最終更新:2024/08/09
物流に関するPDラベル・SCMラベルとは?
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商品の入出荷を行っているほとんどすべての企業が、商品を発送する際に、段ボールやコンテナなどの梱包材に物流用のラベルを貼り付けて発送します。このとき使われる物流用ラベルは「PDラベル」「SCMラベル」と呼ばれます。この記事では、PDラベルとSCMラベルの基礎知識について解説します。PDラベルとSCMラベルの概要や違い、規格、使い方、作成方法についても解説していますので、参考にしていただければと思います。
物流ラベル PDラベルとは
PDラベルとは、物流センターにおいて、送り先の店舗ごとに商品を仕分けるために用いられる管理バーコードラベルです。PDラベルを箱やコンテナに貼り付けして商品を管理します。PDラベルには内容の明細や店舗名、荷物番号などが記載されていますので、箱を開けなくても確認ができるようになっています。
PDとはPhysical Distributionの略です。箱やコンテナに直接貼り付けして荷物の管理をしますが、事前出荷明細情報(ASN)との紐付けはされておらず、オンライン上で入出庫情報を管理することはできません。物流センターに納品データを事前に送信することができませんので、物流センターにて別途納品伝票の作成が必要になります。
物流ラベル SCMラベルとは
SCMラベルはPDラベルと同様、物流センターにおける荷物の仕分け管理ラベルです。SCMはShipping Carton MarkingまたはShippng Container Markingの略です。SCMラベルは別名「出荷梱包表示ラベル」「検品ラベル」「オリコンラベル」とも呼ばれます。
PDラベルとの違いは、事前出荷明細情報(ASN)との紐付けがされており、事前に物流センターに納品データを送信できる点にあります。物流センターでは、事前に送信されたデータと照合して荷受けや検収、ピッキングなどの処理を行います。データ連携によって、荷受け・検収作業の手間を大幅に軽減することができます。荷物の送り主(荷主)は出荷管理をスムーズに行うことができ、物流業者側ではピッキングや荷受け作業、仕分け作業を効率化できます。また荷物の配送先においては、入荷処理を迅速に行うことができます。
また、SCMラベルで荷物を管理することで、配送状況や在庫状況をオンラインで管理できるという利点があります。大手スーパーやコンビニチェーンなどでは、在庫管理や不足商品の発注などをオンライン上で管理しています。
PDラベル・SCMラベルの規格
PDラベル・SCMラベルは財団法人流通システム開発センターが定める物流ラベルです。PD・SCMラベルのサイズには以下のような規格があります。
- A1ラベル 50mm × 85mm
- B1ラベル 60mm × 92mm
- C1ラベル 80mm × 115mm
この規格をもとに、市販されているPDラベル・SCMラベルのサイズ展開は主に以下のものがあります。
- A1ヨコ折 縦50mm × 横85mm
- B1ヨコ折 縦60mm × 横92mm
- B1タテ折 縦92mm × 横60mm
- C1ヨコ折 縦80mm × 横115mm
- C1タテ折 縦115mm × 横80mm
物流ラベル PDラベル・SCMラベルの作成方法
前述の通り、PDラベル・SCMラベルの用紙は市販されています。この章では、PDラベル・SCMラベルの作成方法について解説します。
- ラベル用紙の購入
箱のサイズやラベル記載内容に応じてサイズを選定し、PD・SCMラベル用紙を購入します。 ラベルにはサーマル(感熱紙)という用紙が使用されています。 また、ラベルの粘着力には強粘着と弱粘着、再剥離があります。一般的には強粘着ラベルが使用されており、一度貼ったら剥がさないという前提で用いられています。粘着力が強い分、剥がしたあとシールの一部が箱の上に残ったり、箱そのものを傷つける場合があります。弱粘着は強粘着よりも粘着力が弱く、剥がしたあとが残りにくいですが、長期間貼り付けられているとラベルが剥がしにくくなっている場合があります。ラベルの剥がしやすさや、剥がしたあとが残りにくいといった性能を求める場合は、再剥離ラベルを選択します。その他、冷凍商品に貼る冷凍用ラベルや、インクの速乾性のある捺印性サーマルを用いたラベルを扱っているメーカーもあります。 基本的に用紙は無地ですが、事前に会社ロゴマークを印刷したいといった要望がある場合には、オーダーメイドを受け付けているメーカーもあります。 - PD・SCMラベルへ印字する
サーマルラベルプリンターという機械を使用し、店舗名やQRコード、仕分け用バーコードなどの明細をラベルに印刷します。 仕分け用のバーコードをITFコードといい、これはJANコード(商品コード)の最後に数字を足したもので、入数(一つの箱に商品が何個入っているか)を表すのに用いられます。 - PD・SCMラベルを荷物に貼り付ける
印字したPD・SCMラベルを、商品を梱包した段ボールやオリコン(折りたたみコンテナ)などに貼り付けて荷物を出荷します。
商品在庫が物流倉庫内にある場合は、倉庫側でピッキングとPD・SCMラベルの貼り付けを行い、出荷します。
SCMラベルを用いた商品の管理方法
メーカーや小売業者など荷物を発送する荷主は、主に販売管理システムを使用して商品の管理をしています。一方、物流倉庫における荷物の流れを管理することに特化した倉庫管理システムのことをWMS(Warehouse Management System)と呼びます。販売管理システムや基幹システムでは物流管理までまかなうことが難しいため、WMS導入が推奨されています。WMSによって物流工程の管理やロケーション管理、出荷検品の管理をすることができます。事前出荷明細情報(ASN)を電子データで送信することをEDI(Electronic Data Interchange、電子データ交換)と呼びますが、EDIはWMSを使って行われます。出荷情報と紐付けされているSCMラベルを使用してEDIを行うことで、荷主と物流倉庫、配送先間の連携をスムーズに行うことができます。
さらに近年、EDIの標準仕様である流通BMS導入の需要が高まっています。流通BMSはBusiness Message Standardsの略であり、流通業者(メーカー・卸・小売)間のEDIでやりとりするデータフォーマットを統一することを指します。従来のEDIは、小売業者ごとに規格が異なっており、メーカーや卸企業は個別に対応しなければなりませんでした。流通BMSの導入により、各業者間の連携をシームレスに行うことができ、伝票レスや検品レスなどで入出荷作業の効率化や費用削減が可能になります。SCMラベルを使用したEDIで、流通BMSに対応でき、業界全体の効率化を図ることができます。
まとめ
PDラベル・SCMラベルについて解説いたしました。物流には欠かせないPDラベル・SCMラベルの概要についてご理解いただけたかと思います。特にアパレルやスーパー、ドラッグストア、ホームセンターなどの小売業界では、サプライチェーン全体を合理化するために、流通BMSの導入や普及が課題になっています。長時間労働や人手不足などの業界全体の問題を解消するためにも、流通BMS対応のSCMラベルで物流管理をする運用が今後ますます盛んになっていくと思われます。
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