最終更新:2024/08/08
D2CのパッケージはSNS映えが大切?
昨今、D2Cと呼ばれるビジネスモデルが注目を浴びています。D2Cとは、「Direct to Customer」を意味し、メーカーが小売店などを介さず、直接消費者と取引を行うモデルのことを言います。SNSが普及したことで、メーカーと消費者がコミュニケーションをとりやすくなった時代背景に後押しされ、近年盛り上がりを見せるようになりました。
D2Cは、メーカーが消費者からのフィードバックをダイレクトに得ることでその声をビジネスに反映させやすく、中間マージンも発生しないことから、メーカー、消費者ともにメリットのある販売方法です。一方、メーカーにとっては、小売店や販売サイトなどの力を借りずに消費者へアプローチしなければならないという難しさもあります。
この難題を乗り越えるために避けて通れないのが「SNS映え」であり、SNS映えのためにますます重要性が増しているのが、商品のパッケージデザインであると言われています。
この記事では、D2Cにおける商品パッケージの新しい役割や、SNS映えのためのパッケージデザインの工夫についてご紹介します。D2Cで商品を販売している方や、これから販売を予定している方は、ぜひ参考にしてください。
D2Cにおけるパッケージの役割
D2Cビジネスでは、メーカーが運営するECサイトを通じて商品を受注し、消費者に直接発送するのが基本的な流れです。店舗で商品を手に取って購入するわけでも、Amazonなどの画一的な包装で配送されるわけでもありません。そのため、商品が届いたときに一番に目にするパッケージの持つインパクトは、これまでのビジネスモデルを超えるものがあります。
ここでは、D2Cにおいて押さえておくべきパッケージの役割について紹介します。ここで取り上げるパッケージの主な役割は以下の4つです。
- 商品・ブランドのコンセプトを表現する
- 配送中の商品を保護する
- 受け取り時の体験を与える
- SNS映えするパッケージで消費者の行動を促す
商品・ブランドのコンセプトを表現する
一般的にパッケージデザインは、商品やブランドのコンセプトを消費者に伝えるメッセージ機能を持ちます。D2Cでは、商品の直接の包装だけでなく、配送用の箱にも商品やブランドのコンセプトを表現できるのが強みです。
表現の例として、パッケージの形状やイラストなどの基本的デザインはもちろん、開封後にほかの用途で楽しめる遊び心や、環境にやさしい素材の使用、過剰包装を極力避ける工夫などが挙げられます。D2Cでは、消費者にどれだけポジティブな印象を残すことができるかが重要です。パッケージは消費者が必ず目にするものなので、余すことなく活用するべきでしょう。
配送中の商品を保護する
パッケージが大前提として果たさなくてはいけない役割に、商品の保護があります。届いたパッケージそのものが傷んでいたり、中の商品に多少でも損傷があったりすると、意識の低いメーカーとして消費者にインプットされてしまうおそれがあります。パッケージの強度や包装方法は十分質の高いものにする必要があります。
また、D2Cにおいては商品の返品対応はつきものです。配送時のパッケージを返品時の配送にも使えるようにするなど、機能性や消費者にとっての利便性も検討すべきでしょう。
受け取り時の体験を与える
配送用パッケージに工夫が加えられるD2Cでは、玄関で荷物を受け取る瞬間を消費者への付加価値にすることができます。プレゼントを受け取ったときのような喜びや驚きの体験を与えられるパッケージデザインは、ブランドや商品に対して消費者によい印象を持たせる方法の1つです。
花の配送を例に挙げると、保護機能を備えながらも花を花束状に包装することで、花束を受け取るような感覚で荷物を受け取ることができるように工夫されているケースなどが見られます。
SNS映えするパッケージで消費者の行動を促す
D2Cにおいて何より重要かつ新しいパッケージの役割は、「SNS映えすること」です。D2Cでは、消費者がSNSを通じて商品情報をシェアし、横に広げることで成功している事例が多く見られます。消費者へのアプローチを他社に頼らないD2Cで商品やブランドの認知度を高めるには、消費者自身の力を借りられるかどうかが鍵であると言えます。
パッケージが「SNS映えする」と消費者に認識してもらい、ほかの人にシェアしたくなるようにするのがポイントです。メーカーが動かなくても、SNSを通じて商品に興味を持つ人が増えていきます。
思わずシェアしたくなるパッケージデザインとは
さて、D2CにおいてSNS映えが重要であることを踏まえた上で、具体的にどのようにパッケージをデザインすれば消費者にシェアしてもらえるのでしょうか。ここからは過去の成功事例から読み取れる、SNS映えするパッケージの特徴について紹介します。 ここで紹介するSNS映えするパッケージデザインのポイントは以下の4点です。
- 開封動画をシェアしたくなる
- 創作・アレンジができる
- ハッシュタグ(#)がついている
- アプリと連動させる
開封動画をシェアしたくなる
動画サイトで「開封動画」がシェアされることによって商品の人気が出るというケースがあります。開封動画とは、商品を受け取り、箱を開封し、商品を取り出して使用してみるという一連の流れを撮影した動画のことを言います。
開封動画は欧米を中心に流行し始め、現在人気のコンテンツの1つとなっています。開封動画でシェアされれば、商品に興味を持つ人を増やすことができるととともに、商品の使用感などが視聴者に共有されるため、口コミ情報を元に買おうと思う人が増える効果が期待できます。
開封動画でシェアしてもらうには、シェアしたくなるパッケージデザインが必要になります。動画は商品が届いた状態から始まるので、開封前や開封直後のインパクトは大切です。また、動画のネタになるキャッチコピーやグラフィックも効果的でしょう。
創作・アレンジができる
美しいパッケージやフォトジェニックなパッケージはそれだけでSNS映えの効果がありますが、そこにあえて消費者が何らかの創作やアレンジを加える余地を残すことで、シェアしたくなる体験を生み出せることがあります。
例えば、パッケージの一部が撮影用の小道具に変わるように作られていて、それを使ってオリジナルの写真が撮れるようになっていたり、パッケージを切り貼りして色を塗ると工作ができたりするものがあります。消費者自身に自分らしさを加えてもらうようにすると、シェアしたくなる気持ちをさらに高めることができるでしょう。
ハッシュタグ(#)がついている
パッケージに書かれた文字にハッシュタグを付けておくのも1つのアイデアです。ハッシュタグをつけることで、SNSユーザーに「シェアするべきもの」と認識される効果が期待できます。ハッシュタグによって拡散されやすくなり、特に若者の間でスピーディに広がったことで、実際に成功した事例が見られます。
アプリと連動させる
パッケージにQRコードなどを表示し、アプリと連動させることで、消費者にさまざまな行動を促すことが可能です。行動した消費者がその体験をSNSでシェアするという効果を狙うことができます。過去には、パッケージに書かれた案内からアプリを登録すると、ゲームができるようになるお菓子が話題になりました。商品のターゲット層に響くアプリのアイデアを考え出すことができれば、パッケージがよい伝達ツールになるでしょう。
D2Cで人々の心に届くパッケージデザインを
この記事では、D2Cのビジネスモデルにおいて商品パッケージが果たすべき役割、「パッケージのSNS映え」のメリット、SNS映えするパッケージデザインの工夫などについてお伝えしました。D2Cは、小売店や販売サイトのやり方に縛られることなく、メーカーが自由な発想で消費者にアプローチできるのが魅力の1つです。
D2Cビジネスを行う皆さんは、商品が消費者の手元だけでなく心にも届くよう、パッケージの力をぜひ最大限に活用してみてください。
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