最終更新:2024/08/22
「尿漏れ」「頻尿」「尿トラブル」を広告で謳える?言い換え表現は?薬機法•景表法を解説
老若男女問わず、実はたくさんの方が悩まれている症状の一つである「尿漏れ」。 原因は様々なので、治療法も一つではありません。 そして、尿漏れや「頻尿」のような「尿トラブル」は再発することもあるため、日ごろからサプリでケアをしたり、グッズを使ったりする方も多いのではないでしょうか。 今回は、薬機法・景表法から見た「尿トラブル」関連商品の場合での広告表現で注意したい点をまとめました。 ぜひ参考にしてみてください。
薬機法・景表法とは
商品の販売や広告を出すさいに注意するべき法律の代表的なもので「薬機法」と「景表法」があります。 どちらも、広告に使用できる表現の規制があるため、必ずチェックをしてから販売や宣伝をするようにしましょう。 それぞれを簡単に解説します。
薬機法とは
薬機法とは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」のことです。 医薬品、医薬部外品、医療機器や化粧品の製造・販売の安全対策までを規制しています。 適正化をはかる目的としたものが薬機法なのです。 そして、薬機法の第66条では「何人も」と記されています。 これは、販売する側だけでなく、広告代理店やアフェリエイターも責任を追及されることがあるという意味です。
景表法とは
景表法とは、「景品表示法」を略したものを言います。 「実際の商品より良く見せかけるための表示」が対象です。 また、「過大な景品付き販売により消費者に合理的な判断が出来なくなる」ことを防ぐという目的もあります。 消費者がより良い商品を自主的に合理的に選べる環境を守るために制定された法律なのです。 薬機法をクリアできたと思っても、この景表法でひっかかることがあるので、薬機法と景表法はどちらもしっかり確認していきましょう。
「尿漏れ」「頻尿」「尿トラブル」を広告で謳える?
「尿漏れ」とは医学用語でいうと「尿失禁」のこと。 「頻尿」は病名ではなく症状です。 「尿トラブル」は、尿漏れ、頻尿などの尿に関する困りごとを差しています。 治療には薬部療法や、場合によっては手術をすることも。 3つとも医療系にあたるので、広告表現として使うのは避けた方が良い表現です。 尿トラブルは予防として、サプリメントや「軽い失禁」によるシミができるのを防ぐ下着などが販売されています。 これらを販売している企業は、直接的な表現をさけて商品をアピールしているようです。 次に、化粧品、健康食品、美容機器・雑貨の場合において、薬機法に抵触する例や、言い換え方法などを解説していきます。
薬機法からみた化粧品とは
「化粧品」とは、人を清潔に美しく、魅力を増すものであると薬機法上で考えられています。 人体に対する作用が緩和なものをいうため、医薬品のような表現を用いた場合は規制に反するのです。 化粧品には標ぼうできる効能効果が56個あり、この56個以外の言葉で効能効果を表現してしまうと、薬機法に抵触する恐れがあります。 では、違反例と言い換えを見ていきましょう。
化粧品での違反例
化粧品で謳いたい言葉ナンバーワンかもしれない「美白」。 この表現は、薬機法に抵触する恐れがあります。 肌が白くなるという表現での使用は避けるべきなのです。 ただ、同じ美白でも、メイクアップ効果によるものはOK。 そのため「肌が白く見える美白ファンデーション」は問題ないのです。 この違いは
- ファンデーションを塗ったことで得られた効果である
- 肌が実際に白くなったわけではない という観点からOKなのです。
言い換え表現(参考)
先ほどの「美白」は「明るい肌を演出」や「日やけによるしみ、そばかすを防ぎます」というような言葉に言い換えます。 他にも、「肌を整える」「肌にツヤを与える」なども可能です。 似た言葉で「美肌」という言葉もあります。 美肌は薬機法ではOK。 化粧品とは、美しさを増すものと薬機法でも記載されていますので、使っていきましょう。
薬機法からみた健康食品とは
健康食品は、健康保持増進効果等を期待して食べたり飲んだりする食品のことを言います。 薬機法で定義されない「一般食品」にあたり、規制対象外です。 ここでは一般食品なので、医薬品のような効能効果を謳ってしまうと、薬機法に抵触する恐れがあります。 ちなみに、サプリメントも「一般食品」扱いになるため、健康食品と同様に注意が必要です。 つづいて、健康食品での違反例と言い換えを紹介します。
健康食品での違反例
「尿漏れ」は健康食品の広告表現では使ってはいけない表現に当てはまります。 症状や病名は違反となるなるからですね。 「医薬品の〇〇と同じ成分を使用」もNGですし、サプリメントの場合だと、具体的な飲む時期や飲む量の記載も認められていません。 用法・用量に当たらない表現が必要です。
言い換え表現(参考)
尿漏れの言い換え表現として、「回数が続く」「デリケートなお困りごと」「トイレの悩みを抱えている方に」 などであれば、OKです。 一つ一つの単語だと、何の商品か分かりにくいのですが、3つの単語が合わさると、どういうアイテムなのか分かりますよね。 そして、サプリメントの飲む量や飲む時期は、「摂取上限(1日4粒を上限にお飲みください)」の表記はOK。 広告表現のポイントとしては、栄養補給であること、健康増進などの現状維持の範囲で抽象的な表現であれば認められています。 他にも、「イキイキ」などの気分的な表現、「毎日の健康習慣」のような生活的な表現も使用可能です。
薬機法から見た美容機器、雑貨
美容機器は美容家電などの「美容」を目的とした機器を差しています。 雑貨とは、(雑品とも言います。)化粧品にも医薬品、医薬部外品にも当てはまらないもののことです。 そのため、雑貨に関しては薬機法は規制外となりますが、医療機器や医薬品の様な表現を使うのはNGです。 身近なものだと、マッサージ器は医療機器に当てはまるものと、当てはまらないもの(雑貨)があります。 では、違反例を見ていきましょう。
美容機器、雑貨での違反例
美容機器の効能効果で使ってよい表現は化粧品での広告表現と同様で、医療機器に該当しないよう配慮が必要です。 違反例として、「新陳代謝を上げる」、「安心・安全」のような安全性の保証を表記することもNG。 ちなみに、マッサージ器の場合がちょっと特殊です。 非電動で、単に突起物やこてを応用して指圧の代用をしてくれるものは「指圧代用器」となります。(電動のものは医療機器になる可能性が高いです) この指圧代用器は、雑貨扱いとなるため、「尿漏れ予防、尿漏れ改善」のような医療と誤解をされるような表現はNG。
言い換え表現(参考)
美容機器、雑貨どちらの場合でも、医薬品のような効能効果は謳えないため、 新陳代謝を上げるは、「運動をサポート」 安心・安全は「使いやすい」などの使用感の表現であればOK。 指圧代用機に関しては例外として効能が言えます。 指圧代用機で認められている表現は5つ。
- あんま・指圧の代用
- 健康に良い
- 血行をよくする
- 筋肉の疲れをとる
- 筋肉のこりをほぐす
これらの表現を指圧代用機に使うのはOKです。
まとめ
扱うものによって、薬機法の規制も少しずつ違います。 薬機法に抵触しないコツとしては、断定表現を避けることです。 言い切るのではなく、やや曖昧な表現を意識してみましょう。 また、「〇〇ですよね?」や「〇〇じゃないですか?」のような、消費者に問いかける表現も使えるのでお試しくださいね。
※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。
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