最終更新:2024/08/08
ラベル・シールに白色印刷をするには?

通常のカラー印刷は4色のインクを使って、あらゆる色を作りますが、白はできません。そして通常、白を印刷したい場合は、その部分に何もインクをつけないことで白を表現します。
この方法では紙の色が白いときは良いのですが、そうでないときが問題になります。濃い色の紙に白で文字を印刷したい、または透明なものに白を印刷したい場合もあるでしょう。今回は白を印刷する方法について解説します。
また、白い色を使う場合でなくても、白を印刷するべき場合があります。実は白印刷は印刷の図案全体を美しくするために欠かせない存在です。白印刷が実際にはどんな使われ方をしているのかも説明します。
白だけで印刷する方法
色のついた用紙に白だけを使って印刷をしたい場合(色のついた用紙に白い色で文字などを印刷したい場合)は、白インクを使います。ただし、用紙の地の色が透けてしまうことがあるため、工夫が必要です。
きれいな白を出すための工夫
1度の印刷では地の色が透ける場合は、2度印刷をするとかなり白がきれいに出ます。もっと重ねればもっときれいな白が出そうなものですが、何度もインクを重ねると、今度は乾くまでの時間がかかり納期が延びる原因になります。
通常の印刷以外の方法
また、白を印刷するために箔押しという手法を使う方法もあります。印刷したい図案(白)の型を作り、用紙(白以外)にプレスするという方法です。この方法なら、地の色が透けることはかなり避けることができますが、線が細い部分などは箔が切れたりするという欠点もあります。
シルクスクリーン印刷も白の印刷に使えます。この方法はインクが定着するものなら、紙でなくても印刷ができるため、オリジナルのTシャツやバッグを作るときに向いています。この方法でも細かな部分は潰れたりするので、図案のデザインには注意が必要です。
ラベルやシールを作るときに必要な白印刷
ラベルやシールを作るときに、たとえ図案の中に白い部分がなくても、白印刷が必要になることがあります。図案が透けることを防止するために、白印刷を使うのです。
例えば、赤いリンゴのシールを作りたい時、白い用紙を使えば赤がきれいに再現されますが、ホログラムや透明、クラフト紙を使った時、そのまま印刷したのでは用紙の色が透けて、りんごの赤がきちんと再現されません。
このため、一度白いりんごの形を用紙に印刷して、その後白の上にあらためてりんごを印刷します。こうすることでりんごの赤は背景(用紙の色)に左右されなくなるわけです。この1度図案の形を白く印刷して、上にあらためて図案を印刷することを白版と言います。 白版がないと必ず図案は背景の影響を受けますから、ラベルやシールを作るときには忘れないようにしましょう。
白印刷が必要ない場合・絶対に必要な場合
白版を作った方が、仕上がりが美しくなりますが、例外もあります。細かい文字や線の細い文字は白版を作ってもズレが出ることがあります。白版は幅0.5mm未満ではかすれたり、まれには印刷されないことがあるそうです。文字の太さ0.5mm以上が白版を作るかどうかの基準になります。
反対に絶対白版を作って欲しい場合があります。それはバーコード、QRコードを印刷する場合です。これらは白い部分の上に印刷しないと、読み取れないことがあるため、どんな色の用紙を使っても白版を作る必要があります。
白版を依頼するには
ラベルやシールを作りたい時、印刷業者にデザインデータを提出しますが、白版を使いたいときは、一緒に白版のデータを提出します。用紙の地の色を出したくない箇所には、すべて白版を使うことになります。例えば、背景の中に赤いりんごを印刷したい場合は、りんごの形の白版を作ります。
白版を作る方法
気をつけたいのは、白版は白版と明記した上で、白以外の色・黒を使って作ることです。上記のりんごなら、印刷したいりんごの形を正確にコピーして黒く塗りつぶして、白版とします。
もう1つ、図案のデザインの中に白を使いたい場合も、白版を作る必要があります。デザインデータの中に白い部分があるから良いということにはなりません。 デザインデータの中に白い部分があっても、それはインクが使われないというだけのことです。用紙の地の色がそのまま出ているだけになり、予想とは違う仕上がりになってしまいます。
細かな指定は印刷業者によっても異なるため、事前によく確認しておきましょう。
白版を作るときの注意事項
白版の明記も忘れてはいけません。たまたま黒い文字などを依頼した場合、白版の明記がないと、黒い文字を印刷したいのか、それとも白版のつもりで提出したのかが、業者には判断できず、納期が延びる原因になるかもしれません。
また、背景全体を白版にしてしまうのもお勧めできません。確かに図案はきれいに見えますが、用紙の質感はまったくわからなくなります。せっかく特殊な用紙を選んでも、まったく無駄になってしまいます。
白版だけがあって、デザインデータがない場合も仕上がりはまったく違ったものになります。美しいラベルやシールを作りたいなら、デザインデータと正しく作った白版の両方が必要になるのです。ただし、白版だけの印刷、と明記すれば白インクだけを使った印刷になります。
白印刷のコストは?
印刷に白を使う場合は、1色増やすことになるためコストが高くなります。しかし、どうしても白で印刷したい場合もありますし、図案の下に用紙の地の色が見えてしまっては、ラベルやシールなどは使いにくいこともあるでしょう。 白印刷にかかるコストは必要経費と言っても良いのかもしれませんが、上手に抑える方法はないのでしょうか。
白印刷に代わる裏技とは
少しでもコストを抑えるために、業者によっては白版を作らず、印刷に使うインクに白を混ぜて用紙の色が透けるのを抑える方法を取ってくれることがあります。
白いインクは不透明な性質があるため(だから白版が成り立つわけです)、これを印刷に使うインクに直接混ぜることで、用紙の色が透けるのが抑えられます。 しかし、この方法では希望の色との差ができるのは避けられません。業者の経験と勘に頼るところが大きい方法のため、頼む側の許容範囲が広くなくては、成立しないと言えます。
わざと地の色を見せる面白さ
今まで白版を使って用紙の色が透けるのを防ぐ方法について解説してきました。しかし、あえて地の色を生かした仕上がりを考えるのも1つの方法です。特に透明な容器にラベルやシールを貼りたいときは、地の色を生かすか、抑えるかで見た目のイメージが大きく違います。
ラベルやシールに地の色である透明感を生かすことで、光を取り入れた明るいイメージを作ることができるでしょう。何がなんでも白で抑えようとせずに、コストのことは抜きにしても、時には発想を転換することが必要なのかもしれません。
まとめ
今回は白印刷について解説しました。白が印刷物の図案の中の1色であるだけでなく、図案そのものを美しく保ってくれる働きをしていることがわかりました。
白版を上手に使えば、思い通りのデザインでラベルやシールが制作できます。最初、頼むときには少し面倒に感じるかもしれませんが、仕上がりの違いを確認すれば、そんな思いは吹き飛ぶはずです。
家庭用のプリンターでは白を印刷することは、ほぼ不可能です。ぜひ、プロの証・白を上手に使って、見る人の心をつかむ、魅力的な印刷物を作ってください。
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