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最終更新:2024/08/09

化粧品容器に対する容量の決め方

化粧品容器に対する容量の決め方

化粧品開発の段階で必ず考える必要がある容量。

今回は、容量の定義や容器に対する容量の考え方、表示方法について説明します。ぜひ当記事を参考に化粧品に最適な容量を決めてください。

化粧品における容量とは

化粧品における容量とは、中身の量を重量や容量、個数などで表したものを示します。化粧品においては、10gまたは10ml以上の容量を持つものについて、内容量を示さないといけないとされています。ここでいう容量とは、容器や包装を抜いた中身(バルク)の正味の量になります。 ものによっても大きく異なりますが、一般的に洗顔料は150ml前後、化粧水は100-300ml程度、シャンプーやコンディショナーは300-500g程度、リップクリームは5g前後などがよくある容量になります。

化粧品の容量の決め方

次に化粧品開発において欠かせない容量の決定。容量の決め方にはいくつか方法があります。 ここでは代表的な容量の決め方を見てみましょう。

使用量から決める方法

一般的に容量は、”1回に使う使用量×使用する回数”で計算することが多いです。

使用量は、消費者にとってだけでなく開発者にとっても大事な指標です。使用量を定めることで、そこに回数を掛け算して容量を決めていくことができます。例えば調味料の場合、料理で平均的にどれくらいの量が使われるのかといった観点から計算されています。また、医薬品では効用がでつつ体に悪影響がでない量を計算して割り出されています。化粧品の使用量は100円玉大・500円玉大・サクランボ大といった言葉で表されることが多いですが、他にも様々な表現がされています。

使用回数は、1人あたりの使用回数に家族の人数などを掛け合わせて考えます。例えばシャンプーの場合、1日に何回髪を洗う想定かや家族が何人で使うのかといった想定のもと、使用回数が決まります。同じシャンプーでも個人向けか家族向けかといった観点で使用量は異なってきます。使用期間の想定も物や会社によって異なってきますが、一般的に1-3ヶ月ほどで使い切れるように想定されていることが多いです。また、時間と共に劣化の傾向があるリップクリームなどでは使用期限が定められていることもあります。

もちろん使用量も使用回数もあくまでも想定で、その通りに消費者が使うとは限りませんが、仮定を置くことによって商品開発が進めやすくなり、より消費者に沿った商品を開発できるようになります。

原価から決める方法

容量を原価から決める方法もあります。化粧品の内容物(バルク)はいくつかの原料を混ぜて作っており、原料や製造の原価がかかります。売価と比べながら、利益の出る原価を計算し、そこから容量を決めていく方法もあります。

原価には内容物(バルク)の原料の他に、充填コストや容器のコスト、輸送コストなど様々かかってきますので、トータルでのコストと売価のバランスを見る必要があります。

商品コンセプトなどから決める方法

他に商品コンセプトや競合品の容量を見ながら決めていく方法もあります。容器のデザインや機能・競合品などを見ながら総合的な観点で容量を決めていくといいでしょう。内容量を決めてから容器を決める方法もあれば、逆に容器を決めてからそれに合う内容量を決める方法もあります。時々に応じて商品開発をしていきましょう。

以上、容量の主な決め方をご説明しました。容量の決定は、商品開発の過程でも非常に重要なフェーズですので、使用量や原価、コンセプトなど様々な観点から決定するようにしましょう。

化粧品容器に対する容量の決め方

化粧品容器には、少なすぎず多すぎない適当な容量を設定する必要があります。 化粧品容器の容量の計り方と、化粧品容器に対する容量の下限・上限を見てみましょう。

化粧品容器の容量の計り方

化粧品容器の容量は一般的に満中量(まんちゅうりょう)で測られることが多いです。 満中量はオーバーフローとも言われ、容器に水を入れた時に何グラム入るかの指標です。オーバーフローを測る際には、水を摺り切り状態まで入れた上で、表面張力で溢れた水は取り除くようにします。

化粧品容器に対する容量の下限

化粧品容器に対する容量は、少なすぎてはいけません。 公正取引委員の規則では、以下のように定められているので、原則40%を下回らないように設計しましょう。

外容積に対する内容物体積の割合は40%を下ってはならず、かつ、40%を下らない場合であっても、なお容器の形態又は材質等に応じて適正な割合でなければならない。 ただし、次に掲げるものについては30%以上とすることができる
(1)プレス製法又はプレスアンドブロウ製法によるガラス製の容器及び成型技術上二重成型が必要なプラスチック容器であって、何れも内容量が40グラム以下のもの
(2)容器の形態上肉厚となることがやむを得ないものであって、次の図に示すような容器(類似するものを含む。)であること。

出典:化粧品の適正包装規則

また、容器に対して容量が少なすぎると消費者に対しても悪い印象を与えてしまったり、クレームに繋がることもあるので、容量に対して過大な容器は避けるようにしましょう。

化粧品容器に対する容量の上限

一方、化粧品容器に対する容量は、多すぎても不都合が生じます。

容器の容量から内容量を引いた、中身の入っていない空いている部分をヘッドスーぺースといいます。容器の作成では必ずこのヘッドスペースを取るようにしましょう。 ヘッドスペースは、充填の工程で中身が熱などで膨張した場合の容量確保や使用時の吹きこぼれ防止などの効果があります。物によりますが、10%程度はヘッドスペースを取るようにしましょう。

このように、容量や容器決める際には、化粧品容器に対する容量の下限と上限を意識して決定するようにしましょう。

容量の表示方法

化粧品を販売する際には、販売名・原産国・種類別名称・内容量・製造販売者の名称と住所・製造番号又は製造記号・使用上の注意などを書く必要があるとされています。内容量も表示必須の内容となりますので、最後に容量の表示方法についてご説明します。

記載場所

容量を含む表示が必要なものの記載場所は、直接または外部の容器あるいは被包になります。

記載方法

記載する単位は、重量あるいは体積、あるいは個数になります。重量はg・体積はmL・個数は個・本・枚などが主な単位となります。重量で測るのは天秤で測るのが適しているような粘度の高いもの、体積で測るのはシリンダーで測るのが適しているような粘度の低いもの、個数で測るのは切り分けて数えられるようなものが多いです。粘度については10,000センチポアズ(cP)を基準に考えられることもあります。

文字の大きさ

文字の大きさで規定があるのは、販売名・原産国・種類別名称の3つになります。それ以外については特に定められておらず、読める大きさであれば大丈夫です。

表示の許容誤差

基本的に表記量と内容量の許容誤差は平均3%以内とされています。 10gあるいは10ml以下の商品については、9%以内とされていますが、10個の平均で3%以内と定められています。

以上、容量の表示方法についてご説明しました。 容量を決めた後には、このように容器の表示方法についても考えるようにしましょう。

まとめ

当記事では容量の定義や大きさ、表示方法についてご説明しました。

容量の決定は、消費者の満足度を上げるために重要なだけでなく、法律にも関わる、容器開発の中で重要な過程となります。ぜひ当記事を読んで、適切な容量を設定するようにしましょう。

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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