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最終更新:2024/08/22

「抗うつ」「うつ病予防」を広告で謳える?「言い換え表現は?薬機法•景表法を解説

「抗うつ」「うつ病予防」を広告で謳える?言い換え表現は?薬機法•景表法を解説

ストレスの多い現代社会では、うつ病は誰もがなりえる病気と言われています。 世界中でうつ患者は増えているので、予防方法には注目度が高いです。 うつ病は、治療には長期間が必要であること、再発することが多いため、病気にならないように予防をしていくことが望ましいですよね。 今回はうつ病の予防を目的とした広告表現を用いた商品の販売に関して、薬機法や景表法に触れるのか、適切な言い換え例などを解説します。

「抗うつ」「うつ病予防」とは

「うつ病」という病気は、気分が落ち込んだり、やる気がなくなったりするもので、気分障害の一つと言われています。 以前は、「心の病気」と捉えられていましたが、近年では「脳の病気」という考え方に変わりつつあります。

抗うつとは

「抗うつ」とは、「うつ」に対抗するという意味。 「抗うつ薬」として使用されることが多い言葉です。 抗うつ薬の効果は、神経細胞間で情報を伝える神経伝達物質の働きを高める作用があり、うつ病の症状を改善させることができるものです。

うつ病予防とは

うつ病予防には、規則正しい生活や、ストレスによる負担を軽減させる、十分な睡眠や休息をとるなどです。 現段階では「これをすればうつ病は予防できる」という明確なものはまだありません。

「抗うつ」「うつ病予防」を広告で謳える?

「抗うつ」や「うつ病予防」という言葉は、医薬品や治療法という印象を与えます。 そのため、医薬品として許可されていない商品を、効能効果があるような表現で販売してしまうと、薬機法に抵触されることがあるので注意です。 次に、広告で「うつ」という言葉は使えるのか解説します。

「抗うつ」「うつ病予防」を広告表現で使うときは

医薬品以外で、脳や精神などに影響を与えると認識されるような表現はNGです。 効能効果ではなく、気分的な表現であれば問題ありません。 直接的な言い方は避けるように心がけましょう。

「メンタル(心)」「ストレス」「癒し」もNG

どれも近年ではよく使われる言葉ですよね。 日常会話のなかでも度々出てくる言葉ですが、実は広告表現としてはNG。 一つずつ解説します。

  • メンタル(心)

メンタルという言葉は、「精神」や「心」を意味する言葉になるため、使用には認められないことが多いです。 精神も心も、「体の構造や機能」を表していると考えられています。

  • ストレス ストレスという表現は元々、「寒冷や外傷、精神的ショックなどによって起きる生体内の防衛反応」を差しています。 このため、体の構造や機能に影響を及ぼすという考えなので、NGなのです。 ちなみに、似た言葉で「イライラ」もストレスを指しているという印象を与えるため、使用する際には注意が必要。
  • 癒し 傷を癒す、病気を癒すなどとしても使われるため、効能効果の表現という扱いになります。 「癒される」という言葉も精神に影響を与えると考えられているので、広告表現でしようすると薬機法抵触の恐れがあるので注意です。

健康食品での違反例

つぎに、健康食品の広告表現違反例を紹介します。 健康食品に関しては、薬機法では規制されていません。 健康食品は一般食品と同じ扱いと考えられています。 注意点としては、医薬品と誤認を与えるような表現を使わない事です。 では、健康食品の広告表現での注意点を紹介します。

健康食品で実際にあった違反例

実際にあった例で、「うつ症状を改善」という表現を用いた健康食品が不適正な表示にあたり、事業所には指導が入っています。 「うつ」と「改善」がそれぞれ薬機法に抵触する表現のため、言い換えが必要です。

言い換え表現(参考)

「うつ」や「改善」の言い換えとして うつ→「毎日の元気」や「気分すっきり」 改善→「サポート」 という言葉は広告表現として認められています。 そのため、「毎日のサポート」という表現であればOKです。

美容機器、雑貨での違反例

美容機器は薬機法の規制対象ですが、雑貨の場合は規制は受けません。 しかし、雑貨も化粧品扱いになることがあるので、注意は必要です。 美容機器と雑貨の、それぞれの違反例を紹介します。

美容機器の違反例

美容機器とは美容目的で使用する電化製品のことを差します。 健康食品の事例と同様に、効能効果があるような表現はNGです。 他にも、「特許を取得しました。高い効果があります!」という「特許」という言葉を使った表現も不適切な広告とみなされてしまいます。 特許には高い効果があるという誤解を与えてしまう恐れがあるからですね。

雑貨の違反例

雑貨なのか化粧品なのか・・・判断が難しい例の一つ、アロマオイル。 香りを楽しむだけのアロマオイルは雑貨になり、体に塗って利用する場合は「化粧品」に該当します。 「〇〇の香りで自律神経を整えよう」「塗って即実感」などの表現は雑貨としてはNG。 効能効果の範囲を超えているので、要注意です。

言い換え表現(参考)

美容機器での「特許」という言葉はNGなので、「肌をなめらかに保つ」「スペシャルケアで輝くような肌へ」などの表現であればOKです。 「〇〇の香りで自律神経を整えよう」は「〇〇の香りで気分リフレッシュ」 「塗って即実感」は「ハリ肌を目指す」などに言い換えましょう。 自信のある商品だと、アピールできる部分は全部伝えたいですよね。 しかし、その思いが誤解を招くことや、過度に期待させてしまうことがあります。 もし、違法となってしまった場合は、課徴金や刑罰のような処分や、行政指導を受けることも。 知らなかったでは済まされなくなってしまいます。

薬機法と並んで気をつけたい景表法

景表法とは、正式名称が「景品表示法」。 景表法には2種類の規制があり、「景品規制」と「表示規制」があります。 景品規制は、豪華なおまけや粗品などを規制するもので、「景品につられて合理的な判断ができなくなったりするのを防ぐ」という目的です。 ここでは表示規制について簡単に解説します。

景表法の表示規制とは

一般消費者に商品の品質が実際よりも優れていると誤解されるような表示や、有利だと思わせる価格表示などを禁止しています。 チラシやポスター、インターネット上の広告などが表示規制の対象です。

実際にあった景表法違反の事例

令和元年に、日本マクドナルドが「東京ローストビーフバーガー」等の商品ついて、成形肉を使用しているのに、ブロック肉を使用しているかのような表示をしたということがありました。 これは「景表法の優良誤認表示」にあたるとして、合計2171万円の課徴金納付命令を受けています。

景表法と薬機法の違い

薬機法は化粧品や医療関係(医薬品・医薬部外品・医療機器)に対象が定まっています。 景表法は全ての商品が対象です。 どちらも事実に基づく根拠がないのに、広告としてオーバーに表現すると違反となります。 どの分野でも商品を販売する際は、薬機法も景表法も規制に反しないか必ず確認する必要があるでしょう。

まとめ

人々がよりよい暮らしを目指すため、研究や開発などの企業努力がされていると感じる場面があります。 健康食品でも、体調が改善されることがあれば、雑貨でも化粧品のような効果を感じられることは大いにありますよね。 優れた商品を安心・安全に買っていただくためにも、薬機法や景表法をチェックしながらアピールすることが大事ですね。

※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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