最終更新:2024/08/09
ラベル印刷の基礎知識 イラストレーターのベクターデータとは?
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ラベル・シール印刷に用いるデータ作成の際、気をつけたいのが画像形式です。印刷するデザインによって画像形式を使い分ける必要があります。
画像形式には「ベクターデータ」と「ラスターデータ」があり、ラベル・シール印刷に用いられるのは主に「ベクターデータ」の方です。
この記事では、ベクターデータとラスターデータについて解説します。両者の特徴や違い、メリット・デメリットも解説していますので、ラベル・シール印刷の入稿データを作る際の参考にしていただければと思います。
ラベル・シール印刷の画像形式 ラスターデータについて
ラスターデータとは、画像を細かいドットで表現したものになります。ドットは非常に小さな四角の形をしています。単位は「ピクセル」といい、ラスターデータでは1ピクセルごとに色や濃淡の情報が記録されています。 ラスターデータで重要になるのが画像の解像度です。ピクセル数が多いほど画像の解像度が上がり、繊細な色や線を表現することができます。ラスターデータは緻密な絵や写真を表現するのに向いています。
画像フォーマットのことを拡張子と呼びます。ラスターデータの拡張子は以下のものがあります。
- .png
- .jpg/.jpeg
- .gif
- .tif
- .psd
ラスターデータを作成できる画像編集ソフトはペイント形式ソフトと呼ばれ、代表的なものはPhotoshopです。
ラベル・シール印刷の画像形式 ベクターデータについて
ベクターデータとは、点の位置を座標として設定し、演算によって座標同士を結ぶ線(パス)が算出されます。この点を制御点と呼び、制御点とそれを結ぶ線をすべて数値化して図形を表現する形式です。ベクターデータは拡大縮小や修正が容易に行え、拡大しても画像が劣化しないのが特徴です。ラベル・シールや看板、名刺などに印刷するロゴマークなどに多く用いられています。印刷物のほか、Webデザインに使用する画像の作成にも適しています。 点と線をすべて数値で表現しているため、複雑で緻密な画像の作成には向いていません。
ベクターデータの拡張子には以下のものがあります。
- .eps
- .ai
- .svg
- .sketch
ラベル・シール印刷の場合、多くの印刷会社が「.ai」のフォーマットで入稿するよう規定しています。 ベクターデータを作成できる画像編集ソフトはドロー形式ソフトと呼ばれ、代表的なものはIllustratorです。ラスターデータとベクターデータを区別する際、ラスターデータを「画像」や「ビットマップ」、ベクターデータを「パス」と呼ぶ場合もあります。
ラスターデータ・ベクターデータのメリットとデメリット
ラスターデータ、ベクターデータにはそれぞれメリット・デメリットがあります。以下より一つずつ解説していきます。
ラスターデータのメリット・デメリット
ラスターデータはピクセルという細かいドットで画像を表現しています。画像を拡大するとピクセルも一緒に拡大されます。イラストや写真を拡大すると目が粗く、ぼやけて見えることがあるのは、拡大されたピクセルがモザイク状になっているためです。
ラスターデータのメリットは、陰影や濃淡の多い緻密な絵や写真を表現できるところです。ですが、複雑な画像になるほどピクセルの数が増え、容量が大きくなります。また、前述のように、画像を拡大するとぼやけて見えてしまうというデメリットがあります。
ラスターデータのメリット
- 複雑な絵や写真を表現するのに向いている
ラスターデータのデメリット
- 画像が複雑になるほど容量が大きくなる
- 画像を拡大すると劣化してぼやける
ベクターデータのメリット・デメリット
ベクターデータは点と点同士を結ぶ線を数値で表現しています。図形の修正が容易に行えることから、ロゴやマーク、文字などの表現に向いています。ラスターデータのように緻密な絵や写真を表現するのには向いていません。点と線がすべて数値化されていますので、画像が複雑になればなるほど点と線の構造も複雑化するからです。
ベクターデータはラスターデータに比べ容量が軽いのも特徴で、データ転送などの処理がしやすいというメリットもあります。
ベクターデータはラスターデータのようなピクセルを使用しない画像形式です。ベクターデータで表現された線は非常になめらかなものになります。また、拡大しても画像がモザイク状にならず、画像が劣化することがありません。ラベル・シール印刷に使用したロゴやマークを、看板やパンフレットなど、面積の広いものにも印刷する場合は画像を拡大する必要があります。その場合はベクターデータで作成された画像が適しています。
ベクターデータのメリット
- ロゴやマーク、文字などの図形を表現するのに向いている
- 画像を拡大しても劣化しない
- 容量が小さく、データ転送などの処理がしやすい
- 線をなめらかに表現できる
ベクターデータのデメリット
- 緻密な絵や写真を表現するのには向いていない
ラベル・シール印刷におけるラスターデータ・ベクターデータの向き不向き
写真や複雑な絵などを印刷したい場合にはラスターデータが適しています。前述の通り、拡大すると画像が劣化しぼやけてしまうので注意が必要ですが、冊子などのフルカラー印刷にはラスターデータが適しています。
ラベル・シール印刷においては、多くの場合ロゴやマーク、文字、かんたんなイラストなどを印刷することが多いかと思います。その場合はベクターデータが適しています。ベクターデータで画像を作成すれば、ラベル・シールに使用した画像をパンフレットや看板にも転用しやすいので、会社や商品のロゴ、名前を印刷するのに適しています。
また、箔押しなどホットスタンプ形式で印刷する場合は、型が必要となります。型を制作するにあたってラスターデータで作成された画像を拡大すると、拡大されてモザイク状になったピクセルまで型に反映されてしまうことになります。ベクターデータで作成された画像は拡大しても劣化がなく、型の制作にも向いていますので、そういった点でもベクターデータでの作成が推奨されています。主にTシャツへのプリントに用いられるシルクスクリーン印刷でも、型が必要になりますのでベクターデータでの画像作成が推奨されます。
ラスターデータが適している印刷物
- パンフレットや冊子などのフルカラー印刷
- 写真の印刷
ベクターデータが適している印刷物
- 会社や商品のロゴ、名前
- ラベル・シール印刷
Illustrator(イラストレーター)で作成したベクターデータのラスタライズ
Illustrator(イラストレーター)で作成したベクターデータも、線(パス)が複雑になった場合はデータの画像化(ラスタライズ)が必要になる場合があります。点や線の多い複雑な画像や、グラデーションなどの効果を多用している場合、ベクターデータだと印刷エラーが起こることがあります。このエラーを回避するため、ベクターデータのラスタライズが推奨されます。
ラスタライズは別名「ビットマップ化」と呼ばれることもあります。ラスタライズの際は、解像度を必ず印刷会社指定の解像度(300〜350dpi以上が一般的)に設定する必要があります。
まとめ
ラスターデータとベクターデータの特徴と違い、メリット・デメリットについて解説しました。印刷物の種類や画像によって向き不向きがあることがご理解いただけたかと思います。印刷会社の規定をご確認のうえ、適切な形式でデータを作成いただければと思います。
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