最終更新:2024/08/10
食品用パッケージはどんなもの?

食品用パッケージは普段の日常生活でスーパーやコンビニなどで必ずと言っていいほど見かけます。
しかし、その実態というものをご存じという方はあまりいないのではないのでしょうか?食品用パッケージの役割や機能、それに関しての法令が知りたいという方は多いはずです。
そこで今回は食品用パッケージについて解説します。
食品用パッケージとは?役割と重要性について
食品用パッケージの重要性
食品用パッケージには食品の品質を保つ役割があります。それぞれの食品に適した包装をしないと、すぐにカビが生えたり、腐ったり袋に穴が開いたりします。これでは安全な食品を消費者に届けることができません。 そのため、商品にあった包装をし食品用パッケージの包装機能を知る必要があります。
食品用パッケージの大切な4つの役割
食品用パッケージには大切な4つの役割があります。
- 食品の品質を保持させる
- 流通や保管の効率を向上させる
- 使用時の利便性を向上させる
- 情報伝達し販売を促す
食品の品質を保持させる
食品用パッケージは、生産から消費までに受ける外力や環境変化によるダメージから中の食品を守ります。 食品用パッケージなしでは食品がむき出しになり、豆腐などの食品や生ものは流通できません。また、食品用パッケージに包装することで異物混入や売場でのいたずらを防ぎます。 食品用パッケージには耐熱性、遮光性、耐寒性があり、品質保持期間を延ばし食品ロスを抑制します。
流通や保管の効率を向上させる
食品用パッケージには流通の際作業効率を向上させます。商品を箱詰めするときに多くのものを収納し出し入れしやすい形状にすることで積載効率が上がり、輸送時と保管時のコスト削減と効率化につながります。 包装は、流通や保管の際に以下の機能を持っています。
- 荷役(運びやすい、持ちやすい)
- 保管(積みやすい、置きやすい)
- 仕分け(見分けやすい)
- 陳列(並べやすい、見分けやすい、置きやすい)
使用時の利便性を向上させる
食品用パッケージは使用時の利便性を向上させます。中身をこぼさず、取り出しやすい形状、持ちやすさ安全性などが求められます。電子レンジでも温められる袋やチャック付きの袋など消費者がそのまま使用しやすく梱包することで消費者の利便性も上がります。
情報伝達し販売を促す
食品用パッケージは中身の情報を消費者に提供します。広告効果で商品を宣伝しライバル品と差別化をし、販売を促進します。また消費者を視覚的にひきつけることで売れ行きが左右されます。商品の魅力を引き出せるデザイン性も求められます。また商品として必要な表示や内容物の説明やバーコードは消費者への情報提示として重要です。製造内容や品質期限やアレルゲン表示や使用方法などの情報は消費者に明確に提示しなければ人命にかかわります。
食品用パッケージの主な材料
食品用パッケージに使用される材料は、紙、プラスチック、金属、ガラスがあります。各材料の容器包装出荷額比率は以下のとおりです。
- 紙 40.8%
- プラスチック 31.3%
- 金属 16.2%
- ガラス 2.2%
紙
紙の包装形態は、液体紙パック、紙トレー、化粧箱、包装紙、ラベル、段ボールです。紙の特長は印刷とリサイクルがしやすいことです。デメリットは耐水性と耐油性と酸素バリア性とヒートシール性(熱による接着性)がありません。なので、食品を直接入れる紙製の容器包装はプラスチックをラミネートして使用されます。
プラスチック
容器包装に使用されるプラスチックは次の4つです。
- ポリエチレン
- ポリプロピレン
- ポリスチレン
- ポリエチレンテレフタラート
の4つの樹脂が95%以上です。バリア性、シール性、耐熱性、強度などいろいろな特長を持つプラスチックがあります。用途に応じて選び、組み合わせて使いますが、選び方を間違えるとトラブルが起きます。 加熱形成しやすいので、フィルムやシート、成形品などの多くは次のような形態で使用されます。
軟包装
4方シール袋、3方シール袋、ピロー包装、スティック袋、カゼット袋、角底袋、スタンディングパウチ、深絞り容器、真空包装袋、スキンパック、チャック袋、スパウトパウチ、ひねり包装、包み包装、シュリンク包装、ラベル
成形品
トレー、カップ、ボトル、キャップ、中栓
金属
主に鉄とアルミが使用され、薄板や箔から加工され包装容器になります。必要な場合樹脂をコーティングし、腐食防止のため鉄はスズメッキまたはクロムメッキを処理します。金属は強度があります。また光と水と酸素に完璧な遮断性があるので保存性と密封性に優れた容器となります。
金属容器の例
飲料缶、ドラム缶、5ガロン缶(一斗缶、18リットル缶)、ボトル缶、食缶、アルミトレー、キャップ(ペットボトルキャップなど。)
ガラス
光以外の遮断性と透明性で高級感が出ます。しかし、重くて割れやすいので缶やプラスチックに移行していきました。
ガラス瓶の例
広口瓶、細口瓶、フロスト加工瓶、着色瓶、ドリンク瓶
食品を包装する方法
ピロー包装
ピロー包装は1番よく使われる一般的な包装です。ピローとは枕を意味します。
1枚のフィルムを背中合わせしシールします。それを筒状にして、指定の長さで底部を溶接し切断した形状の袋です。大量生産が可能で食品の自動包装によく使われます。
材質は中に入れるものによって多様です。軽いお菓子などの外装にはOPP(二軸延伸ポリエチレン)とCPP(無延伸ポリプロピレン)を貼り合わせたフィルムを使います。こんにゃくなどの水物には、ONY(延伸ナイロン)とLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)を貼り合わせたフィルムを使います。
