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最終更新:2024/07/25

紙箱のデザイン 入稿データについて

紙箱のデザイン 入稿データについて

紙箱を印刷所に依頼して制作しようと思った時、まず印刷所への「入稿」作業が必要になります。 デザインやDTPの知識がないと、入稿といっても何から手を付ければ良いのか、迷ってしまいますよね。 この記事では、入稿という言葉の意味から、入稿データの概要、主要なデータの形式やカラーモード等、紙箱デザインの入稿データ制作のポイント等を解説していきます。

「入稿」の意味とは?

まず、「入稿」という言葉の意味を解説します。 普段の生活では聞き慣れない言葉だと思いますが、入稿という言葉には、2つの意味があります。

1つは“ 印刷するための原稿を印刷所に渡すこと ”2つ目は、“ 原稿を著者から入手すること”です。

出典:goo辞書

つまり、立場によって渡すと受け取る、逆の意味になるわけです。 近年では印刷物に限らず、画像データについても入稿という言葉が用いられます。

入稿に関連する言葉

  • 入稿予定日 入稿を行う予定の日のこと。印刷会社に注文した際に指定します。この日に入稿するという約束になるので、締め切りと同じ意味になります。
  • 初稿 一番初めに提出する原稿のこと。「原案」を指す場合もあります。初稿から修正を重ねることで原稿の完成度を高めていきます。
  • 脱稿 原稿を書き上げること。この後に印刷会社への入稿が行われます。

紙箱デザインの入稿データの概要

入稿データには、データの形式やカラーモード、解像度などの要素があります。ここでそれぞれの概要を解説します。

入稿データの主要な形式

入稿データの形式として主要なものはこれらの3つです。

  • .ai:グラフィックデザインソフト、Adobe Illustratorで作成された形式
  • .psd:画像編集ソフト、Adobe Photoshopで主に利用される形式
  • .pdf:印刷用に最適化されたデジタルデータ

.doc や.ppt や.jtdなど、これら以外のファイル形式での入稿を受け付ける印刷所もありますが、別途追加料金が発生する場合があります。 そのため、主要な形式で作成するのがベターでしょう。

カラーモード

入稿データ作りで忘れてはいけないのが、カラーモードです。 カラーモードとは、印刷物やモニター上での色を表現する方式のことで、RGBとCMYKがあります。 RGBは、PC等のモニターで表現される、色光の3原色(赤・緑・青)です。 RGBは重ねるほどに明るくなるため、鮮やかな色を表現することができます。

CMYKは、印刷物に用いられる色料の3原色(シアン、マゼンタ、イエロー)に黒を追加したものです。 RGBで作成したデータをそのまま印刷するとくすんでしまう場合が多いため、入稿データを作る際はモニターと印刷物で色味が変わらないように、最初から印刷物に適したCMYKでデータを作成しましょう。

解像度

解像度とは、画像の密度のことです。1インチの中にどれだけドットが入っているかを表す、dpiという単位が使われます。 この数字が大きいほど密度が高い画像ということになります。 解像度が低いと、モニター上では綺麗に見えても印刷した際に荒くなってしまうので、印刷物のデータはカラーの場合350dpi以上、モノクロの場合は600dpi以上で作成しましょう。

入稿の方法

印刷所にデザインデータを入稿する方法には、いくつか種類があります。 印刷所のHP上の問い合わせフォームからアップロードしたり、メールに添付したり、クラウドストレージにアップロードした上でURLをメールで共有するなどの方法もあります。 また、アナログ原稿の場合は郵送や、印刷所へ直接持参しても受け付けてもらえる場合もあります。 印刷所によって対応する入稿の方法が異なりますので事前にチェックしておきましょう。

デザインデータの注意点

デザインデータを作成する際には、いくつか注意する部分があります。

トリムマークの作成

入稿したデータは、完成サイズより大きい紙に印刷した上で裁断されるので、入稿データの時点であらかじめ裁断位置の目印となるトリムマーク(トンボ)を作成しておく必要があります。 トリムマークは、ソフトの作成機能で簡単に設定できます。

塗り足しについて

画像データには、塗り足しという部分が必要になります。 印刷物を完成サイズに裁断する際、どうしても微細なズレが発生します。ズレた時に塗り足しがないと、わずかな白い隙間が発生してしまうので、それを防ぐために完成サイズより3mm〜5mm程度外側まで色を付けておきます。これが塗り足しです。 うっかり忘れやすい部分なので塗り足し部分があるか、入稿前に必ずチェックして下さい。

画像素材のリンク

複数の元素材データを配置して1つのデザインを作る時、元素材データは画像ソフト上でリンクさせた上で、入稿データの中に一緒に入れておきましょう。 リンクだけさせても画像データがない場合、画像が表示されません。 リンクではなく埋め込み機能を使えば、元画像のファイルが同じフォルダ内になくても表示されますが、ファイルの容量が大きくなるため受付できない印刷所もあります。

文字のアウトライン化

文字データは基本的に、入稿前にアウトライン化を行います。アウトライン化ができていない場合は不備とする印刷所もあるので注意しましょう。 アウトライン化を行わないと、入稿先のPCに同じフォントがない場合デフォルトのフォントに置き換わってしまい、文字が想定どおりの見え方にならないことがあります。 アウトライン化した文字は文字データではなく図形データの扱いになるため、書き換え等、文字としての編集はできなくなります。 そのため、アウトライン化は制作の最後の仕上げに行います。 pdf形式の場合は、文章作成ソフトからpdfに書き出した際に自動で文字データの埋め込みがされますが、フォントによっては埋め込みができないものもあるので、その場合はアウトライン化が必要になります。

文字の太さ

文字の太さは、最低0.25pt以上必要です。これ以上細いと潰れてしまう可能性が高くなります。 また、0.5pt以下の細さの文字は、濃度を100パーセントに設定します。薄くすると印刷時に見えない可能性があるためです。

レイヤーは分けて入稿する

レイヤーとは、編集中の画像を構成する透明な層のことです。 文字やデザインが配置された層を重ね合わせることにより、1つの画像を表現します。 作成ソフトによってはレイヤーを結合した後は個別に編集ができなくなるため、紙箱の展開図、トリムマーク(トンボ)、箔押し等の特殊効果、デザイン、文字等、それぞれの要素でレイヤーは分けた状態で入稿しましょう。

アナログ原稿での入稿

手書き原稿などのアナログデータを受け付ける印刷所もあります。 その場合、印刷所のスタッフがIllustratorやPhotoshopを使い、アナログ原稿を元にデジタルデータを作成しますので、追加料金がかかる場合が多いです。

入稿前にzip圧縮を

データが複数のファイルになる場合、一つのフォルダにまとめた上でzip形式に圧縮します。 ファイルを1つずつ入稿するのは大変ですが、1つのフォルダにまとめることで入稿も一度で済みますし、圧縮することで容量も抑えられます。 中のファイル名は、一目で何のデータなのか分かるような名前を付けましょう。

まとめ

ここまで読んでいただければ、入稿について大まかに把握できたのではないでしょうか? これだけの基本を押さえていれば、入稿でつまずいて制作が止まってしまうことはなくなるでしょう。 この記事を参考に、素敵な紙箱を制作してください。

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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