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最終更新:2024/08/09

紙面検査・印刷検査とは?

紙面検査・印刷検査とは?

パンフレット、チラシ、パッケージなどの印刷物は、そこに印刷されている商品の顔とも言え、その質を担保するものと言っても過言ではありません。印刷工程において高い印刷品質を保つために、印刷技術だけではなく、印刷の仕上がりを検査する工程が欠かせません。検査精度を高め、印刷不良を削減することは、印刷業界にとって必要不可欠であると言えます。

本記事では、印刷物の検査はどのようにして行われるのか、検査でどういった点をチェックしているのかについて解説します。印刷の品質を管理するために、どのような検査をしているのかを知ることができます。

また、自動印刷検査装置についても解説しております。目視で行われてきた紙面検査・印刷検査を、装置での検査に置き換えて自動化することのメリット・デメリットを知ることができます。検査装置の仕組みや種類についても解説しておりますので、印刷業者様における検査装置導入のご参考にしていただければと思います。

紙面検査・印刷検査とは

印刷の仕上がりを確認し、印刷品質をチェックする検査を、紙面検査・印刷検査と呼びます。印刷物をチェックして、色のかすれや汚れ、欠損(印刷できていない箇所)が無いかどうか確認します。 そもそも、なぜ検査が必要なのでしょうか。紙やインクは非常に繊細なものですので、印刷品質が不安定になりがちだからです。また、印刷機や紙の状態、その日の湿度や気温など様々な要因によってばらつきが生じます。印刷の品質管理のために欠かせない工程です。

紙面検査・印刷検査でチェックするポイント

紙面検査・印刷検査では主に以下のポイントにしたがって、印刷不良が生じていないかチェックします。

  1. 印刷ミスが発生していないか
  2. 色のかすれ、にじみが生じていないか
  3. しわ、汚れが混入していないか
  4. 欠損(文字や絵が一部印刷できていない箇所)が生じていないか
  5. ピンホール(インクが乗らず、針で突いたような白い点が生じている箇所)が生じていないか

さらにパッケージ印刷の場合は、下記の検査も行われています。

  1. バーコード読み取り検査 パッケージに印刷されているバーコードの読み取り精度を検査します。
  2. ブランクス検査 ブランク(印刷後の厚紙を箱の形に打ち抜いたもの)の印刷品質を検査します。
  3. 耐摩擦性検査 輸送中の摩擦により表面の印刷が擦れてしまうということがあります。対摩擦性検査は、一定回数摩擦を加え、表面の状態をチェックする検査です。

紙面検査・印刷検査をしない、もしくは検査精度が不充分な場合、印刷不良の製品を大量に納品してしまいかねません。刷り直しが生じて資源の無駄になったり、クレームや納期遅れに発展する可能性があります。しっかり検査をして、印刷の品質を管理することが重要です。

検査の種類と方法

検査方法には「刷り出し検査」と「抜き取り検査」の二種類があります。以下より一つずつ解説していきます。

刷り出し検査

刷り出し印刷とは、本刷り(本番の印刷)の前に試し刷りを行うことです。数十枚〜数百枚ほど刷り出して検査をし、色の調整を行います。

抜き取り検査

抜き取り検査とは、印刷の途中で一枚だけ抜き取って検査を行う手法です。抜き取り検査は、全体の印刷枚数に応じて数十枚〜数千枚の間隔で行われています。印刷不良は連続して発生する性質を持っており、不良を発見した箇所の前後で大量に不良が生じている場合があります。不良状態の印刷物を何千枚と印刷してしまうようなことを防ぐためにも、抜き取り検査は非常に重要です。ただ、単体で発生する突発的な不良については、抜き取り検査だと発見できない可能性もあります。

自動印刷検査装置について

目視検査のデメリット

印刷の技術は古くから存在します。印刷検査もまた、古くから人の手で行われてきました。オペレーターによる目視検査です。ですが目視検査では安定した品質の担保が難しく、以下のようなデメリットがあります。

  • オペレーターの経験値やコンディションにより、検査精度にばらつきが出る
  • オペレーターへの負荷がかかる
  • オペレーターの人員確保や教育など、検査体制の増強に時間を要する
  • 膨大な作業時間を要し、人件費などのコストがかさむ

自動印刷検査装置のメリット

自動印刷検査装置とは、目視で行っていた印刷検査を自動化するための装置です。自動印刷検査装置の導入により、目視検査のデメリットを解消することができます。 自動印刷検査装置の導入には、以下のようなメリットがあります。

  • 一定の検査精度を維持できる
  • 作業時間や人件費などのコストを減少できる
  • 印刷結果をサーバーに保存しフィードバックすることで、印刷不良予防に役立てられる
  • 検査体制の増強が容易にできる

自動印刷検査装置の仕組み

では、自動印刷検査装置はどのような仕組みで安定した検査精度を維持しているのでしょうか。自動印刷装置の仕組みについて解説します。

自動印刷検査装置では、画像認識処理の技術を用いて検査を行います。元画像のデータを検査装置に登録しておき、カメラスキャンによって印刷物をチェックする方式です。カメラスキャンは、コピー機のように下から光をあて、台に設置された印刷物を端から端までスキャンします。検査は、あらかじめ設定しておいた検査ルールにのっとって行われます。

自動印刷検査装置のデメリット

検査装置を導入すれば検査の抜け漏れを完全に防げると思いがちですが、自動印刷検査装置にもデメリットがあります。ルールベースで行われる検査では、ルール外の突発的な印刷不良を検出できない場合があるからです。また、検査現場では「若干の印刷不良が生じているが、発生箇所が小さいため問題なしとみなす」といった柔軟な対応が必要となる場合があります。検査装置での見落としを防ぐために厳格なルールを設定していまい、過剰に検出してしまうといったケースもあります。

このため、熟達したベテランの検査オペレーターのほうが検査精度が高く、検査装置はあくまで補助的な位置付けだとみなされる傾向がありました。ですが近年はAI分析やディープラーニング技術の導入が進んでいるため、機械自身が学習して柔軟な検査を行うことが可能になると考えられるでしょう。

自動印刷検査装置の導入コスト

自動印刷検査装置の導入コストは、装置の種類によって変動します。

刷り出し・抜き取り検査のためのオフライン検査装置

冒頭で解説した、刷り出し検査・抜き取り検査のための装置です。人の手で印刷物をセット、スキャンし、装置で検査をします。人力での工程が必要にはなりますが、そのぶんコストは低く、導入のハードルが低くなります。

枚葉印刷のためのオンライン検査装置

枚葉印刷とは、決まったサイズにカットされた用紙に印刷する方式です。(ロール上の用紙に印刷する方式は輪転印刷と呼ばれます。) オンライン毎葉印刷検査装置では、印刷機にあらかじめ検査装置が設置されています。印刷と同時に検査を行うので、印刷物の全数検査が可能になります。印刷機と検査装置がセットになっているため装置自体が大掛かりであることが多く、その分コストは高くなります。

さいごに

印刷工程における紙面検査・印刷検査について解説いたしました。印刷業において、印刷物の検査が非常に重要な工程であることをご理解いただけたかと存じます。印刷業者様にご発注される際の参考資料としていただければと思います。

また、検査装置の仕組みや導入メリットについてもご紹介いたしました。印刷業者様における、検査装置導入のご検討にお役立てください。

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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