表示名称成分詳細
アカシアビクトリエ種子油
成分番号(JP number): 565364
- INCI
- ACACIA VICTORIAE SEED OIL
- 定義(Description)
- 本品は、Acacia victoriae の種子から得られる油である。Acacia Victoriae Seed Oil is the oil expressed from the seeds of Acacia victoriae, Fabaceae.
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
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- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
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- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- CAS No.
- 1542151-07-4
- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
アカシアビクトリエ種子油 / ACACIA VICTORIAE SEED OIL
アカシアビクトリエ種子とは
アカシアビクトリエ種子油はアカシアビクトリエ(Acacia victoriae)の種子から得ることができる油です。
なお、化粧品成分表示名称は「アカシアビクトリエ種子油」であり、成分番号は565364、INCI名はAcacia Victoriae Seed Oilとされています(1)。
原料となるアカシアビクトリエはオーストラリア原産の低木です(2)。
オーストラリアには1,200種類のアカシアが生育していることで知られ、アカシアビクトリエはその中の一つになります(3)。
アカシアビクトリエは乾燥した気候で生育し、樹高5~6mほどに成長します(2)。
また、その枝は小さなトゲで覆われ、特徴的な強い香りをもつ黄色の花をつけます(2)。
葉や種子については動物の食料となるだけではなく、特に種子はオーストラリアの原住民であるアボリジニが食品用途として使用していたことでも知られています(2)。
働きと用途
アカシアビクトリエ種子油の配合目的は酸化防止剤、保水剤、皮膚コンディショニング剤(未分類)となっています(4)。
そのことから以下の作用があると考えられます。
酸化防止作用
酸化防止剤とは化粧品原料の酸化反応を防ぐことや酸化の開始を遅らせることを目的として用いられる成分を言います(5,6)。
現時点では市販化粧品が見当たらないものの、アカシアビクトリエ種子油の配合目的が酸化防止剤となっていることから、化粧品成分の酸化安定性を保つ作用があると考えられます(4)。
製品自体の保水
保水剤とは製品自体の水分を保留し、乳化系や可溶化系の安定性を保持することを目的に配合される成分を言います(7,8,9)。
現時点では市販化粧品が見当たらないものの、アカシアビクトリエ種子油の配合目的が保水剤となっていることから、製品自体の保水作用があると考えられます(4)。
皮膚コンディショニング作用
皮膚コンディショニング剤(未分類)とは皮膚に機能的効果をもたらすために用いられる物質あるいは成分と定義されています(10)。
皮膚コンディショニング剤(未分類)の定義にある皮膚の機能的な効果には主にバリア改善作用、抗炎症・抗アレルギー作用、抗酸化作用、細胞賦活作用、美白作用、抗老化作用など様々なものがあります。
実際の分類では天然保湿因子(NMF:natural Moisturizing Factor)を補って保湿作用をもつ成分も皮膚コンディショニング剤(未分類)に分類されていることもあり、基本的には保湿も含む機能的な効果をもたらす成分全般を指していると考えられています。
現時点では市販化粧品が見当たらないものの、アカシアビクトリエ種子油の配合目的が皮膚コンディショニング剤(未分類)となっていることから、皮膚コンディショニングに関わる作用があると考えられます(4)。
安全性について
アカシアビクトリエ種子油はアカシアビクトリエの種子由来の天然の油です(1)。
また、現時点では安全性に関する重大な報告も見当たらず、化粧品配合量および通常使用下において一般的な使用であれば安全性に問題の無い成分であると考えられています。
参考文献
(1)化粧品の成分表示名称リスト | 日本化粧品工業連合会 (jcia.org),https://www.jcia.org/user/business/ingredients/namelist 2021年12月16日アクセス.
(2)アカシア・ビクトリア (archive.org),https://web.archive.org/web/20120316050954/http:/arboretum.arizona.edu/taxa/Acacia_victoriae.html 2021年12月16日アクセス.
(3)オーストラリアの在来植物 - オーストラリア政府観光局 (australia.com),https://www.australia.com/ja-jp/facts-and-planning/about-australia/australias-plants.html 2021年12月16日アクセス.
(4)アカシアビクトリエ種子油(化粧品):Cosmetic-Info.jp,<https://www.cosmetic-info.jp/> 2021年12月16日アクセス.
(5)田村 健夫・廣田 博(2001)「酸化防止剤」香粧品科学 理論と実際 第4版,221-226.
(6)日光ケミカルズ株式会社(2006)「酸化防止剤」新化粧品原料ハンドブックⅠ,471-475.
(7)日本化粧品工業連合会(2013)「保水剤」日本化粧品成分表示名称事典 第3版付録,746-748.
(8)光井 武夫(2001)「保湿剤」新化粧品学,152-156.
(9)尾沢 達也(1969)「保湿剤(Humectant)」ファルマシア(5)(10),685-690. <DOI:10.14894/faruawpsj.5.10_685.> 2021年12月16日アクセス.
(10)日本化粧品工業連合会(2013)「皮膚コンディショニング剤(未分類)」日本化粧品成分表示名称事典 第3版付録,692-715.
アカシアビクトリエ種子油の配合目的
- 酸化防止作用
- 製品自体の保水
- 皮膚コンディショニング作用
アカシアビクトリエ種子油の安全性情報
なし
日本語論文
なし
英語論文
Agboola S, Ee KY, Mallon L, Zhao J.J Agric Food Chem. 2007 Jul 11;55(14):5858-63. doi: 10.1021/jf070656c. Epub 2007 Jun 9.PMID: 17559228
Adiamo OQ, Netzel ME, Hoffman LC, Gidley MJ, Sultanbawa Y.J Sci Food Agric. 2021 Aug 30;101(11):4681-4690. doi: 10.1002/jsfa.11113. Epub 2021 Feb 12.PMID: 33491776