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最終更新:2024/08/09

食品表示の基礎知識 加工食品と生鮮食品の定義

食品表示の基礎知識 加工食品と生鮮食品の定義

加工食品や生鮮食品を販売する上で、食品に関する情報を表示することは義務化されています。 しかし、「何が加工食品で何が生鮮食品か区別がつかない 」や「どのように情報を表示したらよいのかわからない」と悩まれている方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は食品表示の基礎知識として加工食品と生鮮食品について詳しく解説していきます。

加工食品と生鮮食品の定義

食品表示法では、食品の区分について加工食品・生鮮食品・添加物の3つに区分されています。

加工食品は、製造や加工をする中で、食品として変化し、新たな属性が加わります。そのため、消費者はその食品を一目見ただけでは、原材料の情報などわかりません。

生鮮食品は、流通の過程においてそのような変化がないことから、加工食品よりも簡単にその食品についての情報が分かります。JAS法や健康増進法の考え方を踏まえつつ、「加工食品」と「生鮮食品」の区分に分けていきます。

一方添加物について、食品を着色、香り付けするなどの目的として使われるもので、「加工食品」や「生鮮食品」とは違う特性などがあるため、別の区分に設けられています。

生鮮食品の特徴

日本の流通業界などでは、主に卸売市場にて取引される品目が多く、食品ではない花卉なども生鮮食品として扱われます。逆に、卸売市場を介さずに流通することの多いモヤシや卵などの品目は、生鮮食品ではなく、日配食品として扱われます。

また、ハムやソーセージなど、一部の加工食品も生鮮食品としている場合もあります。

問題点として、一般的に生鮮食品の品質の劣化は早く、貯蔵が難しいです。一か所の設備で一定の品質のものを大量生産することは不可能になってます。産地は全国、あるいは世界中に分散しています。

生産量や品質は、気候・天候に左右され、需要の変化に応じて短期間で増産、減産することは困難になってます。

流通の際には、厳格な湿度管理や迅速さが求められます。また、生産や仕入れには技量と熟練が必要とされます。

近年、クール宅急便の(ヤマト運輸)などの保冷輸送が確立されてくると、食中毒や食品劣化が起こりにくくなり、遠く離れた産地から新鮮なまま届ける流通経路の確保・拡大が可能となっております。

加工食品の特徴

加工食品とは、食品に何らかの加工を施したものでありその種類は水産練り製品・肉加工品・乳加工品・調味料・菓子類・冷凍食品・レトルト食品・缶詰食品・インスタント食品・嗜好食品など多岐にわたります。

私たちが毎日の食事で利用している食品は、動物・植物の天然のもののみならず、これらに加工・調理を施したものが多く利用されています。

食品の多くは長期保存することができません。そのために食品の品質保存・有効利用・安定供給を目的として、いろいろな手段や方法を用いて食品を加工・処理したものが、加工食品です。

近年では栄養素量を改善したり、色・香り・味などの嗜好性を高めるだけではなく、簡便性調理短縮を図るなどの目的にも利用されています。

加工食品の種類

麦類・粉類・でんぷん・野菜加工食品・果実加工食品・茶やコーヒー及びココアの調整類・香辛料・麵やパン類・穀類加工品・菓子類・豆類の調整品・砂糖類・その他の農産加工物・食肉製品・酪農製品・加工卵製品・その他の畜産加工品・加工魚類・加工海藻類・その他の水産加工品・調味料及びスープ・食用油脂・調理商品・その他の加工品飲料類

生鮮食品の種類

  • 農産物(きのこ類、山菜類及びたけのこを含む) 米穀・麦類・雑穀・豆類(収穫後調整、選別、水洗い等を行ったもの、単に切断したものを含む)野菜・果実・その他の農産物(収穫後調整、選別、水洗いなどを行ったもの、単に切断した、単に凍結させたものを含む)
  • 畜産物 肉類(単に切断、薄切り等にしたもの並びに単に冷蔵庫及び凍結したものを含む)・乳(生乳、生山羊乳、その他の乳)・食用鶏卵(殻付きのものに限る。)・その他の畜産食品
  • 水産物(ラウンド、セミドレス、ドレス、フィレー、刺身などの盛り合わせしたものを除き、むき身の単に凍結させたもの及び解凍したもの並びに生きたものを含む) 魚類・貝類・水産動物類・海産哺乳動物類・海藻類

生鮮と加工の区分

なお, JAS法では「製造」もしくは「加工」されたものが、加工食品であり「調整」もしくは選別にあたるものが生鮮食品となっています。

  • 製造 原料を使用したものとは本質的に異なる新しいものを作り上げることです。
  • 加工 あるものを材料としてその本質を保持しつつ、新しい属性を追加することです。
  • 調整 一定の作為は加えるが、加工には至らないものです。
  • 選別 一定の基準によって仕分け、分類することです。

組み合わせと混合

また、組み合わせと混合の考え方について、生鮮食品の同種混合は生鮮食品になり、異種混合は加工食品になります。異種でも単に組み合わせただけでは、生鮮食品であるという点を注意しましょう。

  • 組み合わせ・盛り合わせ いくつかの生鮮食品を単に組み合わせたり、盛り合わせたりばらばらに飲食や調理されることが想定されるもの。
  • 混合 いくつかの生鮮食品が混合されて一つの商品としてそのまま飲食、調理されることが想定されるもの

食品表示の表示箇所と対照範囲

それぞれの表示箇所と対照範囲をケース別に見ていきましょう。

生鮮食品

  • 生産場所以外で販売される場合 容器包装がない場合は、名称と原産地で大丈夫ですが、一部に限定されます。ある容器包装されている場合は、名称、原産地、その他の義務表示が必要です。食品によって添加物、消費期限、保存方法などの表示も必要となる場合があります。
  • 生産場所で直販売される場合 容器包装がない場合は、表示の適用対象外となります。容器包装がある場合は、一部の限定した項目として、摂取する際の安全性に関する表示が必要です。

加工食品

  • 製造場所以外で販売される場合 必要な表示項目は、名称・原材料(添加物、アレルギーを含む)・内容量・期限・保存方法・製造者栄養表示などになります。
  • 製造場所で販売される場合(バックヤードなど) 包装容器がある場合、名称・添加物・アレルギー・期限・保存方法・製造者等(一部限定)の表示が必要となります。包装容器がない場合、適用対象外になります。

なお適用対象外でも、生食用牛肉のリスクのみ表示が適用となるので注意しましょう。店頭のPOPやホワイトボードも使用可能です。また表示免除される場合があります。例として、量り売りや陳列販売、セルフ販売などです。

新法で変わったところ

今までは生鮮食品と加工食品の区分についてJAS法と食品衛生法で違うことがありましたが、新法になり原則JAS法の定義に基づくことになりました。

そのため、それまで生鮮食品だったのが加工食品になった例としてドライフルーツです。その逆として、加工食品だったのが生鮮食品になったものは食肉をカットしてパッキングされたものがあります。

参考:早わかり食品表示ガイド - 消費者庁

まとめ

いかがだったでしょうか。食品表示は細かく複雑なものですが、一つ一つ紐解いてくと消費者が安全第一で考えられていることが分かります。食品販売において安全と信頼が大切な要素です。より安心安全の食品販売を実現できるとよいですね。

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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