最終更新:2024/08/22
「ふけ」「かゆみ」を広告で謳える?言い換え表現は?薬機法•景表法を解説
「ふけ」がとれるシャンプーや、乾燥による「かゆみ」を抑えるクリームなどありますが、これらは広告表現として可能です。 ただし、かゆみに関しては、医薬品なのか化粧品なのかによって表現できる範囲が変わってきます。 今回は、ふけやかゆみを広告表現で用いるときに、薬機法や景表法の規制に反しないか、どのような言い換え表現があるかを解説します。
「ふけ」「かゆみ」とは
そもそも「ふけ」「かゆみ」とは何か、病気や症状ではないのか、何が原因で起こるのか簡単にまとめたので、それぞれ紹介しますね。
ふけとは垢のようなもの
ふけは、剥がれ落ちた角質細胞のこと。 体から出る垢と同じで、古くなった細胞です。 乾燥が原因となるものや、皮膚炎のような病気が原因で出てくることもあります。
かゆみは肌のバリア機能の低下で起こる
あせもや、乾燥によるもの、蕁麻疹、アトピー、帯状疱疹など、様々な原因があります。 ただの皮脂不足による乾燥であれば、化粧品でケアできますね。 かゆみの原因によっては病院に行って治療を受けたり、薬を処方されたりすることもあります。
「ふけ」「かゆみ」でよく見られる広告表現
前述で述べたように、ふけもかゆみも治療が必要な場合があるため、医薬品的な表現を用いる時は注意が必要です。
ですが、乾燥が原因のふけやかゆみの場合は保湿をすることで落ち着くこともあります。
そのため、シャンプーや頭皮用のローションが実際に販売されており、「頭皮、毛髪をすこやかに保つ」「ふけ、かゆみを抑える」などの広告表現は問題ないのです。
ふけやかゆみという表現は医薬品でなくても使用可能な場合と、注意が必要な場合があるため、十分に確認するようにしましょう。
シャンプー、リンス、トリートメントで認められている表現はこちら
- 頭皮、毛髪を清浄にする。
- 香りにより毛髪、頭皮の不快臭を抑える。
- 頭皮、毛髪をすこやかに保つ。
- 毛髪にはり、こしを与える。
- 頭皮、毛髪にうるおいを与える。
- 頭皮、毛髪のうるおいを保つ。
- 毛髪をしなやかにする。
- クシどおりをよくする。
- 毛髪のつやを保つ。
- 毛髪につやを与える。
- フケ、カユミがとれる。
- フケ、カユミを抑える。
- 毛髪の水分、油分を補い保つ。
- 裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。
- 髪型を整え、保持する。
- 毛髪の帯電を防止する。
化粧品での違反例
シャンプーやトリートメントなどは薬機法上では化粧品扱いとなります。 そのため、化粧品の効能効果を超えるような表現は違反となるので注意が必要です。 もう1点、注意したいのが、化粧品では髪の毛に関するかゆみの場合のみ表現が可能となります。 髪の毛以外でかゆみが起こる時と言えば「花粉症」もありますよね。 「花粉症」という表現は「アレルギーの病気」なので、化粧品関連で広告表現として使用はNG。
「花粉症」という表現記載されていなくても「すぎ」「ひのき」のような花粉症を連想させる表現が使われてしまうと違反となることもあります。 化粧品としてのシャンプー、リンス、トリートメントで使えない表現はこちらです。
認められない表現の例
- 育毛
- 髪が伸びる
- 蘇る
- 修復
- 抜け毛
- 髪質改善
- 取り戻す(復活/回復)
- 再生
抜け毛 出典:医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について
言い換え表現(参考)
「花粉症」を言い換える表現を紹介します。
- 花粉対策として
- 快適に春を迎えたい方に
- ムズムズの解消に
