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最終更新:2024/08/08

結露面に貼れる耐水性のラベルを作るには?

結露面に貼れる耐水性のラベルを作るには?

当然の話ですが、結露で濡れている箇所に紙のラベルを貼ることはできません。濡れて汚くなり、場合によっては剥がれてしまいます。しかし、濡れていているからラベルが必要ではないかと言うとそうではありません。

濡れることが多い容器に入っているものでも、中身が何なのかがわかるようになっていて欲しいと誰でも思うでしょう。シャンプーやボディソープなどは、使用方法や使用期限などがわからなくなるのも困ります。何とか水に濡れても大丈夫なラベル、結露面にも貼れるラベルはできないのでしょうか。

今回は結露面にも貼れるラベルについて解説します。どんな材質のラベルなら水に強いのかはもちろん、糊についても紹介していきます。

水に強いラベル素材とは

水に強いラベルを作りたいとき、紙のラベルに水がかかっても大丈夫なように、加工をすれば良いのではないかと考える人もいるかもしれません。

確かにPP貼り加工なら、紙をポリプロピレンという樹脂で覆うわけですから、ある程度の水を防ぐことができます。しかし、中身は紙のままですから、側面から水が入り、ラベルが劣化する可能性はなくなりません。それに普通のラベルの糊は水分があると剥がれてしまう恐れがあります。

水に強いラベルを作りたいなら、ラベルの材質だけでなく、糊の成分も見直す必要があります。まずは、水に強いラベル素材をいくつか紹介します。

PET

ペットボトルの材質としておなじみのPETですが、これはポリエチレンテレフタレートという名前の略称です。合成繊維としてよく知られているポリエステルの1種でもあります。ラベルとして印刷がしやすい白PETと透明な容器に使いやすい透明PETがあります。 どちらも耐水性に優れていて屋内の水回りで使うラベルに適しています。PETは耐熱性にも優れているため、使用する場所を選ばないのもメリットの1つです。材質は少し硬めで、平面に貼るのに適しています(逆に曲面に合わせてカーブさせても、ラベルが浮いてしまうことがあります)。

金PET・銀PET(ネーマー)

PETにはアルミを蒸着させた金PET、銀PETというシール素材もあります。見た目はホイル紙のようで、ツヤありとツヤなしを選ぶことができます。 素材がPETのため、耐水性があるため、水に濡れる可能性がある場所に貼れて、なおかつ特別感・高級感が欲しいときには最適な素材です。銀PETは工業用ラベルとしても使用されていますから、耐久性は十分です。安心して使うことができるでしょう。

塩ビ(PVC)

プラスチックの1種で耐水性があり、PET素材に比べると柔軟性もあります。どのような面にもしっかりと付くため、屋外で使用されることが多いです。擦れに弱いという特徴があるため、ラミネート加工を勧められる場合が多いです。 ただし、耐熱性が低いために屋外で使用するときも、エンジンの側など熱が発生する場所で使うのは避けた方がよいでしょう。

環境問題は大丈夫?

一時期、塩ビが環境問題の源であるかのように騒がれたことがありましたが、現在はその懸念は払拭されています。塩ビはプラスチックの中でも、製造時にCO2の発生が低く抑えられている環境に優しい材質であることがわかっています。 ラベルの素材としても、安心して使うことができますし、PETに比べるとコストも抑えられることが多いようです。

ユポ

見た目は紙にそっくりのユポはポリプロピレンから作られた合成紙です。選挙のポスターなどに使われることが多く、実は誰でも1度は目にしたことがある素材です。

材料がポリプロピレンというプラスチックの1種なので、耐水性が高いだけでなく、薬品に強いという特徴があります。見た目が紙によく似ているように、印刷もしやすく、紙同様の美しいラベルを作ることができます。

焼却しても有害物質が出ることはないため、環境に優しく、ラベルとしても安心して使うことができる素材です。

紙に比べたコストは?

以上、3つの材質は通常の紙に比べるとコストが高くなります。しかし、通常の紙に耐水加工を施してもコストは上昇しますし、その分の時間もかかります。その上、その耐水加工も絶対とは言えません。結露面に貼れるラベルを作りたいなら、3つの素材の中から選ぶことをお勧めします。

特にユポは高い耐久性を持ちながら、価格はPETや塩ビに比べるとリーズナブルです。紙と同じようにデザインを考えられることも考えると、ユポはラベル作りの強い味方になるでしょう。

糊の種類について

ラベルには裏に粘着剤・糊が必要です。現在ラベルの粘着剤として使われている糊は、大きく分けて2種類あります。

  • エマルジョン糊
  • 溶剤糊

エマルジョン糊は普通糊、一般粘着などと表示されていることがあり、溶剤糊は溶剤強粘、溶剤普通などと表示されています。この2つには大きな差があります。エマルジョン糊に比べて溶剤糊は粘着性が高く、長持ちします。

エマルジョン糊が水に溶ける性質を持っているのに対して、溶剤糊は水に強いため、PETや塩ビのラベルの糊として使われることが多いです(紙のような見た目と性質を持っているユポには、どちらの糊も使われることがあります)。

ただ、溶剤糊はコストが高くなりますから、短期間だけ使いたいものには必要ありません。ラベルを作るときは糊についても、どんな場所で使うのか、そして粘着性を長持ちさせる必要があるのか、などを考えた上で選ぶと良いでしょう。

番外・ホットメルト糊

現在使われている糊の主流は、エマルジョン糊と溶剤糊ですが、忘れてはいけないのがホットメルト糊です。これは紀元前から使われていたとされる歴史ある糊で、有機溶剤を使用していないため、環境にやさしく食品に直接貼っても安全だと言われています。

この糊は常温では個体ですが、加熱すると溶けて液体になります。この性質から熱いと溶ける・Hot Meltという名前になりました。エマルジョン糊にも溶剤糊にも属さないホットメルト糊は、多成分系接着剤に分類されるそうです。

結露面に貼れるラベルの用途

単に水に強いラベルと言うなら、家庭内の水回りで使うもの・シャンプーやボディソープ、洗剤などが用途として考えられます。冷蔵庫から出し入れすることが多い、酒類や調味料類もラベルは水に強い方が使う人にとっては親切です。こうした品物はラベルを貼る作業中に、品物が結露する心配はありません。

しかし、どうしても作業中に品物の表面が結露する場合があります。それが冷凍食品や冷蔵食品のパッケージでにラベルを貼るときです。今までは、水分でラベルにずれが出ることがあったため、一々パッケージの水分を拭き取る必要がありました。

結露面に貼れるラベルはその心配がないため、作業効率が大幅に良くなります。食品に安全なホットメルト糊を使用している場合は、果物や魚など、食材そのものにもラベルを貼ることができるため、用途の幅はさらに広がります。

まとめ

今回は結露面に貼れるラベルを作るためには、どんな材質が良いのかを解説しました。ラベルの材質だけでなく、糊の性質も大きなポイントになることがわかりました。

商品に貼るラベルは、手に取る人に魅力をアピールするだけでなく、中身や使用期限、使用方法などを知らせる役割があります。結露面にも使えて、剥がれないラベルと言うのは、その商品を購入する人への優しさと思いやりの表れではないでしょうか。

最後までラベルがラベルの役割を果たしてくれるなら、きっとその商品を購入して良かった、と思ってもらえるに違いありません。結露面にも貼れるラベルの製作を検討してみてはいかがでしょうか。

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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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