最終更新:2024/08/09
ラベルの素材 金PET・銀PETについて

商品のパッケージやボトル、電化製品などに、金や銀の光沢のあるラベルが貼り付けられているのをご覧になったことがあるでしょう。ラベルは素材で分けると二種類に分けられます。フィルム素材と紙素材です。金銀ラベルに用いられている素材の特質を把握し、利用用途によって使い分ける必要があります。
フィルム素材を用いた金銀ラベルは金PET・銀PETと呼ばれ、その耐久性が重宝されています。この記事では、まずフィルム素材を用いた金PET・銀PETについて解説し、紙素材を用いたラベルとの違いについて比較します。ラベルを制作する際にはラベルの利用用途に応じて素材を選択する必要がありますので、ご参考にしていただければと思います。
金PET・銀PETラベルについて
フィルム素材を用いた金や銀のラベルを「金PET」「銀PET」といいます(金ネーマー、銀ネーマーと呼ばれる場合もあり)。この章では金PET・銀PETについて詳しく解説しています。
金PET・銀PETラベルの素材
金PET・銀PETのラベルに用いられているフィルムは、金フィルム・銀フィルムと呼ばれます。金銀フィルムは、ポリエステル(PET)素材に金銀のアルミを蒸着させて作られています。蒸着とは、高真空状態の容器の中でアルミを蒸発させ、容器内に置いたフィルムの表面に凝結させてアルミの薄膜を付着させる技法です。 金・銀フィルムの厚みは50ミクロンと薄く、印刷会社によっては25ミクロン、100ミクロンのフィルムにも対応している場合があります。
金PET・銀PETラベルの特徴
金銀PETは鏡のような強い光沢を持ち、高級感があります。また素材であるフィルムそのものが硬く丈夫で、耐久性と耐水性、耐熱性を兼ね備えています。ラベル裏面に塗布する粘着剤の種類も豊富に選ぶことができ、屋外での使用や長期間の使用に向いています。 金銀PETに使用できる粘着剤の種類は以下の通りです。
- 強粘着 強い粘着力を持ち、長期間貼り付けておきたいラベルに向いています。
- 強粘再剥離 強い粘着力を持ちながら、ラベルを剥がしたときに跡などが残らずきれいに剥がせます。また、一度剥がしても平らな面であれば再び貼り付けることが可能です。
- トイシ用糊 デコボコした表面にも貼り付けられる粘着剤です。トイシ用糊を塗布したラベルは、主に工場用製品に用いられます。
金PET・銀PETラベルの利用用途
上記の特徴から、金銀PETは以下の利用用途で用いられることが多いです。
- 液体物のパッケージラベル 金銀PETラベルの耐水性を利用し、お酒や化粧品、シャンプー、オイルなど液体物のラベルに用いられます。冷凍食品のラベルとして用いられることもあります。
- 社名シール 光沢で高級感を演出し、付加価値を高めます。
- 製品銘板シール 電化製品用のシールです。製品名や型番などが印刷されています。ガスメーターの確認シールとして用いられている場合もあります。
- 駐輪管理シール 駐輪場管理のため、自転車に貼り付けるシールです。
- 注意銘板シール 家電製品の注意書きが印刷されたシールとして用いられます。
- セキュリティシール 重要書類のセキュリティ喚起として用いられています。
上記のように、基本的には光沢によるアイキャッチや高級感の演出が主目的で利用されています。さらに金銀PETがもつ耐水性と耐久性を利用して、液体物に触れたり、屋内外で長期間使用することを想定したラベルに多く用いられます。
金PET・銀PETラベルの表面加工
金銀PETラベルは高級感ある光沢を持つ、とご説明しましたが、さまざまな表面加工により多様な質感を表現できます。以下より一つずつご紹介していきます。
- ツヤあり 通常の金銀PETラベルの質感です。鏡のような金属光沢があります。
- ツヤケシ 表面のツヤ感を抑え、マットな質感に加工することができます。消銀とも呼ばれます。ラミネート(表面保護)加工を施さないと、表面に傷がつきやすいのでご注意ください。
- ホログラムフィルム 銀PETに施された特殊なホログラム加工によって、銀色に重なるようにして虹色の色彩を放ち、高いアイキャッチ効果が期待できます。素材そのものにデザインするので偽造が難しく、会員証、IDカードなど重要書類のセキュリティシールとして用いられているケースもあります。
- ヘアーライン 金銀PETの表面上に、ヘアー(髪の毛)のような極細の線模様を施した加工です。質感はマット寄りで、高級感を演出できます。
金PET・銀PETラベルのメリットとデメリット
金銀PETラベルのメリットについて以下に簡単にまとめます。
- 金属のような光沢で高級感を演出できる
- 耐久性、耐水性、耐熱性がある
- 硬くて丈夫
- 使用可能な粘着剤の種類が豊富で、長期間使用が期待できる
上記のように、丈夫さがメリットである金銀PETですが、デメリットもあります。
- 素材の硬さ、丈夫さゆえに、曲がりの強い箇所へのラベルには不向き
- 素材自体が高価なのでラベルの単価が上がる
金ホイル・銀ホイルラベルについて
「アイキャッチ効果はほしいけれど、単価を抑えて金銀ラベルを制作したい」という場合もあるかと思います。その場合はホイル紙を素材にした金ホイル・銀ホイルのラベルを選択するのも一つの方法です。この章では、金ホイル・銀ホイルラベルについて解説します。
金ホイル・銀ホイルラベルの素材
金銀ホイルの素材のベースはホイル紙という紙です。パルプ紙とアルミ箔を貼り合わせて作られています。
金ホイル・銀ホイルラベルの特徴
素材がホイル紙ですので、アルミホイルのように基本的に薄く、柔らかいという性質を持っています。金銀PETとの大きな違いは、耐久性と耐水性です。素材が紙である金銀ホイルは、フィルム素材である金銀PETと比べると水に弱く、耐久性と耐熱性に劣ります。耐水性は乏しいですが、表面がアルミ箔のため、わずかに撥水性があります。 金銀ホイルに対応している粘着剤は強粘着のみであることが多いです。
金ホイル・銀ホイルラベルの利用用途
金銀ホイルラベルは、メタリックな光沢でアイキャッチ効果が期待できることから、主に以下の用途で用いられています。
- お店や商品のロゴシール
- ギフト用シール
金ホイル・銀ホイルラベルの加工
金銀ホイルは薄く柔らかい素材で作られていますので、加工がしやすいというメリットがあります。例えばエンボス加工。エンボス加工とは「浮き出し加工」とも呼ばれ、凹凸の版の間に用紙を挟み、文字や絵柄を浮き出させる加工です。また、金銀ホイルを文字の形に打ち抜いて、箔押し風シールにすることも可能です。
金ホイル・銀ホイルラベルのメリットとデメリット
金銀ホイルラベルのメリットについて以下に簡単にまとめます。
- 金属のような光沢で高級感を演出できる
- 素材が柔らかく、さまざまな加工が可能
- 金銀PETに比べると安価で制作できる
金銀ホイルラベルのデメリット
- 耐水性、耐久性、耐熱性がなく、長期間利用に不向き
- 粘着剤は強粘着のみ
さいごに
金PET・銀PETの仕組みと特徴、利用用途について解説しました。また、金ホイル・銀ホイルとの違いについても解説しました。上記でご説明しましたように、金銀PETと金銀ホイルの一番の違いは耐久性と耐水性です。ラベルを制作する際は、ラベルの使用用途や使用環境に応じて、耐久性や耐水性がどれくらい必要かということをご確認のうえ、ラベルの素材をご検討いただければと思います。
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