最終更新:2024/08/10
パッケージ制作に関する基礎知識 製版とは?
今回は「製版」について解説していきます。
これは、デザインをもとにCADデータに転換した後の工程です。 製版というと、「版を製造する」と書かれるように、印刷をするための文字や図形を彫った板状のものを指します。 この製版の作業というのは、パッケージ制作において重要なポイントです。
パッケージ制作に関する基礎知識「製版」
まず、印刷の構造について説明していきます。
何かを印刷する際、その印刷の技法は3種類あります。
1つ目は、インクジェット式と呼ばれ、インクを用いて紙の表面に着色させていく方式です。 2つ目は、レーザー方式で、トナーと呼ばれる色の粉末が用いられています。レーザーに当てて色を付ける技法です。 3つ目は、製版の方式です。上記2つの方法では、デザインデータに沿ってインクやトナーを紙の表面に付着させていましたが、これは印刷用の版を用いて転写させていく方法です。大部数の印刷に向いています。
製版工程のスタートはデザインデータを出力するところから始まります。 この工程では、既にどんな印刷にしたいのかのデータは出揃っている状態で、実際に印刷してみることでどんな写りになるかを確認する工程も含まれています。
製版の主なフローは以下のとおりです。
- データの確認
- 面付け
- 出力
- 検版
それぞれ詳しく解説していきます。
1. データの確認
版を作るために、まずはデザインのデータを確認するところから始まります。 チェック項目は多種に及びますが、おおよそは以下の内容です。
- 仕上がりサイズに間違いはないか
- 色数は適当か
- 解像度は足りているか
- リンクは外れていないか
- オ―バープリントは適切に設定されているか
- リッチブラックが使用されていないか
などです。 デザインのデータを制作している段階では、必ずしもこれらのことを考えながら制作しているとは限りません。ただ、どこかでは実際に印刷が可能なのかを判断しなければならず、それがこの製版の第一工程部分になるのです。
2. 面付け
面付けとは、印刷する版面(印刷面と対称になる面)の場所を決めていく作業です。 主に業務用の印刷機ならではの強みである、大量印刷を実装するために必要な工程です。
そもそも、印刷の用紙は初めから規格サイズにカットされているわけではありません。 最初はロール状の紙資材で、印刷した後に切り取ることによって印刷物が完成するのです。
同じ列に何部も印刷の版を押し、デザインを転写させ、それを発注サイズにカットしていくことで、同じ手間でもより多くの部数の制作が可能になるのです。
3. 出力
版の出力を実装していきます。 ここでキーワードとなるのが「RIP処理」です。 RIPというのは、Raster Image Processor の頭文字を取ったもので、それぞれのデータを印刷にふさわしい形に変換する装置のことを指します。 要製版として出力する上でのデータの転換装置になります。
業務用の印刷機に用いられているオフセット印刷では、色の濃さに連動した印刷手法になるため、正確に処置をしなければなりません。
4. 検版
出力された版を点検する作業です。
- 目に見える傷が無いか
- 汚れがついており、印刷の障壁とならないかどうか
- 指定した折や綴じ方に基づいた配置になっているかどうか
必ずよく確認してから、印刷工程に入ります。
さいごに
今回は、印刷の中では最重要と言える工程である「製版」の工程について解説をしてきました。 まず言えるのは、製版は印刷工程において、最重要とも言える工程であるということです。
ぜひ参考になれば幸いです。
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