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最終更新:2024/07/04

化粧品OEM 充填・包装について

化粧品OEM 充填・包装について

化粧品には様々な種類があり、洗練されたデザインの容器に充填され包装されています。

充填される中身も液体から粉体、半固体など様々であり、それぞれに応じた適切な充填方法により充填され、包装されています。

それでは化粧品はどの様な中身がどの様な方法で充填・包装されているのでしょうか。

本記事では、化粧品の充填や包装について説明していきます。

 

化粧品の充填とその種類

化粧品の充填とはどのようなことを指すのでしょうか。

まずは化粧品の充填工程までの製造工程の過程を簡単にご説明したいと思います。

化粧品製造における充填までの工程

化粧品は使用する原料の検査を行った後、秤量器を使用して、製造する量に応じて必要な分を量り取る作業(秤量工程)が行われます。原料の秤量が完了すると、続いて混合の工程へ移ります。

混合の工程では、それぞれの剤型に合った順番で量り取られた原料を混ぜ合わせる工程となり、専用の混合器が使用されます。

混合器には様々な種類があり、液体化粧品の製造で主に使用される混合釜や真空乳化釜、粉体化粧品の製造で使用される粉体混合器や粉砕機、粘性の高い原料を練りながら混ぜ合わせる混練機などがあります。

この混合工程を経たものが化粧品の中身(別名バルクと言います)となります。

製造されたバルクは検査工程で品質規格に適合しているかのチェックを受けることになります。

検査工程ではまず物性値の測定が行われ、pH計測器や粘度測定器、硬度測定器、色差計などの検査設備で測定されます。品質規格に適合したバルクのみが微生物検査を経て充填工程へ進むことになります。

化粧品の充填工程とその種類

化粧品の充填工程とは文字通り、化粧品の容器を化粧品のバルクで満たす工程を指します。

容器やバルクにも様々な種類や剤型があり、それぞれに合った充填方法が採用されています。

ここでは充填機の種類についてご説明したいと思います。

液体充填機

化粧水や乳液、美容液など液状の化粧品に用いられる充填機です。ピストンとシリンダー構造によって、容器にバルクを充填します。ベルトコンベアーに並んだ空のボトル容器に、ストロー状のノズルから液状のバルクが流し込まれる形で充填されます。

また、シャンプーやボディソープの様な泡立ちが懸念されるバルクや粘性が高く空気が入り込みやすいバルクの場合は、ストロー状のノズルがボトル内に差し込まれ、容器内に液体を流し込みながらノズルが上昇することにより泡立ちや空気の混入を抑えながら充填する機構のものもあります。

ボトル容器にバルクの充填が完了すると、ボトルの口にキャップやポンプなどの蓋が乗せられ、自動的にスクリューキャップが締められる機構により容器に封がされます。

粘体充填機

別名溶融充填機とも呼ばれ、クリーム状の低粘体のバルクや、ヘアバームやヘアワックスなどの高粘度の粘体化粧品を充填する充填機です。バルクを入れる三角錐状のホッパーにヒーターが付けられており、バルクの温度を上げてバルクの粘性を下げ、流動性を上げながら容器に充填を行います。

粉体充填機

パウダーファンデーションやパウダーアイシャドウなどの粉体化粧品を充填する充填機です。

粉体充填機には乾式充填と湿式充填の2種類に分けられます。

乾式充填は混合・粉砕が完了したバルクをアルミ皿が装填された型に流し込み、押型でそのままプレス成型を行う充填方法です。

湿式充填は、バルクにアルコールなどの揮発性溶媒を加え均一化し、泥状にしたものをアルミ皿が装填された型に流し込み、溶媒を吸い上げながらプレス成型を行い、乾燥機で余分な溶媒を乾燥させたのちに再度プレス成形を行う充填方法です。

