最終更新:2024/07/25
UV印刷・UVニス加工とは?方法や種類を解説

印刷をしたいものが、いつも紙だとは限りません。例えばお客様に配るクリアファイルやシールなどをオリジナルのデザインで作りたいこともあります。 しかし、クリアファイルやシールなどのツルツルした素材はインクが染み込まないので、普通の印刷方法では難しいように思えます。 そんなときに画期的な方法がUV印刷です。UV印刷は従来の印刷方法の欠点を補うと同時に、印刷の可能性を広げてくれます。今回はUV印刷について、詳しく解説していきます。
UV印刷とは
UVとはよく知られている通り、紫外線のことです。紫外線を当てると0.3秒から0.5秒で硬く乾燥するインキのことをUVインキと言い、これを使って印刷するのがUV印刷です。 今までの印刷方法では、印刷した後のインクを乾かすための時間が必要でしたが、UVインキを使うことでこの時間が短縮できるようになりました。 オフセット印刷では、印刷後にパウダースプレーを施すことで乾いていないインキが他の印刷物に付くのを防いでいましたが、UVインキを使う限り、その必要もなくなったのです。
今まで必要だった工程が不要になるとともに、すぐに次の工程に移ることができるため、大幅に納期が短縮できるようになりました。
UV印刷の特性と向いている印刷物
UV印刷では、インキが瞬間的に乾くため、印刷する素材を選ばないという特性があります。紙だけではなく、ホイル紙やPET、PPなどのインキが染み込まずツルツルした表面のものにも印刷できます。 このため、UV印刷は商品パッケージやカタログの表紙、ポスターなど様々な印刷物に向いています。特に商品パッケージには、バラエティーに富んだ素材を使うことで、インパクトのあるものが作れます。 また、スマホケースなどにもUV印刷が使われています。毎日のように触るスマホケースは摩耗しやすいと言えますが、UV印刷なら長い間美しく使うことができるため、向いていると言えます。
臭いがなくて環境に優しいから食品や薬品に向いている
油性インキに比べると臭いがほとんどないのも、UV印刷の特性です。先程も書いた通り、インキがすぐに乾くため、パウダーを使う必要もなく、有害物質が大気に蒸発することもありません。UV印刷は印刷をする人にも、印刷物を使う人にも、そして環境にも優しい方法です。このため、食品や薬品のパッケージに安心して使うことができます。
優れた耐久性で屋外でも安心
UV印刷の後、乾いた表面は硬い樹脂皮膜になり、通常の印刷面よりも丈夫になります。屋外に紙製品を置いておくとどうしても、日光で劣化して変色したり、丸まったりしますが、UV印刷したものは耐久性に優れているため、屋外での使用にも耐えられます。屋外に掲示するポスターなどはUV印刷にすると、いつまでも美しいまま、見る人に正しい情報を伝えることができます。 UV印刷だけでも十分な効果が実感できますが、表面を更に加工することで、印刷物がより丈夫に長持ちします。いくつかの方法が考えられますが、もっともお勧めしたいのがUVニスを使うことです。
UVニスの効果
UV印刷は乾燥用のパウダーが必要ではないため、印刷面には何の不純物もついていません。そのためその後のPP貼りやプレスコートなどの表面加工も簡単にできます。 PP貼りはポリプロピレンフィルムと紙を貼り合わせる方法、プレスコートはアクリル樹脂を紙にコーティングする方法で、どちらも印刷物の表面を保護したりツヤを出したりしますが、UVニスなら、もっと簡単に低コストで同じような効果を得られます。 UVニスも紫外線を当てることで瞬間的に乾くため、通常のニスを使ったときよりも大幅に作業時間を短縮することができます。UV印刷用のインキの効果と合わせて、一層高い保護効果が期待できるのです。
耐久性とツヤだけではない、UVニスの効果
