最終更新:2024/07/17
オープン記念価格・二重価格に関する景品表示法
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不適切な価格表示は消費者に誤った認識を与える恐れがあることから、景品表示法の規制対象となっています。
エステサロンのオープン、健康食品のサービス開始に合わせて価格を引き下げる「オープン記念価格」の手法は広く用いられています。この場合、通常の価格と比べてオープン記念価格を表示するため、価格表示は「二重価格表示」となることも知っておきましょう。
本記事では、広告表示で「オープン記念価格」と謳う際の注意点と、二重価格表示の考え方についてご紹介します。
景品表示法とは?
景表法(景品表示法)は、不当な広告表示による不利益から消費者を守るための法律です。
第一条 この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする。
(景表法第1条より引用)
価格表示については、消費者に誤った認識を与え、景品表示法違反と判断される事例について「価格表示ガイドライン」(不当な価格表示についての景品表示法上の考え方)で定められています。
有利誤認表示とは
商品の販売価格について消費者に実際よりも著しく有利であると誤認されるような表示は、有利誤認表示として規制対象となっています。
第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
(景表法第5条より引用)
有利誤認表示の例としては、次のような広告表示が挙げられます。
2 景品表示法上問題となる価格表示
次のような価格表示を行う場合には、景品表示法に違反する不当表示(以下、単に「不当表示」という。)に該当するおそれがある。
(1) 実際の販売価格よりも安い価格を表示する場合
(2) 販売価格が、過去の販売価格や競争事業者の販売価格等と比較して安いとの印象を与える表示を行っているが、例えば、次のような理由のために実際は安くない場合
ア 比較に用いた販売価格が実際と異なっているとき。
イ 商品又は役務の内容や適用条件が異なるものの販売価格を比較に用いているとき。
(3) その他、販売価格が安いとの印象を与える表示を行っているが、実際は安くない場合
(価格表示ガイドラインより引用)
化粧品や健康食品の広告において、過剰な効果効能表現や安全性の保証表現は薬機法の規制対象となっています。それと同様に、事実よりも価格を安く見せるような広告表示は景品表示法に抵触するため注意が必要です。
「オープン記念価格」は謳える?
「オープン記念価格」とは、小売店やエステサロンの開店・健康食品の販売開始時に販売価格を引き下げる方法です。
「オープン記念価格」を表示する際は通常の価格との二重価格表示となるため、次のポイントをしっかり守ることが求められます。
- オープン記念価格の期間を分かりやすく表示する
- オープン記念価格について具体的に表示する
- むやみにオープン記念価格の期間を延長しない
需要喚起、在庫処分等の目的で行われる期間限定のセールにおいて、販売価格を引き下げる場合に、過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示が行われることがある。 この場合、比較対照価格に用いられる過去の販売価格の表示方法は一様ではなく、価格のみが表示されている場合、「当店通常価格」、「セール前価格」等の名称や、当、平等の記号が付されている場合、どのような価格かについて具体的な説明が付記されている場合などがある。
(価格表示ガイドラインより引用)
二重価格表示とは
二重価格表示とは、ある価格と比較して現在の価格を安く見せることで、消費者に商品の安さをアピールする手法です。
1 二重価格表示についての基本的考え方 二重価格表示は、事業者が自己の販売価格に当該販売価格よりも高い他の価格(以下「比較対照価格」という。)を併記して表示するものであり、その内容が適正な場合には、一般消費者の適正な商品選択と事業者間の価格競争の促進に資する面がある。 しかし、次のように、二重価格表示において、販売価格の安さを強調するために用いられた比較対照価格の内容について適正な表示が行われていない場合には、一般消費者に販売価格が安いとの誤認を与え、不当表示に該当するおそれがある。
(価格表示ガイドラインより引用)
比較対照価格としては、同一の商品として次のような価格を設定することが認められています。
- 過去の販売価格(通常時の販売価格)
- 希望小売価格
- 競争事業者の販売価格
二重価格表示が行われる場合には、比較対照価格として、過去の販売価格、希望小売価格、競争事業者の販売価格等多様なものが用いられている。 これらの比較対照価格については、事実に基づいて表示する必要があり、比較対照価格に用いる価格が虚偽のものである場合には、一般消費者に販売価格が安いとの誤認を与え、不当表示に該当するおそれがある。
(価格表示ガイドラインより引用)
二重価格表示がNGとなるケース
二重価格表示は、商品を不当に安く見せているとして有利誤認表示と判断される可能性があります。
次のような場合は、二重価格表示が有利誤認表示・景品表示法違反に該当するため注意が必要です。
- 別の商品の価格と比較する場合
比較対照価格が別の商品の価格である場合は、二重価格表示がされている商品との違いが消費者に分かりにくく、不当に安くなっていると誤解されてしまうため不適切な価格表示に該当します。
ただし、同じ事業者が実際に販売している2つの商品の価格を比較することは、景品表示法によって認められています。
同一ではない商品の価格との二重価格表示が行われる場合には、販売価格と比較対照価格との価格差については、商品の品質等の違いも反映されているため、二重価格表示で示された価格差のみをもって販売価格の安さを評価することが難しく、一般消費者に販売価格が安いとの誤認を与え、不当表示に該当するおそれがある。
なお、同一ではない商品との二重価格表示であっても、一の事業者が実際に販売している二つの異なる商品について現在の販売価格を比較することは、通常、景品表示法上問題となるものではない。
(価格表示ガイドラインより引用)
- 過去の販売価格がはっきり表示されていない
二重価格表示が行われる際に、比較対照価格である過去の販売価格をはっきり表示しない場合は、消費者に誤った認識を与える恐れがあるとして、有利誤認表示に該当します。
過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示が行われる場合に、比較対照価格がどのような価格であるか具体的に表示されていないときは、一般消費者は、通常、同一の商品が当該価格でセール前の相当期間販売されており、セール期間中において販売価格が当該値下げ分だけ安くなっていると認識するものと考えられる。
(価格表示ガイドラインより引用)
- 過去の販売価格の販売期間がはっきり表示されていない
過去の販売価格と比較する際、その価格でどのくらいの期間販売されていたかはっきり表示しないことは不適切です。これは、その商品が不当に安くなったと消費者に誤解を与えてしまうことに繋がります。
過去の販売価格を比較対照価格とする二重価格表示を行う場合に、同一の商品について最近相当期間にわたって販売されていた価格とはいえない価格を比較対照価格に用いるときは、当該価格がいつの時点でどの程度の期間販売されていた価格であるか等その内容を正確に表示しない限り、一般消費者に販売価格が安いとの誤認を与え、不当表示に該当するおそれがある。
(価格表示ガイドラインより引用)
まとめ
「オープン記念価格」は、お店のオープンやサービス開始直後という一定期間に価格を引き下げる手法です。オープン記念価格を表示する際は、価格が安くなる期間をはっきり表示し、通常の価格との違いが分かりやすく伝わるように気を付けましょう。
化粧品や健康食品で過剰な効果効能表現が薬機法違反となるように、これらの商品や美容サービスの価格が実際よりも安いかのようにアピールすることは景品表示法違反となります。
広告制作の際は、薬機法や景品表示法など広告規制に関わる法律・ガイドラインをしっかり確認することが大切です。
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