また、ルースパウダーなど粉体のまま使用する粉体化粧品の場合は、ジャー容器に直接バルクを流し入れる専用の粉体充填機により充填を行います。

粉体化粧品の乾式充填、湿式充填についての詳しい内容や特徴は別の記事で詳しくご説明しているので、是非そちらも参考にしてみてください。

スティック充填機

口紅やリップクリーム、スティックタイプのコンシーラーなど、スティック状の固形化粧品を充填する充填機です。

まず、混錬機や真空乳化釜で製造されたバルクを熱して液状にします。そして棒状の型に流し入れて冷却することで成型し、スティック容器に差し込むことで充填が完了します。

口紅などは、見た目の均一化と艶出しを行うため、成型後に表面をガスバーナーの火を当てて整えることもあります(フレーミング)。

チューブ充填機

クリームやジェル、ヘアトリートメントなどの液状の化粧品に用いられる充填機で、主な機構は液体充填機と同様にピストンとシリンダー構造により容器にバルクを充填します。液体充填機と異なる点としては、充填後にチューブの末端を熱により圧着し蓋をする機構が備わっています。

 

化粧品の包装工程とその種類

化粧品の容器への充填が完了すると、包装工程へ進みます。

包装工程とは、充填が完了した化粧品に外装を施す工程を指し、化粧品の仕様により施される内容は異なります。

それぞれの包装方法について以下でご説明していきたいと思います。

シュリンク包装

シュリンクとは「収縮」を意味し、シュリンク包装とは主に汚れ防止などのために商品を透明フィルムで密閉することを言います。

商品をプラスチックフィルムの袋に入れ、シュリンカーに通し加熱することで、袋が熱で縮み商品をぴったりと覆うことができます。

ピロー包装

ピローとは「枕」を意味し、ピロー包装とは枕状になったプラスチックフィルムで商品を覆い、密閉することを言います。

シュリンク包装が空気を抜いた状態で商品をピッタリ覆うのに対し、ピロー包装は商品をプラスチックフィルムの袋で覆った後、空気を入れたまま密閉します。

ライン包装

多くの化粧品の包装工程では、専用設備を使用せず、ベルトコンベアーで作業を行うライン包装で行われており、輸送箱への梱包作業まで一気に行う方法が一般的となります。

例えば、化粧箱に入ったパウダー化粧品の場合は、ベルトコンベアー上に充填が完了した化粧品が流され、ラインの下流で下記の工程が流れ作業で行われます。

  1. アルミ皿を装着する容器のエアー噴射によるホコリ除去
  2. アルミ皿を装着する容器へアルミ皿用の接着剤の点下
  3. アルミ皿を容器に装着
  4. パフの装填
  5. 化粧箱の箱折り、化粧箱への箱入れ
  6. バージンシールの貼付
  7. 輸送箱への梱包

また、シャンプーやトリートメントの様な内容量が多く、化粧箱に入れない仕様の化粧品の場合は、充填完了後にベルトコンベアーに乗せられ、そのまま輸送箱へ梱包されます。

化粧品OEMでの充填や包装

化粧品OEMを利用して化粧品開発を行う場合は、化粧品の開発から製造、充填、納品までを一貫して行うことができます。

一方で、充填や包装のみを請け負う化粧品OEM企業も存在します。

例えば、自社には開発ラボと小型の製造機があり製造業許可も取っている一方で、量産に適した充填機や包装設備を設置するスペースが無い場合、充填や包装を専門とする化粧品OEMに委託することになります。

化粧品のバルク製造においては、同じ製造設備でいくつかの異なった剤型のバルクを製造することが可能ですが、充填においてはそれぞれのバルクや容器に適した充填機を設置する必要があり、包装設備も別で設置する必要があります。

コストをかけて充填や包装設備を設置することも一貫した管理体制の構築においては必要なのかもしれませんが、設備にかかるコストを最小限に抑え、充填以降の工程を外部に委託するのも一つの選択肢なのかもしれません。

まとめ

今回の記事では化粧品の充填や包装について詳しくご説明させていただきました。

化粧品の製造において充填や包装は、商品の最終段階の重要な工程となります。

化粧品の充填や包装について興味がある方は、是非この記事を参考にしてみてください。

 

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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