表示名称成分詳細
アカエゾマツ葉油
成分番号(JP number): 566818
- INCI
- PICEA GLEHNII NEEDLE OIL
- 定義(Description)
- 本品は、アカエゾマツ Picea glehnii の葉から得られる精油である。Picea Glehnii Needle Oil is the volatile oil obtained from the needles of Picea glehnii, Pinaceae.
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
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- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
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- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
アカエゾマツ葉油 / PICEA GLEHNII NEEDLE OIL
アカエゾマツ葉油とは
アカエゾマツ葉油はマツ科トウヒ属のアカエゾマツ(学名:Picea glehni(Fr.Schm.)Masters)の葉から得ることができる精油です(2)。
なお、化粧品成分表示名称は「アカエゾマツ葉油」であり、成分番号は566818、INCI名はPicea Glehnii Needle Oilとされています(3)。
原料であるアカエゾマツは温帯北部から亜寒帯にかけて分布する常緑針葉樹であり、東部シベリアや中国東北部、朝鮮半島に生育しています(4)。
日本においては北海道および本州の一部で生育が確認されており、特に北海道ではトドマツと同様に北海道の森林を代表する樹木として知られ、北海道北部や東部、大雪山から日高山脈にかけての山岳地帯に多く見られます(4)。
大雪山においては標高1,000~1,500mほどの高所に多く見られるほか、強風にも強く、土壌が薄くても生育するなど、樹木にとって厳しい環境でもゆっくりと生育する生命力の強い木として知られています(2,5)。
マツ科ではあるもののクロマツやアカマツよりもトウヒに近いことで知られ、若い枝の赤褐色の毛により全体が赤く見えることや樹皮を剥離すると木肌が赤くなることからアカエゾマツと名付けられました(4)。
また、植林されている数が少ないことから間伐などで枝葉の入手機会も限られており、さらにその葉は小さいため、精油の含有量も少なく、量産が難しいことでも知られています(5)。
働きと用途
においを発散する物質の中でも化粧品に香りをつけることや原料臭をかくすために添加される成分の総称を香料と言います(6,7)。
つまり香料の中には様々な単一香料や調合香料が存在し、それらをまとめて香料と表示しているため、香料と一言で言ってもその香調および香気は製品ごとに異なります。
アカエゾマツ葉油は香料として化粧品に配合され、その賦香作用を目的にアロマオイルなどに使用されています。
製品への賦香作用
アカエゾマツ葉油は甘く柔らかで、気持ちを落ち着かせるような香りが特徴です(5)。
その特徴的な香りを製品に賦香する作用があり、化粧品を始め、様々な製品へ活用されています。
安全性について
アカエゾマツ葉油は天然のアカエゾマツ葉から抽出される精油であることから安全性は高いと考えられます。
また、現時点では安全性に関する重大な報告も見当たらず、化粧品配合量および通常使用下において一般的な使用であれば安全性に問題の無い成分であると考えられます。
参考文献
(2)アカエゾマツ | 北海道立総合研究機構 (hro.or.jp),https://www.hro.or.jp/list/forest/research/fpri/gijutsujoho/doumoku-db/doumoku/akaezo/akaezo.htm 2021年12月14日アクセス.
(3)化粧品の成分表示名称リスト | 日本化粧品工業連合会 (jcia.org),https://www.jcia.org/user/business/ingredients/namelist 2021年12月14日アクセス.
(4)アカエゾマツ(赤蝦夷松) - 庭木図鑑 植木ペディア (uekipedia.jp),<https://www.uekipedia.jp/> 2021年12月14日アクセス.
(5)【アカエゾマツ】アロマミスト | フプの森(fupunomori.net),https://store.fupunomori.net/?pid=156726167 2021年12月14日アクセス.
(6)日本化粧品工業連合会(2013)「香料」日本化粧品成分表示名称事典 第3版,394.
(7)田村 健夫・廣田 博(2001)「香料」香粧品科学 理論と実際 第4版,184-203.
アカエゾマツ葉油の配合目的
- 製品への賦香作用
アカエゾマツ葉油の安全性情報
なし
日本語論文
松柏類および近縁植物の成分 (第30報):アカエゾマツ葉成分の研究 その3 PiceinおよびResveratrolの存在
刈米 達夫 , 高橋 三雄 , 伊藤 徳三 , 増谷 孝一郎 藥學雜誌 79(3), 394-395, 1959
松柏類および近縁植物の成分 (第29報):アカエゾマツ葉成分の研究 その2 新配糖体Piceidの構造
刈米 達夫 , 高橋 三雄 , 伊藤 徳三 , 増谷 孝一郎 藥學雜誌 79(2), 219-220, 1959
松柏類及び近縁植物の成分 (第21報):アカエゾマツ葉成分の研究 その1 新配糖体Piceidの構造
刈米 達夫 , 高橋 三雄 , 伊藤 徳三 , 増谷 孝一郎 藥學雜誌 78(8), 935-936, 1958
英語論文
Kayama M, Sasa K, Koike T.Tree Physiol. 2002 Jul;22(10):707-16. doi: 10.1093/treephys/22.10.707.PMID: 12091152
Ishii H, Kitaoka S, Fujisaki T, Maruyama Y, Koike T.Tree Physiol. 2007 Nov;27(11):1595-605. doi: 10.1093/treephys/27.11.1595.PMID: 17669749
Kayama M, Quoreshi AM, Kitaoka S, Kitahashi Y, Sakamoto Y, Maruyama Y, Kitao M, Koike T.Environ Pollut. 2003;124(1):127-37. doi: 10.1016/s0269-7491(02)00415-3.PMID: 12683989
Kayama M, Quoreshi AM, Uemura S, Koike T.Ann Bot. 2005 Mar;95(4):661-72. doi: 10.1093/aob/mci063. Epub 2005 Jan 13.PMID: 15650010
Ishii H, Ooishi M, Maruyama Y, Koike T.Tree Physiol. 2003 May;23(7):453-61. doi: 10.1093/treephys/23.7.453.PMID: 12670799
Kitao M, Tobita H, Utsugi H, Komatsu M, Kitaoka S, Maruyama Y, Koike T.Tree Physiol. 2012 Aug;32(8):998-1007. doi: 10.1093/treephys/tps048. Epub 2012 Jun 15.PMID: 22705862
Kayama M, Kitaoka S, Wang W, Choi D, Koike T.Tree Physiol. 2007 Nov;27(11):1585-93. doi: 10.1093/treephys/27.11.1585.PMID: 17669748