最終更新:2024/08/07
ラベルの素材 クラフト紙とは?
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印刷物を作るとき、紙は白い方が使いやすいと思っている人が多いのではないでしょうか。確かに白い方が印刷に使うインクの色が引き立ちますし、文字も読みやすいような気がします。
その反面、真っ白な紙では温かみが足りないと思うこともあるでしょう。そんなときにはクラフト紙が最適です。 多くのクラフト紙には、紙の原材料・木材パルプの色がそのまま生かされています。紙自体が自然を感じさせるため、素朴で温かみのある印刷物が作れます。今回はクラフト紙の特徴やメリット、デメリットについて解説します。
クラフト紙とは
クラフト紙は原材料の木材の色が生かされた自然な茶色をしています。クラフト紙が茶色の理由は、強度を保つために漂白を行っていないからです。まったく漂白をしていないことから、未晒クラフト紙と呼ぶこともあります。
クラフト紙は日本でも昔から使われてきました。明治中期にはデパートの包装紙として使われていたそうですし、大正の終わり頃には、セメント袋として使われだしました。クラフト紙は日本人にもっとも馴染み深い洋紙の1つなのです。
クラフトはパルプの製造方法
クラフト紙の原料は他の紙と同じく化学パルプ(木材に化学的処理をして作るパルプのこと)です。基本的に、この化学パルプをクラフト法(アルカリ性薬剤を使ってパルプを作る方法)で作り、漂白を行っていない用紙をクラフト紙と言います。
クラフト紙の特徴
クラフト法で作られたパルプは繊維が長く、しっかりと絡み合うため、紙の強度が高まります。手触りも上質紙に比べて、ザラッとしていますが、印刷に不都合はありません。強度を保つために、クラフトパルプの原材料としては、針葉樹が使われます。
クラフト紙の仲間
クラフト紙には用途を広げるために、加工を施したものがあります。どれも実用性が高く、私たちの生活に根付いたものですが、クラフト紙には自然や素朴さを感じさせるとともに、実用の美があります。
筋入りクラフト紙
クラフト紙の片面だけに光沢を持たせたものをハトロン紙と呼ぶ人がいますが、ハトロン紙は現在作られていません。ハトロン紙とは銃弾の弾丸を打ち出すために使う火薬を入れる容器(薬莢・やっきょう)を包むために使われていた紙のことで、第二次世界大戦前まで製造されていたということです。
現在、ハトロン紙の代用として使われているのが、筋入りクラフト紙です。洋裁の型紙を始め、薄手の封筒、包装紙、緩衝材などに使われています。
筋入りクラフト紙は一般のクラフト紙よりも薄いのが特徴です。
- クラフト紙の最も薄いものが50g/㎡
- 筋入りクラフト紙は32g/㎡
g/㎡は米坪と言い、1㎡あたりの紙の重さを表しています。この場合、クラフト紙に比べて、筋入クラフト紙が薄いことがわかります。また、片面だけに光沢があり、紙の表面に筋が入っているのも筋入クラフト紙の特徴です。
晒クラフト紙
クラフトパルプを漂白して作られたのが、晒クラフト紙です。漂白してあるため、クラフト紙より多少強度は落ちますが、パルプの繊維の長さは変わらないため、上質紙に比べると丈夫で破れにくい特徴がありますし、手触りなどはクラフト紙と同じです。
晒クラフト紙は白くて印刷もきれいにできるため、様々な業種で紙袋として使われています。片面に光沢を持たせた片艶晒クラフト紙いうものもあります。晒クラフト紙よりも、さらに値段が安く使いやすい紙ですが、光沢がある分、クラフト紙の持ち味は少なくなっています。
半晒クラフト紙
クラフト紙と晒クラフト紙のちょうど中間の存在が半晒クラフト紙です。名前の通り、原材料のパルプを少しだけ漂白してあるため、クラフト紙に比べて色が明るい茶色になります。クラフト紙に比べて、色が明るいため、印象が優しく、柔らかくなり、印刷した文字や図案が見やすいのが特徴です。
漂白してあるとはいえ、強度はクラフト紙とほとんど変わらないため、安心して使うことができます。印刷物のデザインによって、クラフト紙と晒クラフト紙、半晒クラフト紙を使い分けると良いでしょう。
