「復活」を広告で謳える？言い換え表現は？薬機法•景表法を解説

病気から復活しました。」「完全復活です。」のように、状態が元に戻るようなイメージで「復活」という言葉はよく使いますよね。 そんな「復活」という言葉を化粧品や美容機器、健康食品の広告で使用したいと思っても、薬機法や景表法にも違反する可能性が高いです。 今回は、広告表現として復活という広告表現ができない理由や、言い換え表現はあるのかを解説していきます。

「復活」とは

復活という言葉を調べると、甦ることや、元に戻ることなどの意味があります。 体だと「体調が復活しました」や、肌だと「10年前の肌に復活したみたい」などのような表現もできますね。 これは、医薬品のような効能効果があると捉えられる可能性があるのと、優良誤認表示にあたる場合もあるため、景表法にも違反してしまうこともあるでしょう。

薬機法と景表法の広告表現の制限

薬機法での制限は、医薬品などの効能や性能などに関する虚偽広告が該当します。 景表法で制限しているのは、実際の商品よりも「良い」または、「お得」などと思わせてしまう表示です。 このような広告があると、健康を損ねてしまったり、間違った医薬品の利用に繋がったりする恐れがあります。 したがって、広告をうちだすときは、まず景表法に該当しないか確認し、広告対象が医薬品である場合は、加えて薬機法に抵触しないか、厳しくチェックすることが大事です。

「復活」を広告で謳うには

医薬品のような効能効果に当たらないように表現するのは、なかなか難しいものです。 似たような言葉で「回復」「修復」「再生」もNGとなります。 身近なところで復活を広告表現に使っていると言えば、「着る疲労回復」という商品があるのをご存じでしょうか。 セラミックや鉱物による遠赤外線効果が科学的根拠があると認められており、洋服の記事にその成分が練りこまれているのです。 そのほかの点での企業努力もあり、一般医療機器として登録されたことで、誇大広告には当てはまらないという事例もあります。

化粧品での違反例

化粧品での違反例を紹介します。 「肌の疲れを回復する」→医薬品的な効能効果に当てはまる 「髪の修復をする」→身体の変化についての表現 「頭皮」→特定部位を表す表現 「就寝前に」→用法用量の指定 「塗るだけでOK」→その製品を使うだけで良いといった表現 「まだ〇〇使ってるの？」→不安をあおる表現 「最大」「高級」→最大級の表現 「安心安全」→安全性の保証 「〇〇医師おすすめ」→有名人や専門家が推薦する表現 「〇〇企業より優れた」→他社を誹謗中傷する表現 上記は全て化粧品の広告表現では使えないです。

言い換え表現(参考)

化粧品の広告広告表現で使える言葉のポイントとしては、「化粧品等の適正広告ガイドライン」で定められた56項目に限定されています。 違反例を元に言い換えると 「肌の疲れを回復する」→肌荒れに 「髪の修復をする」→髪を補修する 「塗るだけでOK」→皮膚の水分、油分を補い保つ 「まだ〇〇使ってるの？」→のびが良いなどの使用感に変える などに言い換えましょう。

化粧品の広告表現でのその他の注意点

化粧品を購入する際は、口コミを参考にしているという方は多いのではないでしょうか。 この口コミに関しても注意が必要です。 効果の保証に繋がるような表現はNGとなっているので、使った感想は「べたつかない」などの使用感に留めておくことが重要。 口コミを掲載するさいは、一つ一つ確認してから載せるようにしましょう。

健康食品での違反例

「これを食べて回復した」「これを飲んでから快調」などのように、わたしたちの身体は食べたものでできています。 そのため、健康食品と薬機法の関係は密接だと誤解をされがちですが、薬機法上では一般食品同じ扱いなのです。 一般食品は薬機法の規制対象外となります。 ただ、健康食品なのに効能効果を標ぼうした広告表現を使用すると医薬品とみなされるため、薬機法に抵触する可能性が高いです。

健康食品で薬機法違反の事例

健康食品で過去に実際に起きた事例を紹介します。 「ステラ漢方事件」というもので、2020年7月に起きました。 医薬品の承認を得ていないのにも関わらず、「ズタボロになった肝臓が半年で回復」という広告表現を使用。 「肝パワーE-プラス」という商品名で販売した。 広告主だけでなく、健康食品販売会社の従業員、広告掲載に関与した広告代理店も薬機法違反で逮捕されてしまったのです。

健康食品での違反例

健康食品、サプリメントの広告表現で使用となるものを紹介します。

• 「脳が活性化された」効能効果があるような表現
• 「疲労回復」のような体の変化についての表現
• 「目、シワ」などの特定部位を指す表現
• 「めまい」「関節痛」などの症状や病名の記載
• 「就寝前にお飲みください」のような用法用量の指定
• 「すぐに対策を」のような不安をあおる表現
• 「安心安全です」という安全性の保証
• 「これさえあれば」その製品を使うだけでOKと思われる表現
• 「医師監修」有名人や専門家がおすすめしているような表現
• 「〇〇社より優れた」という他社を誹謗中傷するような内容

などが、違反となります。

言い換え表現(参考)

健康食品での回復について、言い換えた表現はサポート表現のようなものであればＯＫです。

• 健康をサポートします
• あなたに元気チャージ
• 毎日元気に過ごすために
• ハツラツとした毎日のために

などの表現で言い換えをしましょう。 他にも記載したいときは、「飲みやすい」などの使用感の表現であればOKです。

美容機器、雑貨での違反例

医薬品的な表現はNGなため、「回復」はもちろん使えません。 他にも

• 「姿勢」「贅肉」「脚」などの特定部位を表す表現
• 「治る」「発汗作用」などの身体の変化についての表現
• 「〇〇病」のような症状や病名を記載する
• 「1日10分だけ使用」「夕食後に」などの用法用量の指定
• 「運動不要」のような、これだけすれば良いという表現
• 「最高峰」のような最大級の表現
• 「ストレスなく」のような安全性の表現
• 「〇〇医師監修」のような有名人、専門家が勧めるような表現
• 「〇〇製品より～」のような他社製品を誹謗中傷するような表現

これらは、美容機器・雑貨では認められていない表現になります。

美容機器、雑貨での認められる表現、注意が必要な表現

美容機器や雑貨の広告表現で認められているのは、「健康を維持するために」や「あなたの美容のために」のようなサポート表現はＯＫです。 また、使用感の表現として「着心地」「なめらか」も可能。 注意が必要なのは、「毎日のスッキリに」という表現はこれ単体の使用は問題無し。 ただ、「毎日の腸にスッキリ」など、特定部位が入ってしまうと使えない表現となるので、組合わせには注意が必要です。

言い換え表現(参考)

美容機器、雑貨で回復を言い換える表現の例としていくつか紹介します。

• 鏡を見たくなる肌へ
• 髪を補修する
• 肌にハリを与える

肌のキメを整える などのような表現であれば、OKです。

まとめ

今回は過去に実際に起きた事件も踏まえて解説しました。 逮捕された関係者の方々は罪を認めており、薬機法違反を知ったうえで広告表現を用いたと言われています。 薬機法を知っていても、知らなかった場合でも課徴金や、行政指導、なにより社会からの信用を失ってしまうという大ダメージを被ります。 十分な注意と理解をして広告を謳いましょう。

※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。