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最終更新:2024/08/09

ラベル印刷の基礎知識 印刷に必要な解像度とは?

ラベル印刷の基礎知識 印刷に必要な解像度とは?

ラベル・シール印刷を外注する場合、データを作成して印刷会社に入稿します。データを作成する際に重要なのが「解像度」です。印刷の鮮明さの度合いは元の画像の解像度によって変動しますが、解像度の設定を誤ると印刷が不鮮明になる、または印刷ができなくなるという事態にもなりかねませんので注意が必要です。

この記事では、画像入稿データの解像度に関する基礎知識を詳しく解説しています。また、ラベル・シールの画像を鮮明に印刷するのに必要になる解像度や、解像度に応じた画像サイズのもとめ方についても説明していますので、参考にしていただければと思います。

解像度とは

デジカメで撮影した画像やパソコン上で表示されている画像など、デジタルで作成した画像は「pixel(ピクセル)」という小さな四角の集合体で表現されています。このピクセル一つ一つに、色や濃淡などの情報が記録され、ピクセル密度が高まるほど細かい表現が可能なり、鮮明な画像ができあがります。「解像度」とは、このピクセル密度を指します。 ピクセル密度は、1インチごとにならんでいるピクセルの数によって決まります。

解像度の単位

解像度の単位には「dpi」「ppi」の二つの単位があります。dpiはドット・パー・インチの略、ppiはピクセル・パー・インチの略です。dpiは出力時の解像度、ppiはデジタル上の解像度を指します。一般的にはdpiを使用することが多いです。

前項で、「ピクセル密度は、1インチごとにならんでいるピクセルの数によって決まる」と記載しました。たとえば解像度72dpiであれば1インチごとにピクセルが72個ならんでいることになり、350dpiだと1インチごとに350個のピクセルならんでいるという状態になります。よって、dpiの値が大きいほど解像度が高い、という意味合いになります。

低い解像度の状態で画像を印刷すると不鮮明になる

通常、パソコンモニター上に表示される画像は、解像度72dpiで作成されています。パソコン上では鮮明な画像に見えていても、そのまま印刷をすると画像がぼやけてしまったり、ふちがギザギザになっている場合があります。それは、鮮明な状態で画像を印刷するのに必要とされる解像度を満たしていないからです。印刷の際にもとめられる解像度は、一般的に300〜350dpi以上が指定されています。解像度が低い状態の画像を印刷をすると、画像が引き伸ばされ、それと同時にピクセルも引き伸ばされます。そうすると、ピクセル一つひとつが大きくなってしまい、画像がモザイク状になってしまいます。解像度が低い状態の画像を印刷をすると、画像がぼやけて見えるのはそのためです。

ラベル・シールデータ作成時に必要な解像度

前述の通り、一般的に、鮮明な状態で画像を印刷するのにもとめられる解像度は300〜350dpi以上です。印刷会社により規定がありますのでデータ作成時に必ずご確認ください。

理論上、解像度が高ければ、そのぶん画像は鮮明になります。ですが印刷においては、解像度は高ければ高いほどよい、というわけではありません。人間の目が画像の鮮明さを認識できる度合いには限界があり、解像度でいうと350dpi程度まで、と言われています。つまりそれ以上解像度をあげても見た目にはほとんど変わらないということになります。にもかかわらずあまりにも解像度を高く設定して画像を作ってしまうと、パソコン上や画像出力時にエラーが発生して、印刷ができなくなるという事態になりかねません。ラベル・シール印刷の入稿画像データを作成する際には、画像が劣化することなく鮮明な状態で印刷できるよう、適切な解像度に設定する必要があります。

350dpi前後の解像度がもとめられるのは、フルカラーで印刷する場合です。モノクロ印刷や特色一色での印刷の場合は、もとめられる解像度は600dpi〜1200dpiと、フルカラーの場合よりもかなり高くなります。これは、単色になったことで画像の輪郭がより鮮明に見え、フルカラー用の解像度だと印刷が粗くなってしまうためです。

