最終更新:2024/07/25
FSCマークとは?環境保全・社会貢献への取り組み
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深刻な環境破壊がますます大きな社会問題となってきている昨今、企業活動においても環境にやさしいビジネスが求められています。企業が環境を守ろうとする姿勢を示すことは、社会貢献の意味だけにととどまらず、消費者からの企業の評価にも影響するようになってきていると言えます。
このような時代の流れを受けて広く普及するようになった環境保全活動の1つが、木を材料として作られた製品などにつけられるFSCマークです。FSCマークは、適切に管理された森林の木材を使っていると認められていることを証明するものです。
FSCマークを表示することによって、企業は環境への意識の高さを対外的に示すことができ、消費者は森林を破壊しないで作られた商品を選択することができます。商品にFSCマークを表示する意義は、今後さらに高まっていくでしょう。
この記事では、特に紙製の商品パッケージやラベルの作成に携わっている方へ向けて、FSCマークとは何か、FSCマークと環境保全・社会貢献との関係、パッケージやラベルにFSCマークを表示する方法などについてご紹介します。ぜひ参考にしてください。
FSC認証・FSCマークとは何か
まず、FSC認証・FSCマークとはどのようなものなのかご説明します。
FSC認証
FSC認証とは、ドイツのボンに本部を置くNPO法人であるFSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)が運営する、適切な森林管理を推進するための国際的な認証制度です。FSCは、世界的な森林の減少を背景に、持続可能な森林の活用を目指して1994年に発足しました。
FSC認証は、適切な森林の保全と活用のための管理体制を備えていると認められた組織に対して与えられます。認証の対象には、森林を管理している森林組合等に加え、木材を使って作られる製品の加工会社や卸売会社も含まれます。
FSCは設立のビジョンを、「将来世代の権利や需要を損なうことなく現在の世代の社会的、環境的、経済的な権利や需要を満たす」こととし、そのミッションを「環境保全の点から見ても適切で、社会的な利益にかない、経済的にも継続可能な森林管理を世界に広める」ことであるとしています*。
*出典:FSCウェブサイト
FSCマーク
FSCマークは、FSC認証を受けた森林からの材料を用いて、FSC認証を受けた事業者によって製造、流通された製品であることを示すマークです。製品が適切な森林の保全と活用のもとで生産されたことを証明する意味を持ちます。
製品に表示するFSCマークは、「チェックツリーマーク」と呼ばれる木の形を模したロゴを中心に、原材料の種類を表すタイトルとテキスト、FSC認証のライセンスコードなどで構成されています。
FSCマークは木材を使用した製品に表示されます。紙のパッケージ、容器の紙ラベル、さまざまな印刷物にも見られます。FSC認証を受けていれば、一般的な印刷紙や板紙にマークを表示することができるので、通常の印刷物と同様に作成が可能です。
FSCマークが環境保全・社会貢献活動を推進する仕組み
次に、FSCマークの使用がなぜ環境保全の取り組みにつながると言えるのか、その仕組みについてお伝えします。
FSCの厳しい審査基準
FSCは認証にあたり詳細な審査基準を設けることで、FSC認証・FSCマークに高い信頼性を持たせています。世界共通の審査基準として、「10の原則と70の基準」と呼ばれる指針を策定しており、これを満たさなければ認証は得られません。
これらの原則・基準では、森林の保全が行われているかどうかという観点だけでなく、「労働者の権利」「先住民族の権利」「地域社会との関係」など、社会的・経済的観点からも適切な運用が行えているかどうかが問われます。
FSC認証は、上述の原則・基準を前提に、各国ごとに定められた指標を加えて評価されます。審査はFSCではなく、認定を受けた第三者機関によって行われます。認証機関を別に設けることで、公平、公正な審査ができる仕組みが作られています。
サプライチェーン全体の評価
製品にFSCマークを表示するには、その製品のサプライチェーン上のすべての事業者がFSC認証を受けていなければならないと定められています。製品の材料に適切に保全された森林の木材を使用していたとしても、その後の製造、流通過程で認証基準を満たさない要素があれば、持続可能な森林の活用によって生産された製品とは言えないからです。
FSC認証には「FM認証」「CoC認証」の2種類があります。FM(Forest Management)認証は、適切に管理・保全された森林に対して与えられる認証です。CoC(Chain of Custody)認証は、FM認証を受けた森林からの材料を適切に加工、流通させている事業者に対して与えられる認証です。
FSCマークのついた製品は、FM認証を受けた森林の木材が使われていることに加え、サプライチェーン上の事業者がすべてCoC認証を受けていることを表しています。ですから、パッケージやラベルをはじめその他の印刷物にFSCマークを入れるには、認証紙を使うだけでは不十分で、印刷会社がCoC認証を受けていることも条件になります。
企業にとってのFSCマーク表示のメリット
さて、製品にFSCマークを表示することは、社会貢献の意味だけでなく、営利企業としてのメリットもあります。取扱い製品にFSCマークをつけることによって、その企業が環境保全に高い意識をもち、ビジネスにおいて実践していることの証明になります。すなわち、企業イメージを向上させるための戦略の1つにもなるのです。
また、FSC認証製品は、製品そのものにFSCマークを表示できるだけでなく、その製品を宣伝する際に広告宣伝用FSCマークを使用することも認められます。製品のチラシやパンフレットにFSCマークを載せ、その製品がFSC認証製品であることを示すことで、付加価値として広く周知させることができます。パッケージやラベルへの表示ではマークが小さすぎ、宣伝効果が期待できない場合でも、販促物を通して消費者にPRすることで、マークをより効果的に生かすことができるでしょう。
広告宣伝用FSCマークの使用には条件がありますので、詳細はFSCウェブサイトを参照してください。
パッケージやラベルにFSCマークを表示する方法
最後に、FSC認証を受けたパッケージやラベルを使った商品であることを示すためにFSCマークを表示したいとき、どのような手順を踏めばよいのかについてご説明します。
まず、パッケージやラベルの印刷を、FSC認証を取得した印刷会社に依頼することが必要です。取引する印刷会社がFSC認証を受けているかどうか確認しましょう。パッケージやラベルがFSC認証基準を満たして作られていることを示す目的であれば、商品を販売する企業が自社でFSC認証を受ける必要はありません。
また、FSCマークの利用にはFSCへの事前申請が必要です。マークのサイズやフォントなどの規格は厳しく規定されているため、申請後、マークの表示方法が規定に沿っているかどうか確認が行われます。印刷会社が申請してくれることもありますので、確認してみましょう。また、承認が下りるのに時間がかかることもあるので、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
FSCマークを活用して環境保全・社会貢献活動に参加しよう
この記事では、FSCマークを利用することによる環境保全・社会貢献活動についてご紹介しました。環境になるべく負荷をかけない企業活動が今後ますます求められるようになり、企業への社会の目はさらに厳しくなると思われます。ぜひFSC認証に対する知識を持ち、FSCマークを表示できるパッケージ・ラベル作成への取り組みを始めてみてください。
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