中に入れるものと用途に合わせて素材を選ぶことができ、遮光性やガスバリア性をもたせることもできます。主にOPP 、CPP 、ONY 、LLDPE 、PET(ポリエチレンテレフタレート)が使われます。
真空包装
真空包装は、その名の通り包装内部を真空に近い状態に密封する包装形態です。
酸素がない状態では食品に生えるカビは生育できません。真空包装は酸素を取り除くことで食品の変質を防ぎ日持ちさせます。真空包装の時は、主に三方袋という三辺が熱シールされている袋やチューブ状になったチューブ袋をよく使います。シール強度の密封が強いため、外部の酸素を侵入させません。
材質は、一般的に外側ではONY, 内側にLLDPEを使います。冷凍以外の販売は、酸素バリアが必須です。
使用例
ハム、ソーセージ、干物、魚の切り身など
深絞り包装
深絞り包装は、底材(ボトム材)と蓋材(トップ材)の2種類のフィルムを使い底材を容器にし、蓋材を蓋にして使う包装状態です。
底材としてプラスチックシートを加熱形成して、食品を入れ、蓋材フィルムを熱接着するとき空気を抜き真空シールします。また、空気を抜いた後不活性ガスを封入するときもあります。
食べやすいサイズに容器の大きさを調節でき、内容物を外から見れるのがメリットです。
一般的に深絞り包装は形を成型するため共押出(きょうおしだし)法で作られるやわらかいフィルムを使用します。CNY(無延伸ナイロン)とLLDPEやPO(ポリオレフィン)がよく使用されます。蓋材はONYとLLDPEを貼り合わせて使ったり、イージピールという容易に底材からはがせる素材を使ったりします。
使用例
サラダチキン、ハム、ソーセージなど
スキンパック
スキンパックは、商品と台紙の間を熱で圧着し密封することで真空包装できます。
スキンパックは完全密封するので、食品から出るドリップ(水)を抑え、食品の鮮度を保ち賞味期限を延ばせます。密封後は形を崩さず、商品陳列の時どんな置き方にしても大丈夫です。
使用例
干物、肉など
トップシール
トップシールは、プリンなどの容器のふたの役割のフィルムのことです。貼り付ける容器によっていろんな形があります。熱でトップシールは容器と貼り付きます。
トップシールは主にイージピールとPETフィルムを使用します。イージピールは容器と蓋材のシールをはがしやすくします。
PETフィルムは機械との相性、寸法の安全性が良いのでトップシールでよく使われます。
使用例
ゼリ-、プリン、豆腐など
シュリンク包装
シュリンク包装は熱収縮フィルムを使用し、商品の形状に合わせたタイトな包装のことです。フィルム材質は主に塩化ビニールやポリプロピレンやポリエチレンが使用されます。
フィルムの種類
塩化ビニール
透明性と光沢に優れます。低温で収縮するので扱いやすいですが強度が弱いです。
ポリプロピレン
安価で耐寒性、耐熱性、防湿性に優れ塩化ビニールより少し強度が少しあります。
ポリエチレン
強度がさらに優れ少し透明性に欠けますが、重量物の集積包装に適します。
包装方法は、商品をピロー包装するか、フィルムを半折にしL字型に溶断シールした物をシュリンクトンネルという温風を出す機械で収縮させる方法があります。
機能と用途は以下のとおりです。
- 透明性と光沢で商品効果の向上(CD、DVDなど)
- 汚れの防止(書籍やお土産物用の菓子類)
- どんな形状でもタイトに積み上げることが可能で結束性がでる(冷凍ピザや乳酸飲料やヨーグルト類の集積包装)
- 流通の段階で開封されない保証包装(レターケースやダンボールケースの代わりや通販商品)
- 売場でのいたずらを防ぎ、バージン性を付与する(カップ麺や酒パックやエアゾール缶)
健康食品を取り扱う際法律に注意
健康食品を取り扱う上では複数の法律に注意しなくてはなりません。
でもどんな法律がどのように関係しているのかわからないと言う方は多いのではないでしょうか?そこでここでは関係する法令や注意するポイントを解説していきます。
表示と広告についての規制や注意点
健康食品の表示は食品表示法の表示事項に則った表示をする必要があります。ですが、定められた以外の表示や広告は医療品医療機器等法や景品表示法等で表現できないことが定められてます。食品表示法では食品表示について
- 衛生事項
- 品質事項
- 保険事項
に大きく定められてます。各都道府県のホームページに詳しく掲載されているのでそちらを確認するのがよいでしょう。
食品の規格基準について
食品衛生法により食品の一般的な成分規格が定められています。また清涼飲料水など食品の種類によって更に詳しく成分規格や製造基準が定められています。詳細は厚生労働省ホームページをご覧ください。
関係する法令について
健康食品を取り扱う時、複数の法令に注意しましょう。健康食品の製造に関する主な法律は
- 食品衛生法
- 食品表示法
- 健康増進法 (栄養成分表示、誇大広告の禁止)
- 医療品医療機器等法
- 景品表示法
- 特定商取引法
です。製品によってはこれら以外の法律又は条例の適用されるので取扱い事業の前に各自で調べることが良いでしょう。
まとめ
普段スーパーなどで見かける食品用パッケージは食品を消費者に届ける過程においてとても重要な役割を担っており、消費者の安全を守るためにも欠かせないものです。
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