UVニスの効果は耐久性とツヤを出すだけではなく、他のニスと組み合わせることで、立体感を出し、エンボス加工のような仕上がりにすることができます。 これは疑似エンボスと呼ばれていますが、カタログの表紙や商品パッケージに施すことで高級感が出ます。他の製品との差別化を図ることができるのです。 また、PP貼りではフィルムを紙に貼るため、古紙としてリサイクルすることができませんが、UVニスを塗る方法ならリサイクルが可能です。納期やコストだけでなく、リサイクルの面からもUVニスを使うのはお勧めの方法です。
UV印刷にもデメリットがある
人と環境に優しく、印刷物を丈夫に美しくしてくれるUV印刷ですが、やはりいくつか気をつけなくてはならない点があります。
実はインキの価格が高い
通常のインキと材質が違うため、UV印刷に使うインキは価格が高いと言われています(3割ほど割高)。しかし、UV印刷は乾燥が早く、すぐに次の工程に移れるなど、作業効率が高いため、コストを下げてくれる業者も存在しています。 また、印刷後にPP貼りなどの加工をしたい場合には、UVニスで疑似エンボスを施すなどして、コストを抑えることもできます。確かにインキの値段は高いかもしれませんが、方法によっては気にならなくなるのではないでしょうか。
印刷面が硬くなると問題がある?
次によく言われるデメリットは、印刷物が丈夫になると同時に硬くなってしまうことです。 チラシなどを折ったときに、紙が硬いために折り目にシワができたり、ちぎれてしまう可能性があるのです(この現象を背割れと呼んでいます)。この特性をよく理解した上で、印刷物のデザインを決めると良いでしょう。 折り目にかかる部分にはインクをあまり使わないように工夫することもできるため、信頼できる業者に相談をしてみましょう。もともと折り目をつける必要のない印刷物なら、UV印刷の良さを十分に発揮できるはずです。
蛍光色が苦手
UV印刷は蛍光色がうまく再現できません。そもそも通常の印刷で油性インキを使ったときにはレベリングという現象が起こります。 レベリングはインキの色が流動してなめらかな膜を作ることで、これが起こることで色に光沢が出て、蛍光色も再現できるわけです。UV印刷では、瞬間的にインキが固まるためにレベリングが起こらず、蛍光色もうまく再現できないのです。 反面、UV印刷ではマットな仕上がりになりやすいため、UV印刷を使うときには、マットな仕上がりを目指すとうまくいくかもしれません。
UV印刷も万能ではない
UV印刷は日光による劣化や傷から印刷物を守ってくれますが、それでも万能ではないことを忘れてはいけません。 紙以外に印刷したものでも、アルコールやシンナーは避けた方が無難ですし、強くこすることも良くありません。いくらUV印刷でも、完全に劣化しないわけではないため、過信するのは止めましょう。
まとめ
メリットがたくさんあるUV印刷ですが、まだそれほどメジャーになっているわけではないようです。特にUVニスについては知らない人も多いのではないでしょうか。人にも地球にも優しく、納期も早いのですから知っていて損はない方法です。 お願いするときに多少の注意は必要かもしれませんが、UV印刷は商品パッケージを新しくしたいときなどに、1度は使ってみたい方法です。 材質やその後の加工の幅がぐっと広がるUV印刷で、自分の思い通りのデザインのパッケージやカタログを作れば、きっとそれを見る人の心に訴えかけることができるはずです。
資料請求・お問い合わせを増やす方法
資料請求・問い合わせを増やすためには、企業がどんな事業をしているのかを知ってもらうことが重要です。Beaker mediaの企業情報掲載サービスでは会社の事業内容や特徴、取得免許や対応ロット数などを掲載し、化粧品・健康食品に専門性の高い多くのユーザーへ会社情報を発信することができます。
Beaker mediaで会社情報を掲載しませんか?
Beaker mediaで会社情報を掲載するメリットは以下の通りです。
- 業界特化型メディアでの露出増加
- 化粧品、健康食品原料の専門分野でのターゲットリーチ拡大
- 企業情報や製品の逐次更新が可能