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最終更新:2024/07/04

パーマ剤を化粧品OEMで作る方法

パーマ剤を化粧品OEMで作る方法

パーマ剤は薬機法では「パーマネントウェーブ剤」といわれて、医薬部外品になります。

自社でパーマ剤をプロデュースしたいけれども、医薬部外品の製造は難しいために諦めていませんか?

この記事では、パーマ剤の仕組みと種類、化粧品OEMで生産する方法を解説します。

 

パーマ剤とは

パーマ剤は、毛髪中に含まれるケラチンという硬質タンパクに作用して、髪の毛の形を変える薬剤です。

ウェーブ剤とストレート剤に大別できますが、基本原理は同じものです。

パーマ剤とカーリング剤の違い

パーマ剤は薬機法では「医薬部外品」になります。

医薬部外品は化粧品と医薬品の中間に当たる製品で、厚生労働省が許可した効果・効能を持つ「有効成分」が、一定の濃度で配合されたものです。

髪の形状を変えるほどの強い化学作用があるため、パーマ剤は医薬部外品に分類されます。

化粧品に分類されるものは、カーリング剤またはカーリング料と呼ばれます。

薬機法の定義にあるように、「人体に対する作用が緩和なもの」なので髪に優しく、自宅でのパーマにも向いています。パーマ剤に比べて髪へのダメージは少なくなりますが、カールやウェーブが取れやすいのが特徴です。

効能効果

ウェーブ剤によるウェーブ形成と、ストレート剤による縮毛矯正があります。

ストレート剤は効果が強く施術中に断毛しやすいので、美容師によるサロンでの使用が中心です。

浴式は2種類あり

  • 1浴式(1種類の薬液でパーマがかかる)
  • 2浴式(1液と2液があるタイプ)

となりますが、2浴式が中心です。

2浴式では、1液で毛髪内部の鎖を切断し(還元)、2液で鎖をつなげる(酸化)します。

使用方法

常温のコールド式とデジタルパーマに代表される加温式の2種類があります。

コールド式(コールドパーマ)

常温での薬剤反応でかけるパーマで、剤型は液体です。

加熱式に比べて扱いやすく、自宅でパーマをかけることも可能です。

濡れている時のカールが最も強くでるため、手入れの際は濡らしてからムースなどでスタイリングします。

メリット

  • 熱くないので根元からかけられる
  • 熱変性による髪のダメージが少ない
  • 工程が少なく施術時間が短い
  • スタイルチェンジが容易
  • 自宅でもパーマをかけることが可能

デメリット

  • 加温式と比べて取れやすい
  • 縮毛矯正した髪にパーマをかけられない

加温式(ホットパーマ)

加温式のパーマは、デジタルパーマに代表される熱をかけるパーマのことです。

コールドパーマとの違いは薬剤と加熱で、デジタルパーマはクリームタイプで薬剤が満遍なく浸透しやすくなっています。

髪に薬液を付けてロッドで巻いたあとに、熱を加えてカールをつけます。

60℃以上の加熱により髪のタンパク質の形が変化する「熱変性」という性質を利用しており、コールドパーマよりも固定力と定着力が高いことが特徴です。

縮毛矯正にも使われる方式で、パーマが長持ちします。

薬剤を混ぜたときに発熱する「用時調整発熱式」と機械で加温する方法の2種類があります。

乾いた時のカールが強くでるため、乾かしてからオイル等でスタイリングすることも可能です。

メリット

  • 形状記憶でカールが取れにくい
  • 縮毛矯正した髪にもかけられる
  • 毛が固い人や毛が多くてくせがある人でもOK

デメリット

  • 熱で髪が痛む
  • 熱変性の影響で髪が固くなる
  • 施術時間が長い
  • 頻ぱんなスタイルチェンジには向かない
  • 短い髪や根元からはかけられない

