表示名称成分詳細
γ-ドコサラクトン
成分番号(JP number): 563448
- INCI
- GAMMA-DOCOSALACTONE
- 定義(Description)
- 本品は、次の化学式で表される有機化合物である。Gamma-Docosalactone is the organic compound
- 日本の規制情報(Japanese regulation information)
- 中文inci(CN/中国名称)
- 中国の規制情報(Chinese regulation information)
- 韓国inci(KR/ハングル/성분명)
- 감마-도코사락톤
- CAS No.
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- EC No.
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- EUの規制情報(Restriction/Annex/Ref#)
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原料情報
γ-ドコサラクトン / GAMMA-DOCOSALACTONE
γ-ドコサラクトンとは
γ-ドコサラクトンはエルカラクトンとも呼ばれ、ナタネの種子より得ることができるエルカ酸(cis-13-ドコセン酸)から誘導された植物由来のラクトンです。γ-ドコサラクトンは熱により傷んだ毛髪と結合してキューティクルを改善することで知られ、またその持続性についても特徴があります。
なお化粧品成分表示名称は「γ-ドコサラクトン」であり、成分番号は563448、INCI名はGamma-Docosalactoneとされています(3)。
働きと用途
γ-ドコサラクトンは加齢や紫外線、ドライヤーなどの熱で傷んだ毛髪のキューティクルを修復するコンディショニング成分として知られ、毛髪表面に付着することにより、毛髪のうねりや絡まり、ハリやコシの改善が期待されます(1)。
その効果を目的として、シャンプーやコンディショナー、トリートメント、カラートリートメント、ヘアスタイリング剤など様々な製品に活用されています。
キューティクル改善作用
毛髪は5~10層の重なり合った平らなうろこ状の構造の保護外膜であるキューティクル(毛小皮)が表面を覆っています(4)。
キューティクルは摩擦や引っ張り、曲げ、紫外線への曝露などの影響による物理的・化学的劣化への耐性を持っており、その配列が見た目の美しさや感触特性へと関係しています(5)。
しかし、物理的・化学的ダメージへの優れた耐性をもっているものの、繰り返しダメージを受けることにより劣化が進み、最終的にはキューティクルのめくり上がりや毛髪繊維の弱化に繋がることが知られています(5,6)。
このような背景から損傷したキューティクルを平らに寝かせてなめらかにすることやツヤを向上させることは、毛髪の外観や感触を改善する上で重要なアプローチの一つと考えられています。
γ-ドコサラクトンはダメージを受けて劣化したキューティクル部分に入り込み、ドライヤーやヘアアイロンなどの熱により毛髪に含まれるアミノ基と結合します(1,2)。 その後はシャンプーで洗っても毛髪改善効果の持続が確認されており、キューティクル改善作用が認められています。
安全性について
γ-ドコサラクトンはナタネ由来の成分であることから安全性は高いと考えられています。
但し、大豆油から得ることができる成分であるダイズステロールを一緒に配合した製品もあるため、大豆アレルギーを有する場合には注意が必要です(1)。
参考文献
(3)化粧品の成分表示名称リスト | 日本化粧品工業連合会 (jcia.org),https://www.jcia.org/user/business/ingredients/namelist 2021年12月5日アクセス.
(4)クラーレンス・R・ロビンス(2006)「毛形態学的構造および高次構造」毛髪の科学,1-68.
(5)デール・H・ジョンソン(2011)「毛髪のコンディショニング」ヘアケアサイエンス入門,77-122.
(6) クラーレンス・R・ロビンス(2006)「シャンプー、髪の手入れ、ウェザリング(風化)による毛髪ダメージおよび繊維破断」毛髪の科学,293-328.
γ-ドコサラクトンの配合目的
- キューティクル改善作用
γ-ドコサラクトンの安全性情報
なし
日本語論文
なし
英語論文
Schlutt B, Moran N, Schieberle P, Hofmann T.J Agric Food Chem. 2007 Nov 14;55(23):9634-45. doi: 10.1021/jf0721545. Epub 2007 Oct 13.PMID: 17935296