表示名称成分詳細
セラミドNG
成分番号(JP number): 564988
- INCI
- CERAMIDE NG
- 定義(Description)
- 本品は、飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸が結合したD-エリトロ形のスフィンガニン(*)からなるN-アシル化スフィンゴリピドである。Ceramide 2
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 세라마이드엔지
- CAS No.
- 2304-80-5
- EC No.
- -
- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
-
原料情報
セラミドNG / CERAMIDE NG
セラミドNGとは
セラミドNGはスフィンゴ塩基の1つであるジヒドロスフィンゴシンのアミノ基(-NH2)に飽和脂肪酸または一価不飽和脂肪酸がアミド結合したヒト皮膚同一型セラミドです。
生体膜の構築には多くの複合脂質が関与しており、それらはスフィンゴ脂質とグリセロ脂質の2種類に分けることができます。また、複合脂質は親水部と疎水部である2本の長鎖化合物からなります。グリセロ脂質は疎水基が2本とも脂肪酸なのに対し、スフィンゴ脂質は疎水部の1つが脂肪酸でもう1つが長鎖塩基です。
セラミドNGの構成要素であるジヒドロスフィンゴシンはこの長鎖塩基の1種です。
ジヒドロスフィンゴシンは脊髄・末梢神経・腎・血液など、動物組織に多く分布していますまた、カビや酵母・バクテリアなどにも存在しており、自然界に多く存在する長鎖塩基の1つと思われています。
多くのセラミドが角質層に存在して肌の健康に関わっていりますが、セラミドNGは特に多くの割合を占めており(細胞間脂質構成成分の50%をセラミドが占めており、さらにセラミドのうち21%をセラミドNGが占めております)、セラミドのなかでも最も高い保湿機能を持つと言われています。セラミNGの量の増減が肌の乾燥具合に大きな影響を与えていると考えられています。
そして、この保湿性が注目され、セラミドNGはスキンケアを目的とした化粧品の分野で用いられています。
その他にもセラミドNGは髪の強度強化およびキューティクル改善の効果も期待されています(1)(2)。
高砂香料工業株式会社 ファインケ ミカル事業本部ファイン&アロマケミカル研究所の石田賢哉氏の論文『光学セラドの開発と機能』のは以下の通り記載されています。なお、セラミド2がセラミドNGを指しています。
細胞間脂質構成成分等の 機能を訴求したものが多くみられ、いわゆるダメージケア分野への消費者ニーズは高まっている。本章では光学活性セラミド2に次いで開発して光学活性セラミド5[(2S,3R)-2- (2-hydroxyhexadecanoyl)aminooctadecane-1,3-diol] とセラミド2を併用したベシクル製剤(セ ラ ミ ド濃度:4%)がそれぞれのセラミド単独配合品と比較してバリア―機能、水分保持能共に向上することを確認している。これはセラミド併用によるラメラ構造の安定化を示唆するものである。クロロホルム・エタノール処理により誘発したダメージ毛に対するセラミド(0.5%)トリートメントの効果を表面摩擦係数(MIU)により検証したところ、溶媒処理により上昇した摩擦係数は光学活性セラミド配合トリートメント処理により回復し、その改善効果はセラミド5/セラミド2併用系がセラミド2単独配合品より高い効果を与えた。毛髪表面のSEM像からもダメージヘアーのキューティクルがセラミド併用トリートメント処理によって明らかに改善されていることが確認され、摩擦係数との相関を認めた。また、同様のトリートメントをブリーチ処理によりダメージ毛に適用し、引っ張り破断強度(5cm/min)を測定したところ、セラミド含有トリートメント処理により回復し、その強度改善効果はセラミド5/セラミド2併用系がセラミド2単独配合品より有意に高い効果を与えた。以上の試験はセラミド4%ベシクルをコンディショナー基剤にて希釈分散したものを使用した結果であるが、セラミド併用による相乗効果が損傷毛髪にて確認され、角層のモルタル役と同様に毛髪でもセラミドが C.M.C成分としての接着因子として機能することが推察された。(石田賢哉『光学活性セラミドの開発と機能』)(3)
これらのことから、セラミドNGは有用な化粧品原料と考えられます。
参考文献
- 化粧品成分ジャーナル『化粧品成分オンライン』https://www.notion.so/e73f1f3504ea4009b2344d527062bd72#89c1eb52b0ff4eb4877e954076e23616
- 中野 益男 藤野 安彦『スフィンゴシンの生化学』ja (jst.go.jp)
- 石田賢哉『光学活性セラミドの開発と機能』ja (jst.go.jp)
- 一般社団法人 日本食品添加物協会『食品添加物の指定添加物リスト』食品添加物一覧 | 日本食品添加物協会 (jafaa.or.jp)
- 一般社団法人 日本食品添加物協会『食品添加物の既存添加物リスト』食品添加物一覧 | 日本食品添加物協会 (jafaa.or.jp)
セラミドNGの配合目的
- 肌のバリア機能修復(1)
- 肌の保湿(1)
- 髪のキューティクル改善(1)
- 化粧品成分ジャーナル『化粧品成分オンライン』https://www.notion.so/e73f1f3504ea4009b2344d527062bd72#89c1eb52b0ff4eb4877e954076e23616
セラミドNGの安全性情報
https://online.personalcarecouncil.org/ctfa-static/online/lists/cir-pdfs/PRS674.pdf
日本語論文
なし
英語論文
[The potential effects of linalool on enantioselective skin permeation of norgestrel].
Rong Y, et al. Yao Xue Xue Bao. 2014.PMID: 25322561 Chinese.
Sahle FF, et al. J Pharm Biomed Anal. 2012.PMID: 22113165
Lesellier E, et al. J Chromatogr A. 2003.PMID: 14601832
Distribution and metabolism of sphingosine in skin after oral administration to mice.
Ueda O, et al. Drug Metab Pharmacokinet. 2010. PMID: 20877136 Free article.
Tessema EN, et al. Anal Bioanal Chem. 2018.PMID: 29947900