最終更新:2024/07/04
髪質改善の「修復」と「補修」は薬機法で謳える?
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髪質改善の「修復」と「補修」は、化粧品や健康食品の広告で表現できるでしょうか。
髪の悩みを改善する化粧品や健康食品、美容機器の広告では「髪質改善」という表現を使用できません。
「修復」や「補修」などの関係する表現を使いたいところですが、化粧品や健康食品の広告は、薬機法や景表法で規制されているため注意が必要です。
この記事では、化粧品広告や健康食品広告における「修復」と「補修」の表現の使用について、薬機法などの法律と合わせて解説していきます。
髪質改善を目的とした商品の広告を制作する際の参考にしてみてください。
髪質改善とは
髪質改善とは、髪の毛のうねりやパサつきなどの、手触りや見た目を改善するために行う施術、または行為です。
健康な状態の髪の毛に近づける「髪質改善トリートメント」が話題となり、施術を行う美容院や専門のサロンが増えてきました。
髪質改善トリートメントを含め、美容院やサロンには以下のような髪質改善メニューがあります。
- 髪質改善トリートメント
- 髪質改善カラーエステ
- 髪質改善縮毛矯正
- 髪質改善カット
カット以外は、どれも毛髪の内部に栄養を浸透させ、補修する方法です。
髪質改善は、今よりも髪質を良くする為に行うものであり、傷んだ髪を修復できる訳ではありません。
「修復」「補修」は広告で謳える?
化粧品の広告では、「補修」は謳えますが「修復」は謳えません。
修復:壊れた部分を元通りに直すこと
補修:壊れた部分を補って直す
「修復」は、治療的な回復表現です。使用したら元通りに治り、それ以上修復を続ける必要は無い状態になることを指します。
「補修」は、物理的に損傷を補うという意味の表現です。あくまでも使用している間だけ、製品の効果によって損傷を補うことを指します。
頭髪用化粧品において使用できるのは、損傷を補う「補修」という表現のみです。
薬機法では、以下のように定められています。
第六十六条 何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
出典:医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
化粧品で「修復」という医薬品的な効果効能を謳うことはできません。使用すれば虚偽・誇大広告とみなされ、薬機法違反です。
「補修」という表現は認められていますが、広告の内容によっては誇大広告になってしまうこともあるので注意が必要です。
「化粧品等の適正広告ガイドライン」によると、毛髪の「補修」に関して広告使用が認められている表現は、以下の通りです。
(1) 認められる表現の具体例
a)一般的な補修表現
・髪を補修して髪の質感をととのえる
・傷んだ髪の毛先まで補修してなめらかに
b)枝毛等の傷んだ髪の補修
・枝毛・裂毛・パサつきなどの傷んだ髪を補修
・枝毛をコートして補修
c)髪の表面の補修表現
・髪の表面の凸凹を補修し、自然で美しいつや髪を
・キューティクルをしっかり密着させてなめらかな状態に補修
・補修成分がたんぱく繊維の隙間を埋めて補強し、キューティクルをコーティング補修
・〇○成分が傷んだ髪の表面に吸着して、しなやかな状態に補修します
d)髪の内部の補修表現
・○○成分が髪の内部まで浸透し、髪のダメージを補修します
・傷んだ髪の芯まで補修します
e)成分の特記表示の配合目的としての表現
・毛髪補修・保湿成分「○○」配合
・毛髪補修コート成分配合
・毛髪補修タンパク配合
補修の表現は、髪の毛の表面だけでなく、髪の毛の内側への補修表現も認められています。
治療的な回復の内容ではなく、傷んだ部分を戻すようなイメージです。
「補修」という表現の他にも、化粧品の広告では、使用できる効果効能の表現が限られています。
