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最終更新:2024/08/08

パッケージやラベル印刷の知識 色校正とは?

パッケージやラベル印刷の知識 色校正とは?

商品のパッケージやラベルを理想通りに完成させるために、「色」は大変重要な要素です。商品の顔ともいえるパッケージやラベルがどのような色で表現されるかによって、商品のイメージは大きく左右されます。そのため、伝えたい商品イメージを表す理想の「色」をいかに実現させるか検討することは、パッケージやラベルを作る際に避けられない、難しい課題であるといえます。

「色校正」は、そのような理想の「色」が表現できているかどうかを確認し、調整する作業です。あらゆる印刷物に欠かせない工程です。実は、一口に「色校正」と言っても、その種類によって、確認できるレベルは異なります。そのため、印刷物の作成に携わる方は、求める色を実現させるために、色校正の基本を知っておく必要があります。

この記事では、特に商品のパッケージやラベルの作成に関わる方に向けて、「色校正とは何か」「色校正が重要な理由」「色校正の種類」についてお伝えします。さらに、パッケージやラベルの色校正を行う際に特に注意すべきポイントについても解説します。理想の色を表現するために、ぜひ参考にしてください。

色校正とは何か

色校正とは、印刷物の色味がイメージ通りであるかどうかを確認・調整する工程のことをいいます。印刷物の色味は、印刷機や紙の種類など、さまざまな要因によって異なって表れます。そのため、原稿を作成している段階で想定していた色と、実際の印刷物の色とは、違って感じられることがあります。

そこで、本印刷の前に色校正の工程を踏むことで、実際に印刷物に表現される色をできるだけ把握し、必要に応じて調整を行うことが必要になります。色校正は、印刷物に希望の色が確実に反映されるようにするための、大切な作業です。

印刷物を製造する際には、色校正で作成した校正紙が、本印刷時の見本としての役割を担います。

パッケージ・ラベルの色校正が重要な理由

パッケージやラベルを作成するにあたって色校正が重要な理由は、パッケージやラベルを希望する色味で完成させるために必要な作業だからです。パッケージやラベルは書籍で言えば表紙のような位置づけのものです。商品名や必要な情報を伝えるだけではなく、商品を魅力的に見せる役割を担っています。また、商品や企業のブランドイメージにも影響を与えます。

そのため、パッケージやラベルの作成担当者は、多くの場合、色にこだわりを持っています。もしパッケージやラベルが希望と異なる色で完成してしまったら、それを世に出すのを許容できないことも多いでしょう。刷り直しをすることになれば、当然ながら余計なコストがかかり、納期も予定より遅れることが想定されます。

このような色の違いによるトラブルが起こらないよう、色校正は確実に行っておく必要があります。

https://pakexpo.jp/blog/label/print_color-specification_pantone_dic/

色校正の種類

色校正は、その種類によって、色の再現性やコストが異なります。求めるレベルの色校正を行うために、それぞれの特徴を知っておくことが大切です。 色校正の種類は、以下の4つに分けられます。

  • 本機校正
  • 平台校正
  • インクジェットデジタル印刷機校正
  • 簡易校正

本機校正

本印刷を行う際に使用するものと同じ印刷機、同じ用紙(本紙)、同じインキを用いて行う色校正です。最終的な印刷物を製造するときと全く同じやり方で印刷するので、最も再現性が高い手法です。

メリット

  • 本印刷で表現されるイメージを最も正確に再現できる

デメリット

  • 「版」が必要なので、製版コストがかかる
  • 用紙の枚数が多い(100枚程度)ので、コストがかかる
  • 納期が長い

平台校正

色校正用の平台校正機を用いて行う色校正です。印刷機は本印刷と異なりますが、本紙を使うので、再現性が高い手法です。本紙校正とも言います。

メリット

  • 本紙を用いるので、紙の質感や色の再現性が高い
  • 本機校正に比べ用紙の枚数が少ない(10~20枚程度)
  • 本機校正に比べ低コスト、短納期が可能なことが多い

デメリット

  • 本機校正よりも再現性に劣る
  • 「版」が必要なので、製版コストがかかる
  • 簡易校正に比べ高コスト、長納期になる

インクジェットデジタル印刷機校正

インクジェット方式のデジタル印刷機を用いて行う色校正です。比較的低コストで、オフセット印刷機に近い色の再現ができる点が特長です。

メリット

  • 本紙を用いることができる
  • 「版」が不要なので、製版コストがかからない
  • 用紙の枚数が少ない(5枚程度)

デメリット

  • 本機校正よりも再現性に劣る
  • 特色(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラックの4色で表現できない色)は出せないことが多い

簡易校正

大型のインクジェットプリンターを用いて行う色校正です。最も低コストで時間をかけずに色校正を行えます。簡易的にイメージを確認したい場合に、広く活用されています。インクジェットプルーフ、インクジェットプリンター校正とも言います。

メリット

  • 「版」が不要なので、製版コストがかからない
  • 最も低コスト・短納期で行える

デメリット

  • 専用紙と専用インクを用いるので、紙の質感や色の再現性に劣る
  • 特色は出せない

パッケージ・ラベルの色校正を行う際に注意すべきポイント

では、パッケージやラベルの色校正を行う際には、どのようなことに注意すべきでしょうか。ここでは、パッケージやラベルに焦点を当てて、特に知っておきたいポイントを以下の4点にまとめました。

  • 色の再現
  • 面付
  • 平台校正の注意点
  • 簡易校正の注意点

色の再現

希望の色を具体的に指定しても、全く同じものを印刷で表現することはできません。印刷物の色味は、使用する印刷機・用紙・インキによって、必ず違いが出るためです。パッケージやラベルに理想の色を追求するのは当然ですが、印刷の限界も理解しておくようにしましょう。

面付

面付とは、1枚の紙にいくつかのデータを並べて印刷することを言います。1枚の紙から複数のパッケージやラベルができあがります。このとき、インキの流れなどの影響で、印刷する箇所によってやや印刷の出方が異なることがあります。

平台校正の注意点

平台校正は本紙を用いるため、再現性の高い色校正が行える手法です。しかし、機械の違いによって、本印刷とはやや色味が異なって表れる場合があります。

平台校正機は本印刷を行う印刷機よりも印刷するスピードが遅いのが特徴です。そのため、印刷機でスピーディに印刷する際と比較し、インキが多く乗ることになります。結果として、実際の色よりも濃くなったり、明るくなったりする傾向があります。文字がやや太く見えることもあります。

色味に特にこだわるパッケージやラベルの作成時には、このような平台校正の特色を理解しておきましょう。

簡易校正の注意点

簡易校正では、専用のインクジェット紙が使われます。専用紙はつるつるしているため、鮮やかに発色する傾向があります。そのため、簡易校正時の色味は、本印刷でできあがるものとはかなり異なる場合があります。

簡易校正で表れる色味は、実際よりも明るくきれいに感じられることがあります。パッケージやラベルを見たときの印象も違ってしまう可能性があるので、注意しましょう。

色校正を行って理想の色を実現しましょう

この記事では、特に商品のパッケージやラベルの作成に携わる方々に役立つよう、色校正の基本、種類、特に注意すべきポイントをまとめてお伝えしました。長期間に及ぶパッケージ・ラベル作成の作業の中で、色校正は本印刷前最後の大切な工程です。ぜひ色校正についてよく理解し、パッケージやラベルに理想のイメージを表現してください。

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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