最終更新:2024/08/10
食品表示 業務用加工食品のルール

この記事では、業務用加工食品の食品表示ルールについて解説します。
業務用加工食品とは
業務用加工食品とは加工食品のうち消費者に販売される形態になっているもの以外のものをいいます。また、一般用加工食品は加工食品のうち、業務用加工食品以外のものを指します。 さらに、業務用生鮮食品とは生鮮食品のうち、加工食品の原材料となるものをいい、一般用生鮮食品は生鮮食品の形態のまま流通し、そのまま消費者に販売されるものをいいます。 例として、コロッケ弁当で具体的に解説します。
- 牛肉・豚肉(業務用生鮮食品) ↓事業者へ販売
- 牛肉・豚肉の合挽肉(業務用加工食品) ↓事業者へ販売
- ②を調味した合挽肉(業務用加工食品) ↓事業者へ販売
- ③にジャガイモなどを混ぜたコロッケ種(業務用加工食品) ↓事業者へ販売
- ④に衣をつけたもの(業務用加工食品) ↓事業者へ販売
- ⑤を揚げたコロッケ(業務用加工食品) ↓事業者へ販売
- ⑥を入れた弁当(一般用加工食品) ↓一般消費者へ販売 一般消費者
業務用加工食品の表示はなぜ必要?
元来、業務用加工食品(及び業務用生鮮食品)は業者間の信頼関係を前提としていることから、商品に関する情報のやりとりは正しく行われている、として食品表示の義務はありませんでした。 しかし、加工食品の原材料供給をしている事業者による不正があり、品質表示基準に違反した製品が全国に流通する事件が起きたことで、消費者の表示制度に対する不信感が強まりました。 このような経緯があり、業者間取引もJAS法における品質表示基準の対象とし、表示の不正を防ぎ、最終製品に適切な表示が行われるようにすることを目的に、2008年(平成20年)4月に生鮮食品品質表示基準、及び加工食品品質表示基準等が改正、施行されました。
包装容器の表示事項
業務用加工食品に必要な表示項目は、食品表示基準第10条に定められており、原則、食品表示基準第3条及び第4条に従い表示することになっています。この場合において、食品表示基準の別表第4に掲げられている個々の食品に関わる表示ルールの規定は適用されません。 なお、食品表示基準では、業務用加工食品に対し「内容量」の表示を義務付けてはいません。 「内容量」は取引において、一般的には価格とともに伝えられる事項であるためです。 ただし、例外もあり「計量法で規定する表示義務のある特定商品」や「酒類」については、表示する必要があります。
容器包装への表示を義務付けられている表示事項をご紹介します。(食品表示基準第10条)
・名称 (容器包装に入れないで販売される業務用加工食品の場合、送り状、納品書又は規格書等に表示が必要です。)
・保存方法
・消費期限又は賞味期限
・原材料名(原材料に占める重量の割合については、その高い順が分かるように表示します。)
・添加物(原材料に占める重量の割合については、その高い順が分かるように表示します。)
・食品関連事業者の氏名又は名称及び住所
・製造所又は加工所の所在地及び製造者又は加工者の氏名又は名称
・アレルゲン
・L-フェニルアラニン化合物を含む旨
・乳児用規格適用食品である旨
・原料原産地名 (原材料の重量に占める割合については、その割合が高い原産地の順が分かるように表示します。)
・原産国名
・即席めん類(即席めんのうち生タイプ即席めん以外のものをいう。)に関する事項
・無菌充填豆腐に関する事項
・食肉に関する事項
・食肉製品に関する事項
・乳に関する事項
・乳製品に関する事項
・乳又は乳製品を主要原料とする食品に関する事項
・鶏の液卵に関する事項
・切り身又はむき身にした魚介類であって、生食用のものに関する事項
・生かきに関する事項
・ゆでがにに関する事項
・魚肉ハム、魚肉ソーセージ及び特殊包装かまぼこに関する事項
・ふぐを原材料とするふぐ加工品に関する事項
・鯨肉製品に関する事項
・冷凍食品に関する事項
・容器包装詰加圧加熱殺菌食品に関する事項
・缶詰の食品に関する事項
・ミネラルウォーター類に関する事項
・冷凍果実飲料に関する事項
省略できる表示規定
清涼飲料水のうちガラス瓶又はポリエチレン製容器包装に収められたもの 酒類 生めん類、即席めん類、食肉製品、鶏の液卵、ゆでがに、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉練り製品、鯨肉ベーコンの類、マーガリン、冷凍食品、容器包装詰加圧加熱殺菌食品、弁当、調理パン、そうざい、生菓子類、清涼飲料水及び酒類を除く加工食品に該当する場合、以下の表示事項を省略できます。(食品表示基準第10条)
- 保存の方法
- 消費期限又は賞味期限
義務表示の特例(表示不要事項)