ラミネートクラフト紙
クラフト紙の片面にポリエチレンをラミネートしたものです。ポリエチレンによって、耐水性が生まれますから、包装紙として使うときの可能性が広がります。また、包装紙としてだけではなく、工業材料を梱包するときにも使えます。
糸入りクラフト紙
クラフト紙を2枚重ねたもので、間に糸を入れ込んで強度を高めてあります。引っ越し用の布団袋に使われるほど、強度は十分ですが、クラフト紙の表面に糸目が見えるのが、高いデザイン性を感じさせます。
クラフト紙の用途
クラフト紙は丈夫で破れにくいという特徴があるため、セメント運搬用など、産業用に重包装(重いものを入れるために袋を2重、3重にして強度を高めて使うこと)として使われます。その他、封筒やクラフト粘着テープ、包装紙、手提げ袋、梱包するときの緩衝材など、用途は多岐にわたります。
そのため、厚みも用途に応じて以下のように6種類(場合によってはもっと多いこともあります)から選ぶことができます。
50g/㎡、60g/㎡、70g/㎡、80g/㎡、100g/㎡、120g/㎡
クラフト紙に耐水性はありませんが、その分価格も安く、気軽に使える素材です。
クラフト紙を使うことで差別化できる
最近は、クラフト紙を実用面だけの理由ではなく、おしゃれな素材だから用いることが増えています。メッセージカードやポストカード、名刺などもクラフト紙を使うことで、通常の白い紙を使ったものとの差別化を図ることができます。 このため、クラフト紙はチラシやラベルにも適しています。紙の色自体に素朴な温かみを感じるため、オーガニックな食品や石鹸、化粧品に使えば、一目で商品の特徴を見る人に知らせてくれる効果があります。また、紙としては価格も安く、印刷もしやすいため、製品管理ラベルなどとして使うことにも適しています。
ただし、クラフト紙でラベルを作る前にいくつかの注意点があります。
ラベル素材としてのクラフト紙
クラフト紙はインクを吸いやすいため、単色での印刷がしっかりできるというメリットがある反面、写真やグラデーションなどを印刷するのには不向きです。クラフト紙でラベルを作るなら、華やかで凝ったデザインよりも、素朴でわかりやすいデザインを選ぶ必要があります。
また、もともと紙に色がついているため、白い紙に印刷するのと比べて色の出方が違います。そのため、自分のイメージ通りに仕上がらない怖れもあります。
仕上がりをイメージに近づけるために
仕上がりが違う、ということがないように、事前に業者とよく打ち合わせをする必要があります。業者によってはサンプル品を送付してくれることがありますから、仕上がりのイメージを掴むためにも、そのようなサービスを利用すると良いでしょう。
また、クラフト紙の代わりに半晒クラフト紙を使えれば、仕上がりのイメージは変わります。印刷がイメージ通りに仕上がらないときは、クラフト紙自体を選べるかも相談してみましょう。
自分でラベルを作ってみても
現在は自分でラベルを作れるように、裏面がシールになったクラフト紙が販売されています。プロにお願いする前に、試しに自分でラベルを作ってみても良いでしょう。実際に注文する前に、具体的なイメージが掴めるはずです。
もし、職場でダンボールなどを扱うことが多い場合は、シールとして使えるクラフト紙は修正用などに便利に使うこともできますから、用意しておくと心強いでしょう。
最後になりましたが、クラフト紙はとても耐久性が高いけれど、耐水性はありません。ラベルとしての用途を考えるときは、これを忘れないようにしましょう。
まとめ
今回はクラフト紙について解説しました。素朴で自然な色と風合いを生かしたいとき、クラフト紙はとても使える素材だということがわかりました。
実用面でも丈夫で破れにくく、価格も手頃ですから、これから先、長く付き合い、使いこなしていきたいですね。また、クラフト紙にも様々な種類があるため、用途が広いこともわかりました。
とは言え、クラフト紙の特徴ゆえに、使いこなすにはいくつか気をつけたい点があります。ぜひ、今回の記事を参考にしてください。
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