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最終更新:2024/08/07

不織布でラベルを作れる?

ここ数年、マスクの材料として注目を浴びているのが不織布です。不織布はその名の通り、織っていない布という意味ですが、この不織布でラベルを作ることができます。 今回は不織布とはどんな素材なのかを紹介し、不織布で作ったラベルにはどんな特性があるのかを解説します。不織布についてよく知ることで、ほかの素材では作れない個性的なラベルを作りましょう。

不織布とはどんなもの?

繊維を織らずに布状にしているのが不織布です。フェルトやニットも織らずに布状になっていますが、これらは不織布とは言いません。 通常の布には織り目が見えますし、ニットなら編み目が見えますが、不織布には見えません。

不織布の始まり

布には長い歴史があり、2200年前の中国では簡単な織り機が使われていたそうです。しかし、布や糸を作る技術をまだ人間が持っていなかった頃には、動物の革や樹木の皮をほぐして見につけていたわけです。 これもまた、繊維を織らずに布状にしていたことから、不織布ということができます。近年使い捨てマスクで注目されたため、新顔のような気がする不織布ですが、意外にも私たちの身近な存在だったのです。

それではフェルトはなぜ不織布ではないのでしょうか。

フェルトは不織布ではない?

フェルトは織って作られているのではありません。そのため、不織布に含まれてもおかしくないと思う人もいるでしょう。 ですが、現在私たちが不織布と呼んでいるものは、20世紀に入ってから工業的に作られたものとされています。そのため、それ以前から存在したフェルトは現在不織布から除外されているのです。

ちなみに不織布は、1920年代にドイツのフェルト業者が毛屑や紡毛を接着剤で固めて作り出したものが始まりと言われています。不織布とフェルトは縁の深い関係であると言えます。

不織布の製造方法

繊維を織らずに布状にするためには、様々な方法がありますが、まずは繊維を集めてフリースと言われる層にします。そして、次の工程でフリースの繊維同士を結合させます。

フリースを作る方法

  • 乾式 15mmから100mmの短繊維を空気流で並べて、フリースを作る方法です。
  • 湿式 水中に6mm以下の繊維を浸して、紙のように漉いてフリースを作ります。
  • スパンボンド法 原材料を溶かして、長い繊維状にしたものを直接フリースにします。繊維が長いために丈夫だという特徴があります。
  • メルトブローン法 スパンボンド法の1つです。こちらは原材料を溶かして繊維状にするときに、高温のエアを当てて、より細くしてフリースにします。

フリースの繊維を結合させるための方法

  • ケミカルボンド法・接着樹脂で繊維を結合させる 繊維を接着剤に浸したり、吹き付けたりして繊維を結合させる方法です。柔らかい不織布ができるのが特徴です。
  • ニードルパンチ法・機械を利用して繊維を絡ませる 返しのある針を突き刺して、機械的に繊維を結合させる方法です。自動車の内装材などに使われます。
  • 水流絡合法・圧力をかけた水流を利用して繊維を絡ませる この方法では柔らかいだけでなく、毛羽立たない不織布を作ることができるため、赤ちゃんのお尻拭きなどに使われます。
  • サーマルボンド法・熱で繊維を結合させる 熱で繊維を溶かした後に結合させる方法です。この方法で作った不織布は接着剤を使わないため、おむつや生理用品などに使われています。

これらの方法で繊維を結合させた後、用途によって染色加工、ラミネート加工、コーティング加工などを経て不織布が完成します。

不織布の原料

不織布は様々な原料から作られます。

  • 綿、羊毛、麻、パルプ、絹、鉱物繊維などの自然素材
  • レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル繊維、ビニロン、アラミド繊維などの化学繊維
  • 耐熱性や絶縁性を持つガラス繊維

一口に不織布と言っても、これだけ材料がバラエティーに富んでいるのです。

不織布の特性

製造方法と原料が多様であることから、不織布は紙や布にそっくりのもの、革の風合いを持つもの、綿のようなものまで様々なものに似せて作ることができます。 同時に薄いものから厚いものまで作れ、しなやかで柔らかいものから強靭なものまで作ることもできます。つまり、用途や目的によって最適な不織布を作ることも可能です。

また、不織布は多孔質であると言われています。布状になっていても、たくさんの細い穴がある構造になっているため、通気性、ろ過性、保温性があります。これらの特性があるからこそ、不織布には様々な用途が生まれたのです。

不織布のメリットとデメリット

不織布は織っていないことが最大のメリットになります。通常の布を作るときは、繊維を糸にして、それから織るという手間がかかります。編み物にしても同様ですが、不織布は繊維をそのまま布状にできるため、早く安く作ることができます。 このため、衛生的に使い捨てにしたいおむつや生理用品、マスクなどに多く使われています。

不織布の最大のデメリットは、布に比べると強度に劣ることです。しかし、用途を限定すること(使い捨てなら強度はさほど問題になりません)や、他の素材と組み合わせて使うことで、このデメリットは十分に克服できます。ですから、不織布は私たちの身の回りの多くのものに使われるようになったのです。

不織布の用途

先程も書いた通り、不織布は衛生用品(おむつ、生理用品など)に多く使われていますが、その他にはこんなことに使われています。 衣料品(服の芯地など)、建築(養生シートなど)、医療(手術着など)の他、布団の中綿や、空調フィルタなど、あらゆる方面で使われています。 不織布の用途の多さを見ると、私たちの生活に深く根ざしており、安心して使える素材だとわかります。

不織布ラベルの良さとは

年配の方にも受け入れられる、落ち着いたパッケージを目指したいときは、ラベルだけが浮いてしまうのを避ける必要があります。そんなときに誰でも最初に思い浮かべるのは、和紙ではないでしょうか。

しかし、和紙だと薄すぎるし、手触りが心もとないと感じることがあります。その点、不織布ラベルだと和紙の風合いを出しながら、厚みと独特の手触りが楽しめます。 視覚だけでなく触覚にうったえる不織布ラベルは、きっと人の心に残るはずです。

不織布ラベルは業者に頼みたい

ネットで探しても、不織布ラベルシールというものはほとんど見つかりません。取り扱いのある業者もまだ少数です。通常のシールなら、家庭用プリンターで印刷できる用紙が販売されていますが、不織布ではそれもありません。 不織布でラベルが作りたい、という希望があるなら、まずは業者に問い合わせをするところから始めてください。

まとめ

今回は不織布と不織布ラベルについて解説しました。残念ながら不織布ラベルはまだ一般的な存在になっていないようです。しかし、不織布の特性を知るにつれて、不織布のラベルが使いたくなります。

いろいろな素材に似せて作ることができる不織布ですから、そのうちレザー調のラベルなどが作られて、他とは差別化が図れるかもしれません。 通常の紙製のラベルに比べると、強度も期待できそうですし、手触り感を持たせることで、どんな年代の人にも滑らずに持てる、安心感を与えるパッケージが作れそうです。

不織布ラベルへの期待が大きく膨らみますが、現状では業者に相談するところから始めましょう。

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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