が注目は集まりますが、広告として違反となってしまいます。 あくまで、科学的根拠で実証されている内容で広告を作成しましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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