下記の場合にあっては、該当する表示事項は不要です。(食品表示基準第11条)
業務用酒類(消費者に販売される形態となっている酒類以外のものをいう。)を販売する場合、次の表示事項は不要です。
・原材料名
・アレルゲン
・原産国名
設備を設けて飲食させる施設における飲食の用に供する場合、食品を製造し、若しくは加工した場所における販売の用に供する場合、不特定若しくは多数の者に対する譲渡(販売を除く。)の用に供する場合、次の表示事項は不要です。
・原材料名
・食品関連事業者の氏名又は名称及び住所
・原料原産地名
・原産国名
容器包装に入れないで販売する場合、以下の表示事項は不要です。(食品表示基準第10条)
・保存方法
・消費期限又は賞味期限
・製造所又は加工所の所在地及び製造者又は加工者の氏名又は名称
・アレルゲン
・L-フェニルアラニン化合物を含む旨
・指定成分等含有食品に関する事項
・乳児用規格適用食品である旨
・即席めん類に関する事項
・食肉に関する事項
・食肉製品に関する事項
・乳に関する事項
・乳製品に関する事項
・乳又は乳製品を主要原料とする食品に関する事項
・鶏の液卵に関する事項
・切り身又はむき身にした魚介類であって、生食用のものに関する事項
・生かきに関する事項
・ゆでがにに関する事項
・魚肉ハム、魚肉ソーセージ及び特殊包装かまぼこに関する事項
・ふぐを原材料とするふぐ加工品に関する事項
・鯨肉製品に関する事項
・冷凍食品に関する事項
・容器包装詰加圧加熱殺菌食品に関する事項
・缶詰の食品に関する事項
・ミネラルウォーター類に関する事項
・冷凍果実飲料に関する事項
任意表示
次に掲げる表示事項が当該食品の容器包装、送り状、納品書等又は規格書等に表示される場合には、定められた表示方法で表示する必要があります。(食品表示基準第12条)
特色のある原材料等に関する事項
第7条の表の特色のある原材料等に関する事項の項に定める表示の方法を準用する。
栄養成分及び熱量
- たんぱく質、脂質、炭水化物若しくはナトリウム又は熱量を表示しようとするときは、たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウム(食塩相当量に換算したもの)の量並びに熱量を第3条第1項の表の栄養成分(たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウムをいう。以下この項において同じ。)の量及び熱量の項に定める表示の方法を準用して表示する。
- 別表第9に掲げる栄養成分(たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウムを除く。)を表示しようとするときは、当該栄養成分をたんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウム(食塩相当量に換算したもの)の量並びに熱量とともに、第3条第1項の表の栄養成分(たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウムをいう。以下この項において同じ。)の量及び熱量の項に定める表示の方法を準用して表示する。
ナトリウムの量
- ナトリウム塩を添加していない食品について、食塩相当量に加えてナトリウムの量を表示しようとするときは、第3条第1項の表の栄養成分(たんぱく質、脂質、炭水化物及びナトリウムをいう。以下この項において同じ。)の量及び熱量の項に定める表示の方法を準用して表示する。
- ナトリウム塩を添加していない食品について、食塩相当量に加えてナトリウムの量を表示しようとするときは、たんぱく質、脂質及び炭水化物の量、食塩相当量並びに熱量を本表の栄養成分及び熱量の項の1に従い表示する。
送り状、納品書等、規格書等にも表示できる表示事項
前述した容器包装の表示規定の中には、送り状、納品書等(製品に添付されるものに限る。)、規格書等(製品に添付されないものであって、当該製品を識別できるものに限る。)、に表示できる表示事項をもあるのでご紹介します。(別表第23に掲げる以外の事項)(食品表示基準第13条)
・原材料名
・食品関連事業者の氏名又は名称及び住所
・原料原産地名
・原産国名
表示禁止事項
一般用加工食品に掲げる表示禁止事項(食品表示基準第9条第1項(第12号を除く。))を、業務用加工食品の容器包装、送り状、納品書等又は規格書等への表示は禁止されています。(食品表示基準第14条)
まとめ
本記事では、食品表示基準における業務用加工食品の表示規定についてご紹介させていただきました。
業務用加工食品の表示づくりの参考にしていただければ嬉しいです。
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