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最終更新:2024/06/25

使用体験談の表現の範囲は?薬機法・景表法を解説

使用体験談の表現の範囲は?薬機法・景表法を解説

化粧品など広告で、インターネット、チラシなどで「肌にスーッとなじんでいく。」「ベタつかずサラッとしている。」などの使用体験談を見たことはないでしょうか?

 

化粧品だけでなく、医薬部外品、健康食品、美容機器を購入いただくにあたって、使用体験談は、消費者にとって訴求力が高く、とても大切な部分です。

使用体験談を読んでもらい、消費者に想像させて、「使ってみたい!購入したい!」と思ってもらう事も可能なのです。

 

しかし、この使用体験談の部分の表現には決まりがあります。

広告表現に違反しないように、ぜひ本記事を参考にしてください。

 

薬機法とは何か?

 

薬機法の正式名称は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。

 

品質と有効性および安全性を確保するため、製造から販売、市販後の安全対策まで一貫した規制を行い定められている法律です。

昭和35年に現在の法体系として制定された薬事法が、平成25年11月に改正・公布され、平成26年11月に施行され、その名称が現在の「薬機法」に変わりました。

 

薬機法の対象となるものは以下の通りです。

 

  • 医薬品(風邪薬、鼻炎薬など)
  • 医薬部外品(うがい薬、日焼け止めなど)
  • 化粧品(化粧水、乳液、ファンデーション、口紅、石けん、マニキュアなど)
  • 医療機器(コンタクトレンズ、救急絆創膏、心臓ペースメーカ、CT、レントゲン装置など)
  • 再生医療等製品(培養皮膚、 培養軟骨など)

 

景表法とは何か?

 

景表法(景品表示法ともいう)の正式名称は、「不当景品類及び不当表示防止法」といいます。

 

第一条 この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為の制限及び禁止について定めることにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする。

出典:不当景品類及び不当表示防止法

 

商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することなどにより、消費者のみなさんがより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守る法律です。

 

景品表示法では、不当表示を禁止していますが、景品表示法の対象となる「表示」とはどういうものかについても指定しています。

商品、容器、包装になされた表示、チラシ、ポスター、テレビ、インターネット、新聞、雑誌による広告からセールストーク、実演に至るまで、現在行われている表示・広告はほとんど網羅されています。

 

もし景品表示法に違反した場合の刑事処分事業者が景品表示法に違反した場合、まずは消費者庁から、措置命令が下されます。

しかし、事業者が措置命令に従わなかったときには、景品表示法第36条に規定されている「2年以下の懲役又は300万円以下の罰金」が科されます。

 

化粧品等の使用できる広告表現

 

ネットや街中で見かける広告には過激な表現が使われていることがよくありますが、実は薬機法や景表法の他にも、広告表現には決まりがあります。

化粧品等の効能や効果に関して誇大な広告をしてはいけません。

 

第十章 医薬品等の広告

(誇大広告等)第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
2 医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
3 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。

出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律

 

化粧品では標ぼう可能な効能効果の範囲が決められています。(「化粧品で標榜可能な56の効能効果」と呼ばれています)

これらは事実を前提に、広告等の中で使用する事ができます。

 

例えば、化粧品において良く「ハリ、ツヤ、キメ、うるおい、汚れを落とす」といった表現が用いられますが、それぞれ56の効能効果に含まれますので、事実である限りは使用は可能です。

 

NG表現

 

・化粧品等の成分及びその分量又は本質等について、例えば成分が動物由来のものを植物成分としたり、又は「高貴成分配合」、「デラックス処方」等の表現は行わないようにしましょう。

・医薬品等適正広告基準には「医薬品等の品質、効能効果、安全性その他について、他社の製品を誹謗するような広告を行ってはならない」と定められている通り、化粧品の広告において、他社製品と比較した表現をすることもNGです。

・「シミが薄くなる」「シワが消える」といったものは使用後ある程度の期間が経ってからでないと効果がみえないものとなっていますので、効能効果の逸脱ということから薬事法違反と判断されます。

 

「使用体験談」の表現の範囲

 

使用体験談の中では、効能効果に触れる記載があると、いくらそれが事実であったとしても、効能効果が確実であるかの誤解を与える可能性があるとして禁止されています。

 

商品説明の中で56の効能効果に含まる「ハリ、ツヤ、キメ、うるおい、汚れを落とす」などと表現する事そのものは事実である限り表現は可能ですが、体験談としてはNGです。

説得力のある使用体験談の箇所では使えないということは、化粧品の作成側からしたら歯痒い規制ではありますが、消費者に誤解を与えない薬機法の考えからしたら致し方ないことです。

 

また、「※あくまで個人の感想です」などとの注意書きをつけて表現をしている広告をよく見かけますが、説明文をつけたからといって表現の違法性が救済されることにはなりませんので注意してください。

 

表現可能な「使用体験談」

 

使用方法・使用感・香りのイメージ等の範囲内である限り、体験談でも利用できます。

 

・〇ベタつきが少なくてサラッとして使いやすい

・〇肌にスーッとなじんで、少量で顔全体にのばせる所が気に入っています。

・〇優しい香りで沢山塗っても気になりません。

 

使用感の表現は、効能効果に言及せず、いかに商品の魅力を伝えるかが重要ですのです。

 

また、体験談はあくまで事実でなければなりません。

体験談を一から創作してしまうと事実と異なる表現として不当表示になってしまいますので、この点はくれぐれもご注意ください。

 

また、どこまでが過度かという点は明確な基準がないので難しい部分ではありますが、過度な表現もNGです。

 

まとめ

 

薬機法と景表法を解説と、「使用体験談」の表現の範囲をお伝えしました。

商品説明の中では表現可能だが、使用体験談ではNGという表現もありますので、注意しましょう。

使用体験談は消費者からしても、重要性の高い部分ですので、効能効果を出さずに、使用感など実際のお客様の声として寄せられているものを使用し、正しく、魅力的な広告を作っていきましょう。

 

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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