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最終更新:2024/08/22

化粧品・健康食品で打ち消し表現は謳える?薬機法の観点からチェック

化粧品・健康食品で打ち消し表現は謳える?薬機法の観点からチェック

割引の条件を指定する場合や、個人の体験・感想を使用する場合に多く見られる表現が「打ち消し」表現です。
「打ち消し」表現の利用は禁止されてはいませんが、強調表示のみが伝わる表示方法は、景表法上で問題となる可能性があります。
この記事では、「打ち消し」表現に関する消費者庁の見解や、広告で打ち消し表現を使う際の使用方法を紹介します。
違反事例や言い換え表現についても合わせて紹介しているので、化粧品や健康食品の広告を作る際の参考にしてみてください。

化粧品・健康食品で「打ち消し」の表現は使える?

化粧品・健康食品の広告で「打ち消し」の表現を使うことは可能です。
ただし、消費者に読まれる表示方法で、理解しやすい表現を使わなくてはいけません。強調表現と打ち消し表現を合わせて使うことよりも、強調表示に打ち消し表現の内容を含めることが推奨されています。
消費者庁の「打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点」では、打ち消し表示について以下のように書かれていました。

一般消費者に対して、商品・サービスの内容や取引条件について訴求するいわゆる強調表示※1は、それが事実に反するものでない限り何ら問題となるものではない。
ただし、強調表示は、対象商品・サービスの全てについて、無条件、無制約に当てはまるものと一般消費者に受け止められるため、仮に例外などがあるときは、その旨の表示(いわゆる打消し表示※2)を分かりやすく適切に行わなければ、その強調表示は、一般消費者に誤認され、不当表示として不当景品類及び不当表示防止法(以下「景品表示法」という。)上問題となるおそれがある。

※1 事業者が、自己の販売する商品・サービスを一般消費者に訴求する方法として、断定的表現や目立つ表現などを使って、品質等の内容や価格等の取引条件を強調した表示

※2 強調表示からは一般消費者が通常は予期できない事項であって、一般消費者が商品・サービスを選択するに当たって重要な考慮要素となるものに関する表示

出典:打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点

強調表示の使用に関しては、事実に基づいていて虚偽・誇大広告にならない程度であれば、問題にはなりません。
ただし、強調された内容について例外などがある場合は、適切な「打ち消し」表示をしなければ、景品表示法違反です。
打ち消し表現を使用する場合には、消費者が打ち消しの内容を正しく理解できるようにする必要があります。

以下のような打ち消し表示は、消費者の誤解を招く可能性があるでしょう。

  • 打消し表示の文字が小さく、読みづらい場合
  • 強調表示と打消し表示が離れている場合
  • 打消し表示が表示されている時間が短く、全て読み切れない場合

打ち消し表示に求められるのは、強調表示と同等のわかりやすい表示です。


消費者庁による「打消し表示に関する実態調査報告書」では、次のように書かれています。

事業者においては、表示を行う際の前提として、一般消費者が普段広告に接する際に打消し表示を意識して見ない(読まない)という実態を十分に理解し、広告に記載した内容を一般消費者が正しく認識できるように工夫して表示を行うことが求められる。
これを踏まえた上で、事業者が商品・サービスの内容や取引条件について強調表示を行おうとする場合には、まず、打消し表示がなくても商品・サービスの内容や取引条件の実際を一般消費者が認識できるような強調表示の内容とすることが求められる。

出典:打消し表示に関する実態調査報告書

消費者は打ち消し表示を見ない・読まないという認識を持ち、強調表示をする場合には打ち消し表現を含んだ内容を表示するよう勧められています。
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使用が認められる打ち消し表現の方法

消費者が打ち消しの内容を正しく理解できるかどうかは、打ち消し表示の文字の大きさや場所、見やすさなどから総合的に判断されます。使用が認められる打ち消し表示の要素について、媒体別に見ていきましょう。
「打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点 」では、打ち消し表示の要素について次のように書かれています。

