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最終更新:2024/08/08

化粧品容器のアルミ金冠とは?

化粧品容器のアルミ金冠とは?

アルミ金冠は、容器にアルミニウムを被せることを言い、化粧品容器に用いられる代表的な加飾技術の1つです。アルミ金冠を施した容器は金属調の輝きを持ち、プラスチックにはない高級感や存在感を放ちます。 美しいビジュアルが店頭で効果を発揮するのはもちろん、各家庭でも並べておくだけで独特の印象を与えます。化粧品容器にデザインの力をプラスすることのできる魅力的な方法です。

アルミ金冠には、さまざまな加工を施すことで幅広いデザインを実現できるという特長があります。アルミ金冠と組み合わせる加工の種類について知っておくと、容器デザインを検討するときのヒントになるでしょう。また、近年ではアルミ金冠以外の金属調の加飾技術も広く使われるようになってきているため、それぞれの特徴についても理解しておくことが求められます。

この記事では、アルミ金冠の特長や加工の種類、その他の金属調加飾技術についてお伝えします。 化粧品容器の製作やデザインに携わる方は、ぜひ参考にしてください。

アルミ金冠とは何か

アルミ金冠とは、容器に金属であるアルミニウムを被せることでメタリック調を表現する加飾方法です。 主に容器のキャップやポンプディスペンサーに用いられます。多くの方が、高級な化粧品のキャップ部分が金色や銀色に輝いているのを目にしたことがあるでしょう。アルミ金冠を被せた容器には、金属の持つ独特の高級感や重厚感が加わります。商品の印象をがらりと変える効果があります。

アルミ金冠による加飾は、板状のアルミニウムに圧力をかけて形状を変え、容器に接着させることで行います。アルミニウムはほかの金属に比べて軽く、容易に加工や接着が行えるという特性があるため、金冠には主にアルミニウムが用いられています。

化粧品容器は、商品の入れものとしての役割だけでなく、消費者に対し商品をより魅力的に見せる役割も併せ持っています。そのため、化粧品容器のデザインにおいては、商品コンセプトを前提に、最も適した容器の材質(プラスチックやガラス)や形状(チューブやボトルなど)が検討されます。

容器のキャップも、デザインにおいて重要なポイントです。使い勝手などを考慮し、片手で開けられるタイプや、ねじってフタをするタイプ、ポンプタイプなどから選択されますが、併せてデザイン性も考えなければなりません。アルミ金冠は、キャップのデザイン性を上げるための選択肢の1つなのです。

化粧品容器にアルミ金冠を用いるメリット・デメリット

化粧品容器にアルミ金冠を使うメリットは、金属の輝きを加えることによるデザイン性の向上にあります。 アルミ金冠はプレスすることでアルミニウム板の形状を変えて作られますが、プレス技術が使われていることによって、ほかの金属調加飾技術とは異なる印象を作り出しています。また、後述する通りさまざまな加工を追加することができるので、求める質感やデザインを実現しやすいのもメリットです。

一方、デメリットは、容器の製作にかかるコストや工程が増えることです。商品コンセプトに照らし合わせて、アルミ金冠による加飾が効果的かどうか検討し、デザインを決めることが必要です。また、変形させた金属を容器に被せるという仕組み上、逆のテーパーがかかっているなど、被せられない形状の容器には使えません。その場合は、アルミ金冠以外の加飾技術を使うことになります。

アルミ金冠の加工の種類

では、ここからはアルミ金冠の特長である多彩な加工についてご紹介します。アルミ金冠は加工を追加することによって、さらにデザインの幅を広げられるのが魅力です。ここでは以下の4種類の加工方法を取り上げます。

  • アルマイト加工
  • サンドブラスト加工
  • エッチング加工
  • ダイヤカット

また、加工以外に、アルミ金冠の上からシルクスクリーン印刷やパッド印刷などの印刷を施すことでデザインを追加することも可能です。

アルマイト加工

アルマイト加工は、アルミニウムに使われる代表的な加工技術の1つで、金属の表面に膜を形成させる方法のことを言います。アルミニウムを電解液の中で通電・酸化させると、アルミニウム表面が酸化皮膜で覆われます。被膜が作られることによって、錆に強くなったり、傷がつきにくくなったりする効果がありますが、化粧品容器のアルミ金冠においては、アルマイト加工は主として加飾目的のために行われます。

アルマイト加工によって行える代表的な加飾は、染色です。アルマイト皮膜には染料が吸着する性質があるため、アルマイト加工を行ったアルミ金冠にはさまざまな色をつけることができます。着色しても金属の質感や光沢は残すことができるので、メタリック調のカラー表現が可能です。

染色のほかに、アルマイト加工前の下地の処理や研磨によって加工後の光沢感に違いを出すこともできます。また、アルマイト加工後に形成された皮膜を一部取り除き、取り除かれた部分に再度アルマイト加工を施して異なる色で着色することで、部分的に色を変える方法(ダブルアルマイト)もあります。

サンドブラスト加工

サンドブラスト加工は、砂状にした研磨剤を高圧噴射することによって、金属表面を削る加工です。つや消しの効果によってマットな質感を出したいときなどに使われます。

エッチング加工

エッチング加工は、薬品による腐食の作用を利用して金属を加工する技術です。アルミ金冠の一部をマスキングして保護し、一部をむき出しにした状態でエッチングを行うことで、アルミ金冠表面にデザインが作られます。

ダイヤカット

ダイヤカットは、アルミニウムをダイヤモンド製の硬質の刃で削ることによって、キラリと光る輝きを持たせる加工です。鏡のような美しい光沢を表現できます。柔らかくて加工しやすいアルミニウムならではの加工技術です。

化粧品容器に使われるその他の金属調加飾技術

アルミ金冠の知識を深めた上で、容器に金属調の表現を加えるためのその他の加飾技術についても触れておきましょう。ここでは、代表的な加飾技術である「アルミ蒸着」と「ホットスタンプ」についてご紹介します。

アルミ蒸着

アルミ蒸着は、真空蒸着という方法を用いて、容器にアルミニウムを膜状に貼り付ける方法です。真空蒸着とは、アルミニウムを真空内で加熱・気化させ、対象物の表面に薄い膜状に付着させる技術を言います。複雑な形状の曲面や、アルミ金冠が被せられない形の容器にも使うことができます。

ホットスタンプ

ホットスタンプは、圧と熱の力で金属箔を対象物に付着させる方法です。箔を貼り付けるという仕組み上、平面や円柱状の容器の周囲であればきれいに加工できますが、平面から形成されない複雑な立体曲面に貼り付けようとするとシワができてしまうため、適しません。

化粧品容器のメタリックな表現に使えるアルミ金冠

この記事では、化粧品容器に金属調の美しさを加える方法として、アルミ金冠を中心にご紹介しました。 アルミ金冠は多彩な加工技術と組み合わせることによって、容器にさまざまなデザインを施すことを可能にし、容器デザインの幅を広げてくれる手法です。金属の輝きは、ほかの素材では代えられない魅力を持っています。 コストと手間を加えても、高級感あふれる化粧品容器を作りたいときには、ぜひ選択肢の1つとして検討してみてください。

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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