「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等について」で定められている、化粧品広告に使える効果効能の表現の中で、髪の毛や頭皮に関する表現は以下の通りです。
(1)頭皮、毛髪を清浄にする。 (2)香りにより毛髪、頭皮の不快臭 を抑える。 (3)頭皮、毛髪をすこやかに保つ。 (4)毛髪にはり、こしを与える。 (5)頭皮、毛髪にうるおいを与える。 (6)頭皮、毛髪のうるおいを保つ。 (7)毛髪をしなやかにする。 (8)クシどおりをよくする。 (9)毛髪のつやを保つ。 (10)毛髪につやを与える。 (11)フケ、カユミがとれる。 (12)フケ、カユミを抑える。 (13)毛髪の水分、油分を補い保つ。 (14)裂毛、切毛、枝毛を防ぐ。 (15)髪型を整え、保持する。 (16)毛髪の帯電を防止する。
髪質改善を目的としたトリートメントなどの広告で補修について謳う際は、これらの表現と合わせて使用することで、薬機法上の化粧品としての広告を制作できます。
化粧品での違反例
化粧品の広告では、治療的な回復表現は使用できません。
「補修」という表現を使っていたとしても、傷んだ髪の毛を治す、再生などの表現を使用することは違反となります。
a)補修という用語を用いた不適切な表現
・毛髪補修成分が傷んだ髪を再生
・傷んだ髪を補修して健康な髪の再生を促す
・毛髪補修成分が髪の内部に浸透し、傷んだ髪が回復する
・毛髪を補修し、バージンヘアが甦る
・傷んだ髪を補修して本質から髪質改善
・ダメージヘアを補修(広告全体として治療的に回復する内容である場合)
b)補修という用語と類似した毛髪の損傷部分が治療的に回復するような表現
・傷んだ髪を修復します
・傷んだ髪が回復します
・健康な髪が甦ります
言い換え表現(参考)
- 傷んだ髪を再生→傷んだ髪をなめらかに
- 健康な髪の再生を促す→しなやかな状態に
- 傷んだ髪が回復する→クシ通りがよくなる
- バージンヘアが甦る→ハリ、コシのある髪に
- 本質から髪質改善→うるおいのあるツヤ髪に
健康食品での違反例
健康食品は薬機法の対象ではありませんが、広告で医薬品的な効果効能を表現すると医薬品とみなされ、薬機法違反となります。
医薬品的ではない効果効能でも、健康食品広告での効果効能表現は、景表法や健康増進法などに違反する可能性が高いため使用しないほうが良いでしょう。
その他、健康食品の広告では、特定部位を表す表現や病名も使用できません。
- 髪のうねりを改善
- 女性ホルモンが増加!髪が甦る
- 髪に効く成分がたっぷり!ハリとツヤのある髪に修復します
言い換え表現(参考)
健康食品の広告では、サポート表現や使用感の表現が可能です。
- 髪のうねりを改善→ハリのある毎日を
- 女性ホルモンが増加!髪が甦る→女子力アップ
- 髪に効く成分がたっぷり!ハリとツヤのある髪に修復します→若々しく
美容機器、雑貨での違反例
美容機器や美容雑貨の広告で使用可能な表現は、化粧品広告と同様です。
- うねりをまっすぐに修復します
- 髪を内側から回復
言い換え表現(参考)
- うねりをまっすぐに修復します→傷んだ髪を補修して、ツヤ髪に
- 髪を内側から回復→トリートメントの浸透をサポート
まとめ
化粧品や美容機器の広告では、「補修」は使用できますが、「修復」は使用できません。
健康食品の広告では、効果効能を謳うことはできないのでどちらも使用不可です。
化粧品の広告で「補修」は認められていますが、再生や回復などの治療的回復を表現すると薬機法に違反します。
薬機法や景表法などの法律を頭に入れながら、適切な表現を用いた広告を制作していきましょう。
※違反事例、言い換え表現についてはあくまで参考として捉えてください。表現の違反等の判断については最新の情報を常にアップデートして頂くことが大切です。また、各都道府県の薬務課によって見解が異なりますので、ご理解頂きますよう宜しくお願い致します。
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