最終更新:2024/08/07
ラベルの素材 アート紙とは?
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ラベルやシールを作る必要があるとき、あれこれ考えずにこれを選んでおけば間違いない、という用紙があれば便利だと思っている人は少なくないはずです。
私たちが目にすることが多い上質紙は使い勝手の良い紙ですが、カラー印刷に向かないため、デザイン性の高い印刷物を作りたい時は、少し物足りない存在かもしれません。そんなときにお勧めなのがアート紙です。 今回はアート紙の特性やメリット、デメリットなどについて解説します。
アート紙とは
印刷用紙には2つの種類があります。紙の表面をコーティングしている塗工紙と、していない非塗工紙です。アート紙は表面にコーティングが施されているため、塗工紙の1つということになります。非塗工紙でよく知られているのが上質紙です。
アート紙の原材料
アート紙は化学パルプ(植物の繊維を化学分解の力で取り出して作ったパルプ)100%の紙に着色剤と接着剤を混ぜたものをコーティングしたものです。着色剤として使われているのは、カオリン、サチンホワイトなどの鉱物性白色顔料、接着剤はカゼイン、合成ラテックス、ポリビニルアルコールなどです。 また、コーティングされていても、アート紙に耐水性はないため、用途はよく考える必要があります。耐久性が心配な場合は、印刷後にラミネート加工をするのも1つの方法です。
アート紙の厚さ
アート紙の厚さは主に2種類あります。紙は1000枚分の重量により、厚さを表しますが、アート紙は135kgと160kgです。135kgは週刊誌の表紙くらいの厚さ、160kgなら厚手の模造紙ほどの厚さになります。これ以上の厚さのものはアート紙ではなく、アートポスト紙という名称になります。 上質紙には55kgや70kgという薄さのものがあることを考えると、アート紙は厚みがあることがわかります。また、他の紙と比べると、同じ厚さの紙でも、触ったときに厚いと感じやすいです。これは表面のコーティングが厚いためですから、アート紙の特性と言っても良いかもしれません。
アート紙の種類と似ている紙
アート紙の厚いものがアートポスト紙、それをツヤ消ししてあるのがマットポスト紙です。そして、種類は違ってもよく似ているのが同じ塗工紙のコート紙です。
アートポスト紙
アートポスト紙は、はがきやカタログの表紙に使っても決して薄すぎず、高級感があります。アート紙と同じく光沢とツヤがあるため、写真を使うカラー印刷に最適です。そんなにツヤは要らないから、もっと落ち着いた感じにしたいときは、マットポスト紙を使う方法もあります。
マットポスト紙
マットポスト紙はアートポスト紙をツヤ消し加工したものだと考えれば良いでしょう。ツヤが抑えられているため、印刷したときの色合いは幾分落ち着いて感じられます。アートポスト紙とマットポスト紙はどちらが良いかということではなく、印刷物の雰囲気に合わせて選んでください。 例えば南国の青い海を明るく表現したいならアートポスト紙、京都の紅葉を落ち着いた感じで表現したいならマットポストが似合うでしょう。
コート紙との違い
アート紙と同じく、表面をコーティングしている塗工紙の中には、コート紙と呼ばれるものもあります。この2つの紙はとてもよく似ていますが、施さされているコーティングの量が違います。同じ面積なら、アート紙のコーティングはコート紙の2倍ほどになりますから、それが印刷後の彩度にも影響します。 滑らかさ、光沢もアート紙の方が優れています。印刷していない状態ではアート紙とコート紙を見分けるのは難しいですが、印刷をすると両者の違いは一目瞭然、アート紙の方が発色がきれいです。 画像の美しさを最大限に引き出したいとき、そして印刷物に高級感を持たせたいときはアート紙が最適ですが、値段もその分高くなります。
アート紙のメリットとデメリット
アート紙のメリットとデメリットは表裏一体となっています。アート紙は気軽に使うのではなく、ここ一番と言うときに使う紙のようです。
乾燥に時間がかかる
カラー印刷に適しているのは、アート紙の一番のメリットです。しかし、広い塗りつぶしがあるような場合はインクが擦れて他の用紙についてしまうことがあるため、乾燥に時間がかかります。印刷後の乾燥に時間をかけるか、表面にニス加工などをする必要があります。
価格が高い
美しい仕上がりが期待できるアート紙ですが、その分価格が高いです。印刷部数や本当にアート紙を使う必要があるのか(もっと価格が安くて、カラー印刷にも適しているコート紙で代用できる場合もあるでしょう)なども考えてから、注文する必要があります。
光沢があるのはデメリットにもなる
紙に光沢があり、高級感があるのもアート紙のメリットとして忘れてはいけません。しかし、光沢があるため、長時間見ていると目の疲れを感じる人もいます。もし長文を読んでもらう必要があるなら、ツヤ消しをしてあるマット紙の方が良いかもしれません。 マット紙は文字が読みやすい上に、手触りもサラッとしています。ツヤ消しをしていても、決して画像の再現性が悪いことはないため、画像と文字、両方の存在を引き立ててくれます。
アート紙の用途
アート紙がよく使われるのは、美術書や写真集、ポスターやカレンダーなど画像の仕上がりが決め手になる印刷物です。同じくカラー印刷が得意なコート紙ですが、こちらはチラシや飲食店のメニューなどに使われます。この使い方から、2つの紙の得意分野がわかります。
アート紙は高級感のある仕上がりに
画像が主役である印刷物の中でも、アート紙は高級な印刷物に適しています。アート紙は画像の再現性に優れていて、見る人を満足させてくれるのです。価格が高くても良いから、印刷物をランクアップさせたいときはアート紙の出番です。
発色の良さはシールやラベルにも最適
カラー印刷をしたときに発色が良いアート紙はシールやラベルにも最適です。鮮やかな色彩が期待できるため、食品や化粧品のラベルにも良いし、イベントやキャンペーンで無料配布されるノベルティシールにも適しています。
アート紙がラベルに適している理由
発色が良く、美しい仕上がりが期待できること以外にも、アート紙がラベルに適している理由があります。それがコーティングされているために表面が平だということです。これを平滑性が高いと表現しますが、このため、アート紙はレーザープリンターと相性が良いのです。 同じ量のトナーなら、インクジェットプリンターよりもレーザープリンターの方が印刷枚数が多く、よりコストを抑えることができます。印刷後に表面を加工すれば、耐久性を高めることも可能です。また、糊の種類を選べば、一層使える場面が広がります。 どんな紙でラベルを作ろうかと迷ったら、アート紙を選べば間違いないです。実際に多くの業者はそのように勧めてきます。
まとめ
たくさんの特性を見て、アート紙がとても守備範囲の広い紙だということがわかりました。高級な美術書や写真集から、ラベルやシールまで適しているのですから、アート紙はとても使い勝手が良い、便利な存在です。
価格が高いことがデメリットと言えますが、印刷方法によってコストを下げることが可能ですし、高級感が漂う印刷物には、それなりの紙を使う必要があるでしょう。
食品や化粧品のラベルは、嫌でも使う人の目に留まり、気にります。ときにはラベルが商品の購入を判断する材料になります。ぜひ、コストに囚われずに、高級感のあるアート紙を使ってワンランク上のものを作ってください。
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