画像サイズの算出方法 解像度(dpi)と印刷実寸サイズ(mm)から計算する

前章で、「ピクセル密度は、1インチごとにならんでいるピクセルの数によって決まる」と記載しました。パソコン上で画像を作成する場合には、ピクセルの密度が高い、つまり解像度が高いとそれだけ画像サイズも大きくなります。

画像のサイズが大きいと、大きいシールが印刷されるわけではありません。印刷時にはシールの実寸にあわせて画像を縮小するようなかたちで出力されます。よって画像作成時には、解像度と印刷物の実寸サイズから計算し、パソコン上の画像サイズを決定します。

では、データ作成時にはどのようにして、解像度ならびに画像サイズの設定をすればいいのでしょうか。

IllustratorやPhotoshopといった画像編集ソフトでは、解像度や印刷の実寸サイズについて設定する項目があります。そこに数値を入力すれば自動的に画像のサイズが決定されます。IllustratorやPhotoshopの操作方法については印刷会社のホームページに解説がある場合がありますので参考にしていただければと思います。

この章では、目安として、解像度と印刷物の実寸サイズから計算し、画像のサイズをもとめる方法について解説します。

印刷物の実寸サイズは、mm(ミリメートル)やcm(センチメートル)、inch(インチ)といった単位を使って表されますが、デジタル上の画像はpixel(ピクセル)を使って表されます。よって、印刷物の実寸サイズと解像度をかけあわせて、画像のサイズ(ピクセル数)を割り出します。

印刷物の実寸サイズ(mm)と解像度(dpi)から画像のサイズ(ピクセル数)をもとめる計算式

印刷物の実寸サイズ(mm) × 解像度(dpi) ÷ 25.4 = 画像サイズ(ピクセル数)

印刷物の実寸サイズ(mm) × 解像度(dpi)の計算式で画像のサイズがもとめられますが、1インチは25.4mmであるため、単位をmmに合わせるために25.4で割ります。

一辺が3cmの正方形のシールをフルカラー印刷で作る場合

[長辺]30mm(印刷物の実寸サイズ) × 350(解像度) ÷ 25.4 = 413ピクセル(小数点以下切り捨て) [短辺]30mm(印刷物の実寸サイズ) × 350(解像度) ÷ 25.4 = 413ピクセル(小数点以下切り捨て)

上記の計算式でもとめられる画像のサイズは、413 × 413ピクセルです。

一辺が3cmの正方形のシールをモノクロ印刷、または特色一色で印刷する場合

[長辺]30mm(印刷物の実寸サイズ) × 600(解像度) ÷ 25.4 = 708ピクセル(小数点以下切り捨て) [短辺]30mm(印刷物の実寸サイズ) × 600(解像度) ÷ 25.4 = 708ピクセル(小数点以下切り捨て)

上記の計算式で算出される画像サイズは、413 × 413ピクセルです。

印刷サイズが同じでも解像度が高くなれば、それに応じてパソコン上の画像サイズも大きくなることがご理解いただけたかと思います。前述の通り、解像度が高すぎると画像のサイズや容量が大きくなりすぎ、画像処理や出力時にエラーが発生する可能性があります。印刷会社の規定をご確認のうえ、鮮明な状態で画像を印刷するのに必要とされる解像度に設定して、入稿データを作成する必要があります。

まとめ

ラベル・シール印刷における入稿画像データの解像度に関する基礎知識を解説しました。解像度が低いままだと印刷時に画像が粗くなること、パソコン上で作成する画像のサイズは解像度によって変化することがご理解いただけたかと思います。基本的に、フルカラー印刷でラベル・シール、パンフレット、ハガキなどを制作する場合は、解像度を300〜350dpi程度に設定して、画像を作成することが推奨されています。ですが看板など大きなものになると、遠目で見ることを前提として制作されますので、少々低い解像度でも問題ないとされる場合があります。印刷物の種類や使用環境、フルカラーかモノクロで印刷するかによって、必要とされる解像度が異なりますので、印刷会社とご相談の上解像度を決定していただければと思います。

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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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