季節の変わり目になるとグズグズしてしまう方に などの表現で言い換えましょう。 ただ、ここでも気をつけたいのが言葉の組合わせによって「花粉症」を連想させることはNGです。 「ムズムズの解消に」を、「春のムズムズの解消に」と表現してしまうと違反となることも。 また、広告表現をする際に注意したいのが、「〇〇美容師がおすすめ」という表現も禁止です。 化粧品の禁止されている広告表現のなかに「有名人や専門家が推薦している表現」があります。 美容師は「髪の専門家」に当てはまるため、化粧品類の髪のケア用品には使用しないようにしましょう。
健康食品での違反例
健康食品は、薬機法上では一般食品にあたります。 そのため、薬機法の規制対象外です。 薬機法では、健康食品の広告表現で病名や症状を記載するとを禁じています。 そのため、
- かゆみ
- くしゃみ
- むくみ
- 物忘れ
などの表現は使えません。 ほかにも、体の一部(目・肌・内臓)への効果があることを暗示させる表現も、違反となります。 からだ全体の健康増進ととれるようにすることが大事なのです。
言い換え表現(参考)
使用可能な広告表現の例を紹介します。
- ハリのある毎日に
- 栄養バランスが気になる方へ
- 年齢とともに不足したちな成分
- キレイをサポート
などのような、美容や健康をサポートしてくれるような抽象的な表現であればOKです。
健康食品の広告表現でのポイント
広告表現で使用可能なのは
- ミネラル(スポーツで失われがち)などの栄養補給であること
- 健康増進などの現状維持の範囲であること
- キレイやスムーズのような抽象的な表現であること
- ハツラツ、イキイキのような気分的な表現であること
- 毎日の健康習慣のような生活的な表現であること以上のようなポイントは使用可能です。
参考にしてみてください。
美容機器、雑貨で「ふけ・かゆみ」の広告表現は注意が必要
美容機器は効能効果の範囲は化粧品で決められている範囲となっています。 化粧品で謳えることができる「ふけ・かゆみ」は髪の毛に関してのみです。 美容機器で、髪の毛に関する商品であれば、かゆみ等に言及できます。 雑貨に関しては、健康食品と同様で、薬機法の規制対象外となってるので、かゆみに関しては言及できないので注意が必要です。
美容機器、雑貨での違反例
雑貨での違反でマイナスイオン発生器を例に紹介します。 花粉やウイルスから守ることを目的として作られた商品で、景表法の違反となったものです。 首から下げるタイプの空間除菌剤として、「カードを身につけるだけで空気のトラブルからあなたを守る」と表記。 他にも「花粉」、「アレル物質」、 「ウイルス」、「PM2.5」、「タバコのニオイ」「ぜんそく」、「鼻水・鼻詰まり」、「目のかゆみ」などの原因に。 という表現も広告の中で用いられていました。 これに関して、消費者庁が景表法に基づき、合理的な根拠の提出を求めました。 しかし、裏付けとなるような合理的な根拠は認められず、景表法の優良誤認にあたるとして、違反となりました。 これにより、消費者庁から再発防止を求める措置命令が出されました。 この事例のように、雑貨の場合でもかゆみ表現を含んだ広告表現で違反となる可能性もあるので、注意が必要です。
言い換え表現(参考)
前述のとおり、美容機器ではかゆみに関して表現できるのは髪に制限されており、雑貨もかゆみに関しては言及できません。 そのため美容機器の方でかゆみを言い換えるとすると
- 美しくしなやかな髪の毛へ
- サラサラな質感でクシ通りのよい髪へ
- 女子力アップに
などのような曖昧な表現に留めておくのが良いでしょう。
まとめ
ふけ・かゆみ表現に関して解説しましたが、病名や症状名は使えないことや、医薬品的な効果になってしまうので注意が必要な部分もありました。 化粧品や美容機器では髪の毛に関してのみ、健康食品と雑貨に関しては言及することができません。 そして、雑貨での違反例のように、景表法で違反となることもあるので、薬機法・景表法ともにしっかりと学ぶことが大事ですね。
※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。
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