表示名称成分詳細
アクリル酸フェノキシPEG-2
成分番号(JP number): 566133
- INCI
- PHENOXY PEG-2 ACRYLATE
- 定義(Description)
- 本品は、アクリル酸とフェノール(*)のポリオキシエチレン誘導体との反応によって得られる化合物で、酸化エチレンの平均付加モル数は2であり、次の化学式で表される。Phenoxy PEG-2 Acrylate is the product obtained by the reaction of acrylic acid with a polyoxyethylene derivative of Phenol containing an average of 2 moles of ethylene oxide. It conforms generally to the formula:
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
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- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
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- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
アクリル酸フェノキシPEG-2 / PHENOXY PEG-2 ACRYLATE
アクリル酸フェノキシPEG-2とは
アクリル酸フェノキシPEG-2は化学式でCH₂=CHCOOHと表される不飽和カルボン酸であるアクリル酸を原料として生成することができます(1)。
原料となるアクリル酸はアクリル酸エステルのけん化やアクリルアルデヒドの酸化、ヒドロキシプロピオン酸の脱水、ハロプロピオン酸の脱ハロゲン化水素など様々な方法を用いて合成できます(1)。
工業的には主に、石油から得ることができるプロピレンを原料として、アクリルアルデヒドを経る2段階の酸化により合成されていることが知られています(1)。
このアクリル酸とフェノールのポリオキシエチレン誘導体との反応によって得ることができ、酸化エチレンの平均付加モル数が2である化合物をアクリル酸フェノキシPEG-2と言います。
ちなみに名称に含まれるPEGとは親水性をもつ生体適合ポリエステルであるポリエチレングリコールのことであり、表面改質用途などの生物医学研究分野で汎用されていることを始め、医薬品や食品、化粧品など幅広くその使用が承認されている成分です(3)。
また、ポリエチレングリコール(PEG)はポリエチレンオキシド(PEO)またはポリオキシエチレン(POE)と呼ばれることでも知られています(3)。
なお、アクリル酸フェノキシPEG-2の化粧品成分表示名称は「アクリル酸フェノキシPEG-2」であり、成分番号は566133、INCI名はPhenoxy PEG-2 Acrylateとされています(4)。
働きと用途
アクリル酸フェノキシPEG-2は化粧品成分として皮膜形成剤に分類されており、以下の作用を有すると考えられます(2)。
皮膜形成作用
化粧品原料は保湿作用などの機能性をもたらす成分を始め、基剤(ベース成分)と呼ばれる成分、香料・色素成分、補助成分に大きく分けることができます(5)。
皮膜形成剤とは乾燥することにより、皮膚や毛髪または爪の上に皮膜を形成することを目的に使用される成分を言い、ネイル系やパック系、整髪系、メイクアップ系など様々な製品への配合が知られています(6,7,8,9)。
現時点では配合されている市販化粧品は確認できませんが、アクリル酸フェノキシPEG-2の配合目的が皮膜形成剤となっていることから、皮膜形成作用を有すると考えられます(2)。
安全性について
現時点ではアクリル酸フェノキシPEG-2の安全性に関する重大な報告は見当たりませんでした。但し、原料となるアクリル酸については動物実験ではあるものの皮膚腐食性/刺激性や皮膚感作性(アレルギー性)が確認されています。また、眼刺激性についても確認されています(10)。
以上のことから使用に際しては念のため事前にパッチテストを行うなど、注意の必要な成分であると考えられます。
参考文献
(1)アクリル酸とは - コトバンク(参照項:森北出版「化学辞典(第2版)」、小学館「日本大百科全書(ニッポニカ)」、株式会社平凡社「世界大百科事典 第2版」) (kotobank.jp),<https://kotobank.jp/word/アクリル酸-24824> 2021年12月21日アクセス.
(3)ポリエチレングリコール(PEG・PEO) (sigmaaldrich.com),https://www.sigmaaldrich.com/JP/ja/products/materials-science/biomedical-materials/polyethylene-glycol 2021年12月21日アクセス.
(4)化粧品の成分表示名称リスト | 日本化粧品工業連合会 (jcia.org),https://www.jcia.org/user/business/ingredients/namelist 2021年12月21日アクセス.
(5)化粧品OEMに関する基礎知識 ベース成分(基剤)について (bentenmarket.com),https://info.bentenmarket.com/oem/oem-248/ 2021年12月21日アクセス.
(6)日本化粧品工業連合会(2013)「皮膜形成剤」日本化粧品成分表示名称事典 第3版付録,718-722.
(7)福原 信和(1972)「化粧品における水溶性高分子の利用」高分子(21)(5),250-253. ,<DOI:10.1295/kobunshi.21.250.> 2021年12月21日アクセス.
(8)田中 宗男・熊谷 重則(1990)「美を演出する高分子(化粧品)」高分子(39)(11),802-805. ,<DOI:10.1295/kobunshi.39.802.> 2021年12月21日アクセス.
(9)鈴木 一成(2012)「皮膜形成剤」化粧品成分用語事典2012,604-605.
(10)職場のあんぜんサイト:化学物質:アクリル酸 (mhlw.go.jp),https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/0002.html 2021年12月21日アクセス
アクリル酸フェノキシPEG-2の配合目的
- 皮膜形成作用
アクリル酸フェノキシPEG-2の安全性情報
なし
日本語論文
なし
英語論文
なし