パーマ剤の成分組成

多くのパーマで使用されている1液と2液のあるパーマ剤を例に説明します。

1液の成分

1液の有効成分は還元剤で、還元剤はシスチン(S-S)結合を切断する働きがあります。

パーマ剤では成分により「チオグリコール酸系」または「システイン系」に別れます。

カーリング剤(化粧品)では、「亜硫酸ナトリウム」、「システアミン」が中心です。

アルカリにより髪を膨潤させて、シスチン結合を還元させるため、1液にはアルカリ剤も含まれます。

他には添加剤や、髪を保護するためにコンディショニング剤などが配合されます。

それぞれの成分の特徴は以下の通りです。

  • チオグリコール酸

親水性で、アルカリ性の還元剤です。

しっかりとしたカールを出しやすく、還元力が強いため縮毛矯正の主流の成分です。

アルカリ領域で、安定した強いウェーブが形成される特徴があります。

毛髪への負担が大きく、臭いが強いことがデメリットです。

  • システイン

親水性で、アルカリ性の還元剤です。

反応後のシステインが2剤で酸化されることにより、不溶性のシスチン結合を生成し、毛髪内部に定着してしっとりとした柔らかいカールを作り出します。

アルカリ領域で、安定した強いウェーブが形成される性質を持ちます。

毛髪への負担が大きいことと、臭いが強いことが欠点です。

  • システアミン

両親媒性(やや疎水性)で、中性の還元剤です。

化粧品登録の還元剤で、低ダメージで力強いカールが形成できます。

酸性領域でもウェーブの形成が可能で、弾力があって柔らかな仕上がりが特徴です。

独特の臭いがあります。

  • 亜硫酸ナトリウム

化粧品登録の還元剤で、以前からカーリング料の主剤として用いられてきた還元剤です。

臭いが少ないのですが、ウェーブ形成には高濃度のアルカリが必要となります。

水に溶けやすく、毛髪中に残りにくいためやわらかいカールをつくることができます。

手触りが悪くなることと、繰り返し施術するとカールがかかりにくくなることが欠点です。

  • アルカリ剤

アルカリ剤は、pHを高め、毛髪を膨潤させてパーマ剤の浸透をよくし、還元反応を促進する働きがあります。

アルカリ剤には「アンモニア」「モノエタノールアミン(アミン類)」「炭酸水素アンモニウム(中性塩)」などが配合され、アルカリ剤の種類でパーマ剤の作用が変化します。

2液の成分

2液は有効成分として酸化剤を含みます。

1液で還元されて切られたシスチン結合を、癖をつけた状態で再び結合させてカールをつけます。

主な酸化剤として、以下のものがあります。

  • 臭素酸塩類

臭素酸ナトリウムが代表です。

酸化力は弱く、ゆっくりと酸化が進むため、反応中に薬液を2度付けすることで、酸化を完了させます。

弾力があり、やや柔らかめの仕上がりです。

  • 過酸化水素

酸化作用が強く、2剤処理の時間短縮が可能です。

一気に酸化して、カールを形成します。

カールの保持力は高くなりますが、弾力が少なく、やや硬い仕上がりになります。

サロン系化粧品をOEM生産する方法

サロンは現在増え続けていて、集客のための独自性と差別化が必要とされています。

美容師の観点から生まれた、そのサロン独自の技術を織り込んだ製品を使用することで、ユーザーにはサロンでしか受けられない満足を、スタッフは自分の店でしか扱えない商品での施術に誇りを持つことができます。

サロン独自のパーマ剤はPRポイントになるほか、パーマをかけたユーザーへのヘアケア製品をサロンで販売することにより、店販での売上を見込めます。

サロン系コスメを作るならOEM生産がおすすめ

化粧品をつくるためには、薬機法や処方の開発などの困難が多いため、自社で全てを行うのは現実的ではありません。

OEM会社と連携することにより、自社で1から立ち上げるよりも低コストで、販売までの時間も短縮できます。

化粧品のOEM生産は以下のステップで行ないます。

  1. 企画提案
  2. 試作・処方決定
  3. 見積もり
  4. 製品の薬事申請(医薬部外品の場合)
  5. 発注・製造
  6. 納品

パーマ剤は医薬部外品になるため、一般化粧品よりも開発に時間がかかります。

独自処方にする場合は、薬事申請の時間も考えて余裕を持ったスケジュールにしましょう。

OEM製造の注意点

パーマ剤は医薬部外品のため、医薬部外品を製造できるOEM会社に依頼する必要があります。

多くのOEM会社は医薬部外品を製造できますが、中には化粧品のみの会社もあるので注意しましょう。

まとめ

パーマ剤はサロンでの使用が中心で、高品質のパーマ剤はサロンの集客に大いに役立ちます。

サロン系化粧品のプロデュースを考えるなら、OEM生産が成功の近道です。

この記事を参考にして、素敵なパーマ剤をつくってください。

この記事を書いた人
Beaker media 編集部's picture
株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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