打消し表示の内容を一般消費者が正しく認識できるような適切な表示方法で表示されているか否かは以下の要素等から総合的に判断される。
〈要素〉
・ 打消し表示の文字の大きさ
・ 強調表示の文字と打消し表示の文字の大きさのバランス
・ 打消し表示の配置箇所
・ 打消し表示と背景の区別
・ 【動画広告】打消し表示が含まれる画面の表示時間
・ 【動画広告】音声等による表示の方法
・ 【動画広告】強調表示と打消し表示が別の画面に表示されているか
・ 【動画広告】複数の場面で内容の異なる複数の強調表示と打消し表示が 登場するか
・ 【Web 広告(PC)】強調表示と打消し表示が1スクロール以上離れているか
・ 【Web 広告(スマートフォン)】アコーディオンパネルに打消し表示が表示されているか
・ 【Web 広告(スマートフォン)】コンバージョンボタンの配置箇所
・ 【Web 広告(スマートフォン)】スマートフォンにおける強調表示と打消し表示の距離
・ 【Web 広告(スマートフォン)】スマートフォンにおける打消し表示の文字の大きさ
・ 【Web 広告(スマートフォン)】スマートフォンにおける打消し表示の文字とその背景の色や模様
・ 【Web 広告(スマートフォン)】他の画像等に注意が引きつけられるか

出典:打消し表示に関する表示方法及び表示内容に関する留意点

媒体ごとに詳しく解説していきます。

全媒体共通

打ち消し表示の文字が小さくて読みにくい場合や、強調表示が大きく表示され、打消し表示が小さい場合は、景品表示法上問題となるおそれがあります。
打ち消し表示が広告の隅などの見えづらい場所にある場合や、背景と同化して見えにくい場合、消費者は打ち消し表示を見つけることができません。強調表示と打ち消し表示は、セットで見える場所に表示する必要があります。

動画広告

強調表示・打ち消し表示の文字数に合わせて、読み切れる長さの表示時間が必要です。
さらに、同一画面上に強調表示と打ち消し表示が表示されている必要があります。
ただし、強調表示は読み上げるけれど打ち消し表示は読み上げないなどといった音声表示をすれば、同一画面上に表示されていたとしても不適切な表現です。強調表示・打ち消し表示を両方表示していても、何種類もの表示が出てくると、消費者が内容を誤認する可能性があるため、各表示で適切な表示時間や表示方法を保つ必要があります。

Web 広告(PC)

強調表示と打ち消し表示は、スクロールしなくても同一画面上に表示されるように配置します。

Web 広告(スマートフォン)

消費者はスマートフォン上で、画面が小さいために打ち消し表示を見つけられない場合や、必要な情報のみを読む場合が多いです。
スマートフォン表示を確認しながら、わかりやすい広告表現をする必要があります。タップで開かないと読めない場所(アコーディオンパネルなど)に打ち消し表示をしない、登録ボタン近くの強調表示の打ち消し表示はわかりやすく表示するなどの工夫が必要です。
広告を掲載する媒体によって、適切な打ち消し表示の方法は異なるので、媒体に合わせて見やすい表示方法を心がけましょう。

化粧品での違反例

化粧品の広告は、薬機法で使用できる効果効能56の表現が決められています。
「個人の感想です」などの打ち消し表示を使っても、56の表現に該当しないものは薬機法違反となるので注意しましょう。

  • 肌が若返りました!※「個人の感想です」

言い換え表現(参考)

  • 肌にハリやツヤが出ました!

健康食品での違反例

健康食品の広告は、効果効能に関する表現や身体の部位に関する表現、病名などを示す表現はできません。

  • 肌にハリが出ました!※個人の感想であり、効果効能を保証するものではありません

言い換え表現(参考)

  • ハリのある毎日をサポート!

まとめ

打ち消し表現について、消費者庁の見解や使用可能な表現方法を紹介しました。
化粧品や健康食品の広告で、打ち消し表現を使用することは可能ですが、事実に基づいた強調表示と適切な打ち消し表現が必要となります。打ち消し表示を使用する際に注意すべき点は、文字の大きさや場所、強調表示とのバランスなどが、消費者にとって見やすくわかりやすいかどうかです。強調表示の中に打ち消し表示の内容を含めることで、わかりやすくて見やすい広告になります。
薬機法や景表法の規制も確認しながら、商品ごとに適切な広告を作成しましょう。

※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。
また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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