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最終更新:2024/08/07

ラベルの素材 上質紙とは?

ラベルの素材 上質紙とは?

紙の種類で上質紙は最もポピュラーで身近な紙ですが、あらためて考えてみると、どんな特性があるのか、どのように使うのが良いのかわからない人もいるでしょう。

今回はこの上質紙の特性について解説します。上質紙でラベルを作ると、他の紙で作ったときとは違うメリットがあるようです。身近な存在である上質紙の良さをここで見直してみましょう。

上質紙とはどんな紙?

上質紙には2つの特徴があります。

原材料が化学パルプ100%であること

パルプは紙の原材料になる、植物から取れた繊維のことですが、植物から繊維を取るときに化学的な反応を利用しているものが化学パルプと呼ばれます。化学パルプは漂白がしやすく、強度も高いのですが、植物から取れるパルプの割合は40~50%と言われています。 化学パルプに対して、機械パルプと呼ばれるものもあります。これは機械で木をすり潰すようにして、繊維を取り出します。漂白には向きませんし、製品になってからも日光で変色する可能性があります。しかし、植物から取れるパルプの割合は95%と、化学パルプに比べて高いことがわかります。

表面に何の加工もしていないこと

上質紙は表面にコーティングなどを施していないため、光を反射しにくく、ツヤや光沢は少なめです。これは印字しやすいという特徴につながり、上質紙が印刷用として広く使われる理由になっています。 表面にコーティングをしていない上質紙に対して、コーティングをしてある紙を塗工紙と呼びます。両者を比べると上質紙はパルプ含有率が高いということになり、それが上質紙の様々な特性を生み出しています。

紙のコシ、耐久性、不透明度(光が紙を透過する割合・高いほど光が透けない)など、すべて塗工紙の1つ、コート紙と比べると上質紙の方が優れています。

上質紙の原材料

上質紙の原材料となる化学パルプにはいくつかの種類があります。

  1. 木材パルプ
  2. 非木材パルプ
  3. 古紙パルプ

本来、上質紙に使われるのは1.の木材パルプで、木の幹の樹皮を取り除いてチップにしたものを加工して作られます。加工の方法により、化学パルプと機械パルプに分類されます。 最近では森林保護の観点から、2.や3.も選ばれるようになりました。2.の非木材パルプとしては、アフリカ原産の一年草・ケナフや、竹、サトウキビなどが知られています。 3.の古紙パルプが使われた上質紙は「再生上質紙」という名称で区別されます。

上質紙のメリットとデメリット

上質紙にはたくさんのメリットがあります。だからこそ、これほど私たちの身の回りに上質紙が使われることになりました。

価格が安い

需要が大きい上質紙は、たくさん生産されていて安いということもあるでしょう。その上、紙は薄いほど安くなります。上質紙は厚さのバラエティーも豊富なため、薄いものを選べば、それだけ価格が安く抑えられます。印刷部数が多い場合にも安心して使うことができます。

厚さが選べる

上質紙は厚さの種類が選べますが、よく使われるものだけでも5種類はあります。厚さは上質紙1000枚当りの重さで表します。kg数が大きいほど、紙は厚くなります。

  • ハガキに適した厚さ 135kg
  • パンフレット 110kg
  • チラシ 90kg
  • 冊子の本文 70kg
  • ページ数の多い冊子 55kg

何を印刷するかによって、適した紙の厚さは違いますが、上質紙を使えば、これだけの種類の印刷物をカバーすることができます。バラエティーに富んだ厚さが上質紙の守備範囲を広げてくれています。

印字しやすい

先程も書いた通り、表面にコーティングを施していない上質紙はインクののりが良いという特性があります。このため、印字しやすいだけでなく、字も書きやすいです。しかし、上質紙はインクののりが良い反面、インクが染み込みやすく、にじみやすい特徴も併せ持っています。

カラー印刷には不向き

インクが染み込みやすく、にじみやすい特徴から、上質紙は画像などが多いカラー印刷には不向きです。他の種類の紙に比べると、色が沈みきれいに出ないと感じる人も多いようです。また、インクが乾きにくいため、1色で塗りつぶしてある図案などは、うまくいかないようです。上質紙が印刷向きと言われるのは、あくまでも文字が中心の印刷物です。

耐久性がある

上質紙は丈夫で破れにくく、コシもあるため、頻繁にめくる、書き込むなど、印刷後の作業にも十分に耐えられます。この点からも、上質紙はノートやメモ帳に最適ですし、ラベルにしても使い勝手が良いのです。

上質紙の用途

上質紙は印刷用として広く使われる他に、コピー用紙、ノート、メモ帳などにも使われています。表面にコーティングをしていないことで、インクがのりやすい上質紙は、筆記用具を使いやすい(字が書きやすい)紙でもあるのです。 印字しやすい上に上質紙の白色は字が読みやすいと言われています。このため、文字が中心の冊子や書籍にも上質紙が使われています。上質紙は私たちの生活に欠かせない存在になっています。

色つきの上質紙で印象的に

なお、上質紙には色がついたものも存在しており、「色上質紙」と呼んで、通常の白いものと区別しています。紙としての特性は上質紙と同じですが、もともと色がついているため、印刷したときの色の出方が予想とは違う場合があります。その点さえ気をつければ、見る人の目を引きつける印刷物を簡単に作ることができるでしょう。 この他、上質紙はラベルに使われることも多いです。上から書き込みや捺印ができるため、荷札シールや品質管理用のシールとして利用されています。

上質紙のラベルの使い心地

表面にコーティングをしていないため、ラベルとして使うときに、上質紙の耐水性に不安を感じる人もいるでしょう。しかし、価格の安い上質紙なら、多くのラベルを用意することが可能ですし、書き込みや捺印ができるという特徴は宅配便や倉庫での使用に最適です。 また、ノートやメモ帳として使われる程の耐久性がありますから、ラベルとしての役割を十分に果たすことができるでしょう。ただし、カラー印刷には不向きなため、単色でシンプルなデザインのラベルを作るのをお勧めします。

上質紙でラベルを作る際に、業者によってはラベルシールの糊を各種用意しています。糊にも貼ったり剥がしたりできる再剥離タイプ、冷凍環境でも使えるタイプ、粗面に貼れるタイプなどがありますから、上質紙のラベルでもいろいろな場面で使うことができます。

再生上質紙について

再生上質紙は、木材パルプに古紙パルプを混ぜて作ります。古紙パルプの割合が高いほど、色がグレーがかって見えます。 特徴はほぼ上質紙と同じで、文字中心の書類などで使う分には問題はありません。環境省でも使用を推奨していますが、最近は古紙が不足しており、再生紙を作るのが困難になっています。 ついには、環境省で再生紙ではなく、その代替品を使うことを認めざるを得なくなりました。価格も上質紙よりも高めなため、それでも使うかどうかは考えどころかもしれません。

まとめ

昔から私たちの身近にある上質紙について解説しました。あらためて上質紙のメリットを見直していただけたことでしょう。 カラー印刷には向かないなど多少のデメリットはあるものの、価格が安く印字もしやすい上質紙を使わないのはもったいない話です。ラベルを作るにしても、それをどんな場所でどんなときに使うのかを考えて、適した用紙を選択しましょう。 それがきっと経費削減につながります。これからは用途に合わせて用紙を選ぶ、確かな知識が一人ひとりに必要になってくるでしょう。

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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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