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最終更新:2024/07/04

サロンの広告で「レーザー脱毛」は謳える?

サロンの広告で「レーザー脱毛」は謳える?

脱毛サロンでレーザー脱毛を謳うことは出来ません。これは薬機法という日本の法律に違反する行為ためです。

永久脱毛もレーザー脱毛も、どちらも医師免許を保有した人が行う医療行為にあたります。そのため、医師が在籍している脱毛サロンであれば、サロン広告としてレーザー脱毛を謳うことは可能になります。

レーザー脱毛を行えるのは医師免許を保有した医師などになりますが、「脱毛=レーザー脱毛あるいは永久脱毛」と認識している人も少なくありません。これはレーザー脱毛の歴史がまだまだ浅いため、消費者の側が混同している場合があるからです。

法律違反は信用問題にも関わる事柄であるため、法律に抵触しないかどうかをしっかりと見極めることが大切でしょう。

光脱毛との違い

脱毛サロンでの脱毛は「光脱毛」

脱毛サロンで行えるのは、光脱毛と呼ばれるお手入れ方式です。

レーザー脱毛が毛根にある毛乳頭という部分を破壊することで半永久的に毛を生えてこなくする方法なのに対して、光脱毛と呼ばれる方法は周波数の弱い光を当てることで毛を薄くする方法です。

光脱毛は、毛の生えてくるサイクルである毛周期と呼ばれるものにあわせて光を照射することで、効果をより発揮させます。

光脱毛は毛であれば、産毛や細い毛にも反応して、毛を薄くしたり減毛してくれたりするのが特徴です。

毛周期にあわせた照射が効果的

毛には毛周期があり、成長期初期・成長期・退行期・休止期の4つのサイクルをぐるぐる回っています。一般的に毛一本の寿命は5年とされており、これは成長期に毛の根っこの部分にある毛乳頭が栄養を取り込み続ける期間のことです。その後、退行期に毛の成長が止まり、休止期に入ると毛が抜けていく……というのが、毛周期の自然なサイクルですが、光脱毛では毛周期の成長期に合わせて光を照射し、毛を成長できなくします。

毛はケラチンたんぱく質というたんぱく質で出来ていますが、たんぱく質は熱に弱い性質があります。光脱毛で毛に照射される光は、熱エネルギーとなってたんぱく質に届きます。たんぱく質は熱によって固まるため、毛乳頭は栄養不足になり、毛が成長できなくなります。成長できなくなった毛はその時点で退行期に移行した状態となり、さらに休止期へ移行して毛が抜けていきます。

光脱毛は、毛周期に合わせた照射が必要になるため、休止期などで毛が抜けてしまって既にない部分には反応が薄いといわれています。

毛のメラニン色素を破壊することで毛を目立たなくする

毛の中には、毛の色を決定する色素であるメラニン色素があります。このメラニン色素の種類と量で毛の色が決定されます。

光脱毛では、光を毛のメラニン色素に反応させて減毛する方法がありますが、毛のメラニン色素もまた毛周期の成長期が一番多く内包されているため、毛の成長期にあわせた照射が推奨されています。今生えている毛が薄くなることはありませんが、次に生えてくる毛が薄くなったり細くなったりします。

毛のメラニン色素を破壊する方法は、濃く太い毛に効果がありますが、メラニン色素は毛だけではなく肌にも存在する色素のため、色黒の人や日焼けした人などは肌に痛みを感じる場合があります。

レーザー脱毛との違い

レーザー脱毛と光脱毛の大きな違いは、照射される光の強さです。

光脱毛では毛根にある細胞を破壊することはありません。あくまでも毛を栄養失調の状態にすることで、毛を薄くしたり毛の量を減らしたりする方法です。そのため、毛が再び成長期になったら生えてくるというデメリットがありますが、今までのような濃く太い毛が生えてくることは稀であるとされています。

一方のレーザー脱毛は毛根の毛乳頭や毛根の立毛筋付近にあるバルジと呼ばれる部分にダメージを与えることで脱毛します。毛は毛根で細胞分裂をすることで成長していますが、実際に毛根の中の毛乳頭で細胞分裂が行われているのか、バルジで細胞分裂が行われているのかが定かではありません。そのため、レーザー脱毛では毛乳頭にもバルジにも効果が現れるようなレーザーの周波が採用され、結果として半永久的に毛が生えてこなくなります。

レーザー脱毛は光脱毛と違い、濃く太い毛を脱毛するのに向いているため、産毛や細い毛などには効果が出にくい場合があります。

「レーザー脱毛」は薬機法違反!

レーザー脱毛は医療行為

レーザー脱毛は、毛の細胞を破壊することによって永久脱毛を可能にしていますが、毛の細胞を破壊するという行為は医療行為であるとされ、医師免許を持った医師や看護師のいる医療機関でしか施術ができないものとされ、日本の薬機法という法律に記載されています。そのため、レーザー脱毛をサロン広告する場合には医師などが在籍している事が必須条件になります。

レーザー脱毛の歴史に振り回される消費者

レーザー脱毛が美容外科で広く用いられるようになったのは2002年のことです。

高周波治療が出来る「光治療」という技術が登場した時期に、レーザー脱毛と類似の効果があるとされる脱毛機が脱毛サロンの業界に入ってきたため、その機械を所有しているサロンで「脱毛サロンで永久脱毛が可能」という広告を打ち出したことに端を発します。もちろんこれは医師法に触れる広告であり、問題となった事例でもあります。

以上の事例は2002年と今からわずか20年程しか昔ではないため、消費者の中には「脱毛=レーザー脱毛あるいは永久脱毛」と認識し、脱毛サロンでの脱毛でも永久脱毛が可能であると認識している人は多くいます。

サロン広告の広告規制表現に注意

脱毛サロンの広告でレーザー脱毛という表現を使うことは、広告規制表現というものに抵触します。

  • 医療行為又は医療行為の誤認の恐れがある記載に該当する表現
  • 景品表示法・特定商取引法等に該当する表現

以上に触れる表現は、サロン広告として扱うことが出来ません。

レーザー脱毛を行っていないのに永久脱毛を行っているかのように見せるサロン広告や、医師などがいないにも関わらずレーザー脱毛が可能であることをサロン広告として記載することは、適切な表現ではないとされています。

医療脱毛における広告規制表現にも注意

サロン広告における広告規制表現は、サロンについての広告だけを気にすれば良いというわけではありません。サロン広告の広告規制は、あくまでも医療脱毛における広告規制表現をベースにしています。そのため、医療脱毛の広告として禁止されている広告は、サロン広告でも同様に禁止項目です。

まとめ

サロン広告でレーザー脱毛を謳うには、医師免許を持った医師などの医療行為を行える人が、脱毛サロンに在籍している必要があります。レーザー脱毛は毛の細胞を破壊して永久脱毛を行うことが可能であるため、医療行為であるとされているためです。

一方脱毛サロンで行うお手入れは光脱毛と呼ばれるもので、レーザー脱毛より周波の弱い光を用いて行われるため、細胞を破壊することはありません。そのため、医師免許を持っていなくても、お手入れを行うことが可能です。

サロン広告でレーザー脱毛を謳った場合、薬機法違反や医師法違反になるため、慎重に言葉を選ぶ必要があるでしょう。表現に不安がある場合は、法律違反を未然に防ぐためにも、弁護士や医療・美容の法律に詳しい人に助言を求めることがおすすめです。

この記事を書いた人
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株式会社Cogane studio

Beaker media 編集部

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