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表示名称成分詳細

フィトステリルグルコシド/グルコシルセラミド

成分番号(JP number): 565217

INCI
PHYTOSTERYL GLUCOSIDE/GLUCOSYLCERAMIDE
定義(Description)
本品は、モモPrunus persicaの果皮及び果肉から得られるフィトステロールグルコシドとグルコシルセラミドの複合体である。Phytosteryl Glucoside/Glucosylceramide is a complex containing Phytosteryl Glucoside and Glucosyl Ceramide isolated from the peel and pulp of Prunus persica
日本の規制情報(Japanese regulation information)
中文inci(CN/中国名称)
中国の規制情報(Chinese regulation information)
韓国inci(KR/ハングル/성분명)
피토스테릴글루코사이드/글루코실세라마이드
CAS No.
85116-74-1
EC No.
-
EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)

-

原料情報

フィトステリルグルコシド/グルコシルセラミド / PHYTOSTERYL GLUCOSIDE/GLUCOSYLCERAMIDE

フィトステリルグルコシド/グルコシルセラミドとは

フィトステリルグルコシド/グルコシルセラミドは、成分番号 565217、INCI名 Phytosteryl Glucoside/Glucosylceramideで、本品は、モモPrunus persicaの果皮及び果肉から得られるフィトステロールグルコシドとグルコシルセラミドの複合体と定義されます(1)。

慣用的に、桃セラミド、ピーチセラミドという表現をされることもあります。

2008年に、NHK放送文化研究所世論調査部が「日本人のすきなもの」という調査を実施した結果、20歳から59歳までの女性の好きな果物は、1位がイチゴで、2位が桃でした。

この結果を見ると、20~50代の女性のなかで桃のイメージは、とても良好なことが推察できます。

フィトステリルグルコシド/グルコシルセラミドは、桃の持つ女性への良好なイメージを化粧品の原料として利用することで、商品訴求力のある原料として開発されました。

桃からセラミド成分を効率良く安全に抽出する方法は特許として出願され、公開されています(2)。

桃には、桃(果肉・皮)には、乾燥品に1.7mg/gが含まれており、多くの植物の中セラミドが高純度に含まれていることが判明しています。

桃を出発原料とし、独自のセラミド抽出精製技術によって製品化し、高品質で比較的低価格にした製品がフィトステリルグルコシド/グルコシルセラミドです(3)(4)。

働きと用途

フィトステリルグルコシド/グルコシルセラミドは、水に分散しやすい物質です。

100℃60分の加熱で低減せず、130℃60分の加熱でも90%以上が残存し、加熱に強い物質です。

また、PH2~10の範囲で、溶解性の低下がありません。

皮膚表面の層を角層といいますが、角層の細胞の間には細胞間脂質と呼ばれる脂質が存在します。角層細胞と角層の細胞間脂質は、レンガとモルタルに例えられる関係です。

健康な肌の角層では、角層細胞の間で、細胞間脂質が角層細胞どうしをつなぎとめる働きをします。

細胞間脂質は、セラミド、コレステロールなどを成分とする脂質の層と水分子の層が規則正しく何層も重なり合い、「ラメラ構造」と呼ばれる層状の構造をつくっています。

ラメラ構造は、疎水層と親水層を繰り返すミセル様の構造をしており、この構造が、脂質が水分を挟み込み、肌の水分を維持する機能を持っていると考えられています。

このバリア機能は、皮膚内に水分が過剰にあるときは蒸散でき、ある一定の水分を肌に保持する働きをしており、外的刺激から皮膚を防御するといった重要な役割を担っています。

細胞間脂質の構成は、セラミド、糖脂質、コレステロール、コレステロールエ ステル、遊離脂肪酸で構成されています(5)。

角層細胞間脂質のラメラ構造が形成されるためには、セラミド、脂肪酸、コレステロールなどの脂質成分の構成比が重要で、その比率の偏りが、ラメラ構造の性状を変化させ、肌のバリア機能を損ないます。

健康な肌では、細胞間脂質はセラミド、コレステロール、遊離脂肪酸が1:1:1(重量比でセラミド50%、コレステロール25%、遊離脂肪酸10%~20%)の割合で存在するのが理想的です。

植物由来セラミドは、肌の角質層に存在する細胞間脂質のラメラ構造のセラミドを補う効果があります。

フィトステリルグルコシド/グルコシルセラミドについても、他の植物性セラミドと同様に保湿性、バリア性が認められています。

また、ヒト三次元培養皮膚での実験では、フィトステリルグルコシド/グルコシルセラミドにセラミドを増加させる効果が確認され、皮膚の保湿効果・バリア機能を増加させることが示唆され、特許出願中となっています(3)。

安全性

フィトステリルグルコシド/グルコシルセラミドは、人類が古来食してきた桃が原料となっており、内服においても安全性は検証されています(6)。

参考文献

(1) 日本化粧品工業連合会 フィトステリルグルコシド/グルコシルセラミド 平成13年3月6日付医薬審発第163号・医薬監麻発第220号厚生労働省医薬局審査管理課長並びに同監視指導・ 麻薬対策課長通知

(2) 桃抽出物及びその製造方法 出願日2014年9月3日 番号2014-179601 公開日2016年4月14日 番号2016-053008

(3) ピーチセラミド®|オカヤス株式会社 医薬品原料・化粧品基材などの製造、販売、OEM抽出精製を行っております (okayasu1935.co.jp)

(4) ピーチセラミドの開発と事業化 平成26年2月3日 3-25-227「中小企業の事業承継の促進のための中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律等の一部を改正する法律(令和2年法律第58号)認定実例

(5) 皮膚角質細胞間脂質の構造と機能 芋 川 玄 爾 花王基礎科学研究所 油化学 第4巻 第10号 (1995)

(6) 小池田 崇史  岡安 武蔵 増田 康 齊藤 正実 ピーチセラミドの過剰量での長期摂取による安全性の評価 診療と新薬・第 53 巻 第 4 号(2016 年 4 月)

フィトステリルグルコシド/グルコシルセラミドの配合目的

  • バリア機能
  • 保湿効果
  • セラミド増加効果

フィトステリルグルコシド/グルコシルセラミドの安全性情報

(1)より、皮膚刺激なしと報告されているため、一般に皮膚刺激性はほとんどないと考えられます。

(1)オカヤスの安全性データ

日本語論文

なし

英語論文

なし