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表示名称成分詳細

アカマツ葉

成分番号(JP number): 565971

INCI
PINUS DENSIFLORA LEAF POWDER
定義(Description)
本品は、アカマツ Pinus densiflora の葉である。Pinus Densiflora Leaf Powder is the powder obtained from the dried, ground leaves of Pinus densiflora, Pinaceae.
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
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中国の規制情報(Chinese regulation information)
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韓国inci(KR/ハングル/성분명)
소나무잎가루
CAS No.
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EC No.
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EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

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原料情報

アカマツ葉 / PINUS DENSIFLORA LEAF POWDER

アカマツ葉とは

アカマツ葉はマツ科マツ属の常緑高木針葉樹であるアカマツ(学名:Pinus densiflora)の葉です(1,2)。

なお、化粧品成分表示名称は「アカマツ葉」であり、成分番号は565971、INCI名はPinus Densiflora Leaf Powderとされています(1)。

原料となるアカマツは日本をはじめ、朝鮮半島や中国東北部など広く分布していることで知られており、屋久島が天然分布の南限地となっています(2)。

その樹皮は赤褐色または黄褐色をしていることが特徴であり、それが和名であるアカマツの由来となっていると言われています(2)。 葉は淡黄緑色を呈し、針状で細長く、球果は卵状円錐形で淡黄褐色をしています(2)。

また、アカマツは木材として建築材や土木用材などに利用されるだけではなく、木毛はパルプとして利用され、木からは松脂、葉からは香料や強壮剤の原料、根からはテレビン油やタールを採取できることでも知られています(2)。

さらに高級食材である松茸はアカマツの密集している林に生えることでも知られており、食品分野においても伝統的に利用されています(3)。

働きと用途

アカマツ葉は化粧品成分として抗菌剤に分類されており、以下の作用があると考えられます(4)。

抗菌作用

化粧品原料は保湿作用などの機能性をもたらす成分をはじめ、基剤(ベース成分)と呼ばれる成分、香料・色素成分、補助成分に大きく分けることができます(5)。

抗菌剤とは有害な微生物の殺菌や増殖の抑制・阻害する成分を言い、防腐剤や殺菌剤を便宜的に称して呼んでいます(6)。

化粧品において抗菌成分はその目的により以下の2種類に分けられます。

  • 防腐:製品の品質を長期間安定させることを目的として、製品自体の微生物の増殖を抑制する成分
  • 皮膚に存在する微生物の増殖抑制:皮膚表層部や皮膚および頭皮表面において過剰に増殖し、健常性を損なう原因となる微生物の増殖を抑制する成分

現時点では配合されている市販化粧品が確認できないため、具体的な作用は不明ではあるものの、アカマツ葉の配合目的は抗菌剤となっており、抗菌に関わる作用を有すると考えられます(4)。

安全性について

アカマツ葉はアカマツ由来の天然の成分です(1)。

また、現時点では安全性に関する重大な報告も見当たらず、化粧品配合量および通常使用下において一般的な使用であれば安全性に問題の無い成分であると考えられています。

但し、植物が原料となっていることからアレルギーを発症する可能性があり、念のため使用前にパッチテストを行うなど注意が必要です。

参考文献

(1)化粧品の成分表示名称リスト | 日本化粧品工業連合会 (jcia.org),https://www.jcia.org/user/business/ingredients/namelist 2022年1月6日アクセス.

(2)森林総合研究所 九州支所/アカマツ (affrc.go.jp),https://www.ffpri.affrc.go.jp/kys/business/jumokuen/jumoku/zukan/akamatu.html 2022年1月6日アクセス.

(3)農山村支援センター jirei201.pdf (nousanson.jp),http://nousanson.jp/satoyama/wp-content/uploads/2013/04/jirei201.pdf 2022年1月6日アクセス.

(4)アカマツ葉(化粧品):Cosmetic-Info.jp,https://www.cosmetic-info.jp/jcln/detail.php?id=14343 2022年1月6日アクセス.

(5)化粧品OEMに関する基礎知識 ベース成分(基剤)について (bentenmarket.com),https://info.bentenmarket.com/oem/oem-248/ 2022年1月6日アクセス.

(6)化粧品用語集 | ライブラリー | 日本化粧品技術者会 SCCJ (sccj-ifscc.com),https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/543 2022年1月6日アクセス.

アカマツ葉の配合目的

  • 抗菌作用

アカマツ葉の安全性情報

なし

日本語論文

P-67 クマザサ・アカマツ葉・ニンジンエキス配合剤によるラット培養血管平滑筋細胞の増殖抑制作用

杉原 義享 , 是永 壮史 , 小屋 佐久次 , 恒枝 宏史 , 木村 郁子

和漢医薬学雑誌 18(supplement), 113, 2001

生薬製剤「松寿仙」及びその構成生薬のin vitroにおけるマクロファージ活性に及ぼす影響

富岡 秀雄 , 小屋 佐久次 , 佐竹 史明 , 中村 正 , 倉茂 達徳

北関東医学 50(6), 523-528, 2000

針葉樹エキスで人も自家用畑も健康--スギ・アカマツ・アスナロ・クマザサの青葉アルコールを生かす (わが家畑を病害虫からこの手で守る)

佐藤 明男

現代農業 78(6), 334-337, 1999-06

混合アレルゲンエキス及び構成アレルゲンエキス皮内反応の相互関係

石崎 達 [他] , 伊藤 幸治 , 梶野 宗幹

英語論文

The natural phytochemical trans-communic acid inhibits cellular senescence and pigmentation through FoxO3a activation.

Kim J, Kang YG, Choi DH, Cho YU, Cho SY, Choi H, Kim HJ.Exp Dermatol. 2019 Nov;28(11):1270-1278. doi: 10.1111/exd.14025. Epub 2019 Oct 14.PMID: 31461579

Brown Pine Leaf Extract and Its Active Component Trans-Communic Acid Inhibit UVB-Induced MMP-1 Expression by Targeting PI3K.

Huh WB, Kim JE, Kang YG, Park G, Lim TG, Kwon JY, Song DS, Jeong EH, Lee CC, Son JE, Seo SG, Lee E, Kim JR, Lee CY, Park JS, Lee KW.PLoS One. 2015 Jun 11;10(6):e0128365. doi: 10.1371/journal.pone.0128365. eCollection 2015.PMID: 26066652 Free PMC article.

Inhibitory effects of plant extracts on tyrosinase, L-DOPA oxidation, and melanin synthesis.

Hwang JH, Lee BM.J Toxicol Environ Health A. 2007 Mar 1;70(5):393-407. doi: 10.1080/10937400600882871.PMID: 17454565