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最終更新:2024/08/08

ラベル・シールの糊殺しとは?

ラベル・シールの糊殺しとは?

ラベル・シールの印刷、加工は、単純に粘着させれば良い、というだけではありません。 ラベル・シールを効果的に使って商品の独自性を高めたい!他の商品よりも目立ち、消費者に手に取ってもらえる商品を作りたい!そのためにラベルにもこだわりたい、シールを効果的に使いたい!そのような要望に応えるために、様々な印刷技術、加工技術が存在します。

糊殺しという言葉を聞いたことがありますか? 糊殺しとは、ラベル、シールの粘着面において、一部分の粘着をなくすための加工です。 物騒に聞こえる言葉ですが、使いこなせばラベル・シールの製作において便利な効果を発揮します。 この記事で、糊殺しの概要や具体的な使用例、製作方法やメリット、デメリットを解説していきます。

ラベル・シールの糊殺しとは

糊殺しとは、ラベル、シールの粘着面一部分の粘着をなくすための加工です。 シールは粘着するためにあるのに、なぜ粘着をなくしてしまうの?と思う方もいるかもしれません。 シールに粘着しない面があるということ、そこには無限大の可能性が秘められています。 ここでは、糊殺しを活用できる使用例について紹介します。

めくりやすくする

弱粘着のシールや貼って剥がせるようなタイプのシールでも、全面がぴったり張り付いている場合、ラベルやシールはなかなか剥がしにくいものです。 そんな時に便利なのが、糊殺しです。 シールの端に糊殺し加工で粘着しない部分を作ることにより、剥がし始めのきっかけとなる箇所を作ることが可能です。

ミシン目を切りやすく

切り離せるようにミシン目がついているラベルも、全面が粘着していると切り取りづらいものです。 そんな場合でも活躍するのが、糊殺しです。 ミシン目に沿うように糊殺し加工をすることで、切り取りやすく、さらに切り取った後に剥がしやすくなります。

貼りづらい形状の容器ラベルにも

例えば、ドームのような形をしたコンビニスイーツの蓋に貼る、帯状のラベルシールにも糊殺しは活用できます。 全面糊の場合、ドーム状に沿わせてラベルを綺麗に貼るのは一苦労ですが、糊殺し加工により粘着面を一部分のみにすることで貼りやすくなり、作業スピードがアップするでしょう。 また、お酒などのボトル容器の蓋止めにも糊殺しは利用されます。 蓋からボトルの肩にかけて浮いている空間は、シールが容器にぴったり沿っていないため粘着面にホコリがついてしまいます。 糊殺し加工を施すことにより、汚れやホコリの付着を防ぐことが可能です。

POPラベル

糊殺しが一番活躍する場面といえば、POPラベルでしょう。 POPラベルとは、別名アテンションシールやアイキャッチシールとも呼ばれ、目立たせるために商品のパッケージから飛び出すように貼られたシールです。 このPOPラベルにも、糊殺しが活用されています。 商品に貼られたPOPラベルの飛び出している部分が粘着するとホコリなどが付着しますので、それを防ぐために糊殺し加工が施されます。

他にも用途は様々

他にも様々な場面で糊殺し加工は活躍します。 例えば、イベントや打ち合わせなどの場面で配布されるクリアファイル。表面に糊殺し加工された名刺サイズのシールを貼ることにより、交換した名刺が入るポケットが作れます。 また、糊殺しの形状を自由に決められる加工方法がありますので、糊の形状をハート型や星マークなどにすることも可能です。 糊殺しの形状を特殊なものにすることで生まれる使い道は、アイデア次第で無限に広がることでしょう。

糊殺しの種類

一言で糊殺しといっても、加工方法にはいくつかの種類があります。 しかし、一度塗った糊を消滅させたり、削り取ってなくすような加工ではありません。 糊殺しを使用するラベルの素材や形、用途により最適な加工法が異なります。自分で決めることが難しい場合は、印刷所にも相談してみましょう。

ニスによる糊殺し

粘着面に特殊なニスを塗ることにより、塗った部分の粘着をなくす方法です。 1番の特徴は、糊殺し部分の形や面積を自由に作れることでしょう。 主に、糊殺しを利用してめくりやすくするための加工法として用いられます。

フィルム貼りによる糊殺し

粘着面に、ロール状の特殊なフィルムを貼ることにより糊を殺す方法です。 糊殺し部分の形や面積は、フィルムの形状により決まりますので、あらかじめ決まった形となります。 フィルムには強粘着のものや弱粘着力のものなどいくつか種類があり、用途に応じて使い分けることができます。

部分糊素材

こちらは糊殺し加工ではありませんが、最初から部分糊になっている素材でシールを印刷する方法もあります。 原紙そのものが部分糊なので、一部が粘着しないシールを大量に生産できます。 こちらの方法もフィルムによる糊殺しと同じように、粘着しない部分の形状は決められたものになります。

糊殺しと部分糊の違い

糊殺し加工と部分糊、シールの一部に粘着しない面を作るという効果は似ていますが、製作方法が異なるため厳密には別のものです。 糊殺しは糊引きされた糊の粘着をなくすための加工ですが、部分糊は、あらかじめ糊引きをしない箇所を作る製作方法となります。 通常のシールと比べた場合は部分糊の方がコストの上げ幅は小さいですが、粘着しない箇所の形は直線のみという制約があります。 粘着をなくすニスの塗布による糊殺しの場合、専用の版を作りますので、工程やコストが増える分糊殺しの形状が自由に決められます。 シールの用途により、糊殺しと部分糊を使い分けると良いでしょう。

糊殺しに適した素材

糊殺しはPOPシールなど、商品から飛び出すように貼られるシールに用いられますので、シールが店頭に陳列されるまでに折れてしまっては意味がありません。 そのため糊殺し加工をする素材には、折れ曲がりに強い固めのものが向いています。 主に挙げられるのが、PET素材やユポなどの合成紙で、より商品を目立たせる効果もあるため、メタリックな質感を持つ銀PETがよく使用されます。 ユポは銀PETよりもコスト面で安価なので、コストを抑えてPOPシールを作りたい場合に選択されます。

糊殺しのメリット・デメリット

糊殺し加工にはメリットもデメリットもあります。 メリットは、糊殺しを利用したPOPシールは目立ちますので、商品を手に取ってもらいやすくなるでしょう。 また、めくりやすいシールや切り取りやすいミシン目も、全面糊のものと比べ利便性がありアドバンテージになります。 アイデア次第で個性的な特徴を持つ商品を生み出すことが可能です。 デメリットとしては、特殊な加工となるので、コストや納期が通常のシールよりもかかります。 コストに見合った効果が期待できるかは十分検討した上での導入が必要でしょう。

まとめ

ニス塗布やフィルムを貼ることにより、シールの粘着をなくす糊殺し加工。 シールをめくりやすくしたり、ラベルを剥がしやすくしたり、商品を目立たせるためのPOPシールに使ったりと、ラベル・シールの糊殺し加工は大きな可能性を秘めており、工夫次第で様々な用途に活用できます。 普通のシールに比べて納期やコストはかかりますが、独自性が打ち出せることによる費用対効果も十分に期待できるでしょう。 しかし加工法や素材の選択肢がいくつかあるため、糊殺しを使ってみようと思っても注文に迷うことがあるかもしれません。 印刷所に相談することで、要望に合わせた加工法や素材を提案してもらえる場合もあります。是非ご検討してみてください。

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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